【仁本物語弐】百合椿【第参世代】
「人を裏切ってはならぬ、それが我が家の教えです」
仁本物語弐【illust/52333018】
*櫻羽 百合椿(さくらば ゆりつばき)
*19歳
*人間
*女
椿屋敷と名高い櫻羽家の長女。
家督の為の習い事が嫌で、ちょくちょく屋敷を抜け出している。
しかし体力がないのですぐに母親に連れ戻される。
特に華道が嫌いで隙を見ては逃げ出しては母親に怒られている。
おっとりとしているが抜け目がない。しかし詰めも甘い。
「家を継ぐのはいいのです、でも百合は勉強が嫌いです。じっとしているのは性に合わないのですよ」
「別に、母様を裏切るつもりはないのですよ。お家だってちゃんと継ぎますし、お婿さんだってきちんと探します。でもそれとお勉強は別ですわ!」
「正座なんて続けられません、もう足が痺れてしまいましたの!」
ちゃんと光だぞ
手に咲く椿
夜実さん【illust/53919975】
華道は嫌だと、いつものように屋敷から抜け出して、今日こそは母様を撒いてしまおうと街中へと駆け込んだ。
息が切れている上に後ろを気にしながらの逃走、きちんと周りを見ていなかった百合の鼻頭に強い衝撃が走った。
何かに鼻を打ち付けて、地面にお尻を打ち付けて、鈍い痛みを訴える両箇所を押さえながら顔を上げれば、男性の姿。
人にぶつかってしまったのだ!と慌てて謝罪の言葉をかけた時に、彼の耳の下に椿を見つけた。
鮮やかで可憐な橙色の椿が、まるでそこに咲いているかのように生き生きと。
いや、よく見れば彼に本当に生えているようだ。
人間ではない、という咄嗟の判断と驚き、しかしそれを掻き消すように椿の美しさに目を奪われた。
そして視線をずらせば視界に映る優しげな表情。
恐らくはほんの一瞬、見つめていただけだと思うのだけれど、長い時間彼を見つめ続けたような気もする。
怒った母の声が聞こえて、我に返る。
そうだ、今はとにかく逃げなければ!
結局お稽古はみっちりとやらされたのだが、その間もずっと上の空だった。
あの人のお名前は何と仰るのだろうか、いったいどこに住んでいらっしゃるのか、普段は何をされておられるのか…気になって気になって、嗚呼やはりお稽古どころではない。
あまりにも集中のない百合を訝しんでか、外出が許された。
これは好機と街を歩いて、歩いて、煌めく花が並んだ店。
そこに、あの人を見つけた。
「申し訳ありません!百合が前を見ていなかったばかりに!お怪我などされていませんか?ああ、本当にごめんなさい、百合は逃げないといけませんの!」
「ごめんくださいませ。あの、先日は本当に、申し訳ありませんでした、あの…素敵な飴細工ですのね。こんなに美しい椿…百合は初めて見ました…。」
「百合椿と申します。櫻羽、百合椿。百合と呼んでいただいて構いません。…本当に素敵。百合が触れているお花よりも、ずっと綺麗。百合の家にあるどの椿よりも、ずっと」
「夜実様の椿は何よりも、美しいと百合は感じます。夜実様の手から生み出される花も、どれも美しいく見えます。」
「百合はお祖母様のように淑やかではありませんし、母様のようにお稽古をしっかりこなせるような娘でもありませんが、それでも百合を傍に置いてくださいますか?」
美しい椿の傍にいたい、隣でも、後ろでも、あなたの傍に。
それを許してくれるのなら、離れないで…裏切らないで…夜実様もどうか、百合の傍にいてください。
母:雛椿【illust/53359143】
「ねえ母様、華道ができなくとも櫻羽家に損失は出ないと思いますの。百合はお花が生けられなくとも生きていかれます、ねえ母様、聞いていらっしゃる?ねえ、あの、」
父:人間の男性
「父様、笑っていないで助けてください、百合はもう、座れませんの、ねえ父様、父様聞いて、足が!」
友人(だと思ってる):高槻 瑩さん【illust/53824891】
「瑩さんこんにちは。まあ、そろそろ目を合わせてくださってもよろしいのでは?母に付いて来ましたの。お茶をくださいな?」
申請について
種族年齢等問わず、相性を見て決めたいと思います。
返信には3日から5日程いただく場合もございます。
もし申請いただけます場合、簡単でいいので関係性などを示していただけると想像しやすいです。
「母様は隣を歩きたいと言いました。お祖母様は三歩後ろを歩く方でした。」
「さて、百合はどういたしましょうか。あなたが望む場所に置いてくださいな」
仁本物語弐【illust/52333018】
*櫻羽 百合椿(さくらば ゆりつばき)
*19歳
*人間
*女
椿屋敷と名高い櫻羽家の長女。
家督の為の習い事が嫌で、ちょくちょく屋敷を抜け出している。
しかし体力がないのですぐに母親に連れ戻される。
特に華道が嫌いで隙を見ては逃げ出しては母親に怒られている。
おっとりとしているが抜け目がない。しかし詰めも甘い。
「家を継ぐのはいいのです、でも百合は勉強が嫌いです。じっとしているのは性に合わないのですよ」
「別に、母様を裏切るつもりはないのですよ。お家だってちゃんと継ぎますし、お婿さんだってきちんと探します。でもそれとお勉強は別ですわ!」
「正座なんて続けられません、もう足が痺れてしまいましたの!」
ちゃんと光だぞ
手に咲く椿
夜実さん【illust/53919975】
華道は嫌だと、いつものように屋敷から抜け出して、今日こそは母様を撒いてしまおうと街中へと駆け込んだ。
息が切れている上に後ろを気にしながらの逃走、きちんと周りを見ていなかった百合の鼻頭に強い衝撃が走った。
何かに鼻を打ち付けて、地面にお尻を打ち付けて、鈍い痛みを訴える両箇所を押さえながら顔を上げれば、男性の姿。
人にぶつかってしまったのだ!と慌てて謝罪の言葉をかけた時に、彼の耳の下に椿を見つけた。
鮮やかで可憐な橙色の椿が、まるでそこに咲いているかのように生き生きと。
いや、よく見れば彼に本当に生えているようだ。
人間ではない、という咄嗟の判断と驚き、しかしそれを掻き消すように椿の美しさに目を奪われた。
そして視線をずらせば視界に映る優しげな表情。
恐らくはほんの一瞬、見つめていただけだと思うのだけれど、長い時間彼を見つめ続けたような気もする。
怒った母の声が聞こえて、我に返る。
そうだ、今はとにかく逃げなければ!
結局お稽古はみっちりとやらされたのだが、その間もずっと上の空だった。
あの人のお名前は何と仰るのだろうか、いったいどこに住んでいらっしゃるのか、普段は何をされておられるのか…気になって気になって、嗚呼やはりお稽古どころではない。
あまりにも集中のない百合を訝しんでか、外出が許された。
これは好機と街を歩いて、歩いて、煌めく花が並んだ店。
そこに、あの人を見つけた。
「申し訳ありません!百合が前を見ていなかったばかりに!お怪我などされていませんか?ああ、本当にごめんなさい、百合は逃げないといけませんの!」
「ごめんくださいませ。あの、先日は本当に、申し訳ありませんでした、あの…素敵な飴細工ですのね。こんなに美しい椿…百合は初めて見ました…。」
「百合椿と申します。櫻羽、百合椿。百合と呼んでいただいて構いません。…本当に素敵。百合が触れているお花よりも、ずっと綺麗。百合の家にあるどの椿よりも、ずっと」
「夜実様の椿は何よりも、美しいと百合は感じます。夜実様の手から生み出される花も、どれも美しいく見えます。」
「百合はお祖母様のように淑やかではありませんし、母様のようにお稽古をしっかりこなせるような娘でもありませんが、それでも百合を傍に置いてくださいますか?」
美しい椿の傍にいたい、隣でも、後ろでも、あなたの傍に。
それを許してくれるのなら、離れないで…裏切らないで…夜実様もどうか、百合の傍にいてください。
母:雛椿【illust/53359143】
「ねえ母様、華道ができなくとも櫻羽家に損失は出ないと思いますの。百合はお花が生けられなくとも生きていかれます、ねえ母様、聞いていらっしゃる?ねえ、あの、」
父:人間の男性
「父様、笑っていないで助けてください、百合はもう、座れませんの、ねえ父様、父様聞いて、足が!」
友人(だと思ってる):高槻 瑩さん【illust/53824891】
「瑩さんこんにちは。まあ、そろそろ目を合わせてくださってもよろしいのでは?母に付いて来ましたの。お茶をくださいな?」
申請について
種族年齢等問わず、相性を見て決めたいと思います。
返信には3日から5日程いただく場合もございます。
もし申請いただけます場合、簡単でいいので関係性などを示していただけると想像しやすいです。
「母様は隣を歩きたいと言いました。お祖母様は三歩後ろを歩く方でした。」
「さて、百合はどういたしましょうか。あなたが望む場所に置いてくださいな」
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2015-12-05 01:32
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