紅白ヶ辻
冷酷無比な貴族フェリドの罠にはまり、家族を皆殺しにされた優一郎
彼は一人だけ生き残ったことを後悔していた
優一郎は必死で逃げたが、あたりはまるで巨大な迷路のようで
自分たちの世界はどこなのかもわからない
優一郎は暗闇の中、一人でうずくまって泣いていた
「面妖な、このような掃き溜めの場所に少年とは・・・」
優一郎が驚いて見上げると、長身の男が見下ろしていた
着物姿に、顔の真ん中に大きな絆創膏があった、口元には牙が出ていて、二つの目は金色に光っていた
吸血鬼だ・・・!!手元に武器はない、今度こそ 殺される・・!!お
優一郎は後ずさり、何か武器がないか手当たり次第に地面を探った
「心配はいらないよ、私は吸血鬼じゃない よく間違われるがね・・・こんなところにずっといて、これからの人生を考えていたのかな?少年」
「・・・・」優一郎は黙って相手をにらむ
「おっと、質問には答えてくれないのかな少年」
「・・・」
こいつもあいつと同じだ、俺たちに希望を与えてぶち壊すことを至福の喜びとする鬼畜なやつら
「ハハハ、もしかしてあのような悪趣味な貴族さんと一緒と思ってるのかな?だったら私は違うよ、君に生きるヒントを与えてやろうと思ってね、なに 難しいことじゃない 君の好きなほうを選ぶだけだ、簡単だろ?」
すると暗闇の中に二つの道が浮かび上がった
一つは白い道、もう一つは赤い道 それが二つに枝分かれになっている
優一郎はその分岐点に立っていた
赤いほうの道には何やら塊のようなものが転がっている それをよく見てみると・・・
それは殺された優一郎の家族だった
「・・・!!茜・・千尋、香太・・・ああああああああああーーーー!!!」
優一郎は頭を抱えて絶叫した
「君が取る道は二つに一つだ、彼らのように生ゴミのように殺されるか、それとも生きて自分を活かす方法を見つけるかだ・・・好きなほうを選びなさい、それじゃあね」
男は分かれ道の真ん中を歩いて行った、空中を歩いて暗闇の中へ消えた
優一郎はしばらく呆然と考えていた
家族がいなくなった今、自分が生きる意味があるのだろうか?
いっそのこと・・・このまま死んだほうが楽なのでは?
そんな優一郎の頭の中に浮かんだのは、瀕死の重傷を負いながらも自分を逃がそうとしたミカエラ
彼は彼なりに責任を感じていたのだろう・・・一人でも多くの家族を逃がそうと
次の瞬間 優一郎は走り出した
それははるか上のほうへ続く白い道、その道を走りながら優一郎は号泣しながら走った
なぜその道を選んだのかはわからなかったが、それはこれから彼を待ち受ける数奇な運命が、彼の背中を押したのだろうか?これから彼の数年後に起こる事を誰が予測し得ただろう 運命はただ残酷に時のなりゆきを見守るだけなのだ
彼の走る後には、銀色に輝く水滴が舞ったのだった
そして辺りは一面銀世界の場所へと出た
先ほど優一郎と出会った男は、もう一人の軍人と思われる男とあっていた
「お望み通りの人材を見つけましたよ、一瀬中佐 もし彼が生きるという選択肢をすれば・・地獄谷のほうに現れるでしょう・・・見つけたとしても、後はあなたの育て方次第ですがね」
「なぜ俺の理想通りだとわかる?いい加減な事をぬかしやがると・・・だいたい前から思ってたけどよ、てめえ仰々しいんだよ この絆創膏が!!」
一瀬中佐は男の顔から絆創膏を引きはがした
男の顔には醜い十文字の傷があり、それが化膿して膿がただれていた
中佐は思わず顔をしかめる
「昔の古傷でね、今でも痛むんだよ あまり人にお見せするもんじゃないから、隠してたまでさ 中佐、私は種を渡すのが仕事、それが芽を出して、どんな花を咲かせるかは貰い手であるあんたの仕事だ・・・あんたがどこまで自分の理想に近づけるかはわからんがね・・・ま、がんばってくださいよ」
そういうと男は雪の中を去っていった
「フン、理想か・・・そんなものこんなイカれた世の中じゃ、何の役にもたちゃしねえってのによ・・だが、人間ってのは不思議なもんだ 生きていりゃ何かいい事があるんじゃねえかって考えちまう・・・それは俺たち人間の宿命ってやつかね?まあいい、運が良けりゃ、その救世主様とやらを拝めるってわけだな」
中佐は絆創膏を放り投げると、従者たちに合流した そして自分の求めていた人材を探して雪の中を走っていった
彼は一人だけ生き残ったことを後悔していた
優一郎は必死で逃げたが、あたりはまるで巨大な迷路のようで
自分たちの世界はどこなのかもわからない
優一郎は暗闇の中、一人でうずくまって泣いていた
「面妖な、このような掃き溜めの場所に少年とは・・・」
優一郎が驚いて見上げると、長身の男が見下ろしていた
着物姿に、顔の真ん中に大きな絆創膏があった、口元には牙が出ていて、二つの目は金色に光っていた
吸血鬼だ・・・!!手元に武器はない、今度こそ 殺される・・!!お
優一郎は後ずさり、何か武器がないか手当たり次第に地面を探った
「心配はいらないよ、私は吸血鬼じゃない よく間違われるがね・・・こんなところにずっといて、これからの人生を考えていたのかな?少年」
「・・・・」優一郎は黙って相手をにらむ
「おっと、質問には答えてくれないのかな少年」
「・・・」
こいつもあいつと同じだ、俺たちに希望を与えてぶち壊すことを至福の喜びとする鬼畜なやつら
「ハハハ、もしかしてあのような悪趣味な貴族さんと一緒と思ってるのかな?だったら私は違うよ、君に生きるヒントを与えてやろうと思ってね、なに 難しいことじゃない 君の好きなほうを選ぶだけだ、簡単だろ?」
すると暗闇の中に二つの道が浮かび上がった
一つは白い道、もう一つは赤い道 それが二つに枝分かれになっている
優一郎はその分岐点に立っていた
赤いほうの道には何やら塊のようなものが転がっている それをよく見てみると・・・
それは殺された優一郎の家族だった
「・・・!!茜・・千尋、香太・・・ああああああああああーーーー!!!」
優一郎は頭を抱えて絶叫した
「君が取る道は二つに一つだ、彼らのように生ゴミのように殺されるか、それとも生きて自分を活かす方法を見つけるかだ・・・好きなほうを選びなさい、それじゃあね」
男は分かれ道の真ん中を歩いて行った、空中を歩いて暗闇の中へ消えた
優一郎はしばらく呆然と考えていた
家族がいなくなった今、自分が生きる意味があるのだろうか?
いっそのこと・・・このまま死んだほうが楽なのでは?
そんな優一郎の頭の中に浮かんだのは、瀕死の重傷を負いながらも自分を逃がそうとしたミカエラ
彼は彼なりに責任を感じていたのだろう・・・一人でも多くの家族を逃がそうと
次の瞬間 優一郎は走り出した
それははるか上のほうへ続く白い道、その道を走りながら優一郎は号泣しながら走った
なぜその道を選んだのかはわからなかったが、それはこれから彼を待ち受ける数奇な運命が、彼の背中を押したのだろうか?これから彼の数年後に起こる事を誰が予測し得ただろう 運命はただ残酷に時のなりゆきを見守るだけなのだ
彼の走る後には、銀色に輝く水滴が舞ったのだった
そして辺りは一面銀世界の場所へと出た
先ほど優一郎と出会った男は、もう一人の軍人と思われる男とあっていた
「お望み通りの人材を見つけましたよ、一瀬中佐 もし彼が生きるという選択肢をすれば・・地獄谷のほうに現れるでしょう・・・見つけたとしても、後はあなたの育て方次第ですがね」
「なぜ俺の理想通りだとわかる?いい加減な事をぬかしやがると・・・だいたい前から思ってたけどよ、てめえ仰々しいんだよ この絆創膏が!!」
一瀬中佐は男の顔から絆創膏を引きはがした
男の顔には醜い十文字の傷があり、それが化膿して膿がただれていた
中佐は思わず顔をしかめる
「昔の古傷でね、今でも痛むんだよ あまり人にお見せするもんじゃないから、隠してたまでさ 中佐、私は種を渡すのが仕事、それが芽を出して、どんな花を咲かせるかは貰い手であるあんたの仕事だ・・・あんたがどこまで自分の理想に近づけるかはわからんがね・・・ま、がんばってくださいよ」
そういうと男は雪の中を去っていった
「フン、理想か・・・そんなものこんなイカれた世の中じゃ、何の役にもたちゃしねえってのによ・・だが、人間ってのは不思議なもんだ 生きていりゃ何かいい事があるんじゃねえかって考えちまう・・・それは俺たち人間の宿命ってやつかね?まあいい、運が良けりゃ、その救世主様とやらを拝めるってわけだな」
中佐は絆創膏を放り投げると、従者たちに合流した そして自分の求めていた人材を探して雪の中を走っていった
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2015-12-09 21:04
Comments (2)
ぎゃーッ!絆創膏無理矢理引き剥がしたら痛いがな(>_<) (´・ω・)つ塗り薬(傷薬+化膿止め)
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