荒海を超えて！

NKVD極秘資料より抜粋

先の会戦以後、鳴りを潜めている独逸海軍大海艦隊。
だが、第三帝国の伏魔殿近くまで張り巡らされた我が諜報組織「赤いオーケストラ」からの報告によれば、ヒトラーは北海域の制海権奪取の為、形振り構わず戦力の増強に努めている模様だ。
海上戦力に劣る独逸は同盟国たるイタリア王国から新造空母アクィラと高速戦艦数隻の派遣を求め了承を得た模様。
又、準同盟国のビシー・フランスには軽空母二隻（ジョフレ級）と高速戦艦群（これにはリシュリュー級も含まれる模様）を、スペイン王国（実質的にはフランコによる軍事独裁）には巡洋艦数隻の派遣をそれぞれ（半ば強制的に）要請した模様。
これにより独逸はグラーフ・ツェッペリン級二隻と商船改造空母一隻（エウロパ号）に加え正規空母一隻、軽空母二隻を戦力として計算出来る様になった訳だ。
又、戦艦戦力は世界最大の戦艦ウルリヒ・フォン・フッテン（H41）、フリードリヒ・デア・グローゼ（H39
）、フリードリヒ・バルバロッサ（H39）、カール・デア・グローゼ（H39）、ティルピッツ、グナイゼナウ、リューネブルク（仮称O）、マグデブルク（仮称O）、バンベルク（仮称O）に加え、イタリアが派遣するコンテ・デ・カブール級、カイオ・ディユリオ級各一隻、フランスが派遣するダンケルク級、リシュリュー級各一隻を指揮下に加える事となった。
だが、敵は数こそ多いが所詮は烏合の衆である。
何故なら、今回の艦隊派遣に際しヒトラーはムソリーニに対しキプロス島を含むアフリカの切り取り自由を約束し、フランスに対しては今回の戦闘で顕著な戦功を挙げた場合パリを解放するとペタンに明言したようだ。又、フランコに対しても新型戦車ティーガー、パンターを含む軍事援助を申し出ているらしい。
だが、古今東西独裁者の言葉程信用出来ないモノは無い！（有言実行が信条の偉大なる同志ユーカリンとは比べるべきも無い）

我が国の赤き隼達も日に々空母及び洋上戦闘に習熟してきている。
残念ながら未だ日米の大機動部隊には及ばないが、既に旧態依然のイギリス海軍空母部隊は優に凌駕している。
巡洋戦艦クロンシュタット級を改装した大型空母三隻（ウラジオストック・リガ・アルハンゲリスク）を基幹とする赤き空母群が実戦に臨む日もそう遠い事ではあるまい。
赤軍将兵よ、今は訓練に血の汗を流せ。
それが実戦において諸君の自信と冷静さとなり諸君の命を守るはずだ！