【トリステス】莉 美芳【平民】
素敵な企画元様:トリステスの主従【illust/55454350】
「異種だなんだって難しい事はわからないけど、私が生き延びるためには貴方の力が必要だって事はわかるわ。根性入れて守ってもらわないと困るの。だから常識の範囲内なら条件も飲むわよ」
「お金も大事だけど、墓場まで持っていっても仕方ないもの。どうせなら心地よく生きる為に使うわ」
「利用できるものはなんだって利用する。だって私死にたくないもの」
基本情報:莉 美芳(リー・メイファン)/156㎝/豪商莉家の妾腹の娘
本家筋の家督争いからは一線を引き、下町で情報収集と売買で身を立てている娘。莉家としての商売はしていないものの、父と腹違いの兄から溺愛されているので、莉家の権力は可能な限り利用する。莉家の力を使っているから、反感も買うし身の危険を感じる事も多いけれど、何も後ろ盾がない状態で生きてはいけないと痛感しているので、遠慮なく容赦なく利用する。
けれど扱っている商品(情報)は自分の足と人脈で稼いだ本物である為、顧客からの信頼は篤い。
まだまだ年若い事もあり、身の安全を確保したく、契約してくれる異種を探している。
※兄から異種については聊か夢見がちな話を吹き込まれているので、異種に関してはかなり好意的。契約を結べたならば家族同様に接すると思われます。
◆素敵な生涯の相棒と契約しました!
クアンールーウェンさん【illust/59791226】
瞼の裏に広がる、赤い記憶。
血飛沫を挙げながら倒れていく細い体躯。
広がった長い髪がまるで目を覆う闇のようで。
怖くて、怖くて、怖くて、己を抱きしめた。
命はとても脆く、人はとても恐ろしいと、初めて知った日の記憶
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大豪商【莉家】の名は伊達ではない。
幸い当主である父親と、次代の当主当確の腹違いの兄には可愛がられていて。
豊富にある金子を周囲にばら撒けば、そこそこ町を守る自警団だの軍の動きも良くなる。
そうして周囲を囲って、絶え間なく笑顔を浮かべて人脈を広げて。
笑って、笑って、笑って。
今日も私は生きている。
「彼」に声をかけたのは、そうして繰り返される日々の狭間の、ほんの気まぐれ。
そう、単なる気まぐれでしかなかったはずなのに。
一言、二言言葉を交わし、彼が「契約前の異種」である事を知った。
ふさふさと豊かな毛並みの尾は長く、ひどく手触りが良さそうで。
ぴんとたった耳を覆う、暗い色の毛に触れてみたくて。
つい引き留めてお茶の一杯でもと引き留めてしまった。
多少ぶっきらぼうながらも人に慣れているらしい彼の声は静かに低く、けして荒げられる事はなく、高い知能を窺わせた。
意思の疎通ができるのは良い事だ。
見目も人から離れすぎているわけではなく、むしろ整っている部類だと思う。
これならば過保護というにはいささか心配性すぎる父や兄も否とは言うまい。
あとは雇用条件に折り合いがつけばいいのだけれど…
「俺は契約はしない」
契約を持ち掛けて条件を問うと同時に返される言葉。
「求めているのは主人ではない」
「欲しいのは生涯の伴侶だ」
重ねていう彼の言葉の意味が分からない。
異種とは人と契約を結ぶことで命を長らえる種族ではないのか?
寿命の折り返し地点を過ぎている彼にとって、この申し出はけして見劣りするものではないはずなのに。
「困ったわね…身を固めるにはちょっと私は若すぎると思うのだけれど」
ため息を吐いて一口茶を含む。
「とりあえずお試しでいいので、一日だけでも護衛をお願いできるかしら?」
報酬は言い値を払うから、と重ねていえば、それが生業の彼に拒む意味はなく、小さく頷かれる。
能力を疑っているわけではないけれど、こちらとしても本当に「彼」でいいのかは確認したいところだったから。
私に船と約束を取り付けた。
何がどう転ぶか、人生なんてものは本当にわからないものだ。
一日限定の護衛を見事に勤め切ってため息を一つ。
今日も今日とて商売敵を笑顔で地獄の底にたたき落とし、依頼人にお望みの機密情報を届け、ついでに生家に立ち寄って父に目通しを願い、数多居る愛人たちの鼻先で「愛される娘」を演じて、兄から新しい飯の種を分けてもらい、ようやく自宅についた頃。
どういう気の迷いかはわからないけれど、彼の方から契約延長の声がかかる。
いや、彼が申し出てきたのは、契約ではなく
約束
「貴方の言葉の意味が今の私にはわからない。わからないけれど、貴方が今まで私の傍に居た誰とも…人間だの異種だのというくだらない括りにかかわらず、私と接触するに至った誰とも違うのだけはわかるような気がする。私はまだまだ幼くて、自分の身すら自分で守り切れないひよっこだけれど、それでも命が途絶えるその瞬間まで、笑って幸福に生きると誓っている。だから、私に力を貸して。私を守って。貴方が【それ】をくれるというのなら、私も返せるように努力をしましょう。だから」
「私と共に生きて、私と一緒に死んで?」
悩んで、悩んでようやく返した答えに、彼は満足そうに頷き
「あ、でも今のところ確約できるのはふかふかの寝床と三食手作りのごはんくらいだけど」
慌てて付け加えた一言に、小さく笑みを漏らした。
◆関係者
兄:腹違いの兄 莉 洲烈【illust/55981372】
背景と衣装の柄にがっつり素材お借りしています。
置き逃げツイッタ:【https://twitter.com/kayako777】
不備等あればシブメッセ等でお声かけください。
「異種だなんだって難しい事はわからないけど、私が生き延びるためには貴方の力が必要だって事はわかるわ。根性入れて守ってもらわないと困るの。だから常識の範囲内なら条件も飲むわよ」
「お金も大事だけど、墓場まで持っていっても仕方ないもの。どうせなら心地よく生きる為に使うわ」
「利用できるものはなんだって利用する。だって私死にたくないもの」
基本情報:莉 美芳(リー・メイファン)/156㎝/豪商莉家の妾腹の娘
本家筋の家督争いからは一線を引き、下町で情報収集と売買で身を立てている娘。莉家としての商売はしていないものの、父と腹違いの兄から溺愛されているので、莉家の権力は可能な限り利用する。莉家の力を使っているから、反感も買うし身の危険を感じる事も多いけれど、何も後ろ盾がない状態で生きてはいけないと痛感しているので、遠慮なく容赦なく利用する。
けれど扱っている商品(情報)は自分の足と人脈で稼いだ本物である為、顧客からの信頼は篤い。
まだまだ年若い事もあり、身の安全を確保したく、契約してくれる異種を探している。
※兄から異種については聊か夢見がちな話を吹き込まれているので、異種に関してはかなり好意的。契約を結べたならば家族同様に接すると思われます。
◆素敵な生涯の相棒と契約しました!
クアンールーウェンさん【illust/59791226】
瞼の裏に広がる、赤い記憶。
血飛沫を挙げながら倒れていく細い体躯。
広がった長い髪がまるで目を覆う闇のようで。
怖くて、怖くて、怖くて、己を抱きしめた。
命はとても脆く、人はとても恐ろしいと、初めて知った日の記憶
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大豪商【莉家】の名は伊達ではない。
幸い当主である父親と、次代の当主当確の腹違いの兄には可愛がられていて。
豊富にある金子を周囲にばら撒けば、そこそこ町を守る自警団だの軍の動きも良くなる。
そうして周囲を囲って、絶え間なく笑顔を浮かべて人脈を広げて。
笑って、笑って、笑って。
今日も私は生きている。
「彼」に声をかけたのは、そうして繰り返される日々の狭間の、ほんの気まぐれ。
そう、単なる気まぐれでしかなかったはずなのに。
一言、二言言葉を交わし、彼が「契約前の異種」である事を知った。
ふさふさと豊かな毛並みの尾は長く、ひどく手触りが良さそうで。
ぴんとたった耳を覆う、暗い色の毛に触れてみたくて。
つい引き留めてお茶の一杯でもと引き留めてしまった。
多少ぶっきらぼうながらも人に慣れているらしい彼の声は静かに低く、けして荒げられる事はなく、高い知能を窺わせた。
意思の疎通ができるのは良い事だ。
見目も人から離れすぎているわけではなく、むしろ整っている部類だと思う。
これならば過保護というにはいささか心配性すぎる父や兄も否とは言うまい。
あとは雇用条件に折り合いがつけばいいのだけれど…
「俺は契約はしない」
契約を持ち掛けて条件を問うと同時に返される言葉。
「求めているのは主人ではない」
「欲しいのは生涯の伴侶だ」
重ねていう彼の言葉の意味が分からない。
異種とは人と契約を結ぶことで命を長らえる種族ではないのか?
寿命の折り返し地点を過ぎている彼にとって、この申し出はけして見劣りするものではないはずなのに。
「困ったわね…身を固めるにはちょっと私は若すぎると思うのだけれど」
ため息を吐いて一口茶を含む。
「とりあえずお試しでいいので、一日だけでも護衛をお願いできるかしら?」
報酬は言い値を払うから、と重ねていえば、それが生業の彼に拒む意味はなく、小さく頷かれる。
能力を疑っているわけではないけれど、こちらとしても本当に「彼」でいいのかは確認したいところだったから。
私に船と約束を取り付けた。
何がどう転ぶか、人生なんてものは本当にわからないものだ。
一日限定の護衛を見事に勤め切ってため息を一つ。
今日も今日とて商売敵を笑顔で地獄の底にたたき落とし、依頼人にお望みの機密情報を届け、ついでに生家に立ち寄って父に目通しを願い、数多居る愛人たちの鼻先で「愛される娘」を演じて、兄から新しい飯の種を分けてもらい、ようやく自宅についた頃。
どういう気の迷いかはわからないけれど、彼の方から契約延長の声がかかる。
いや、彼が申し出てきたのは、契約ではなく
約束
「貴方の言葉の意味が今の私にはわからない。わからないけれど、貴方が今まで私の傍に居た誰とも…人間だの異種だのというくだらない括りにかかわらず、私と接触するに至った誰とも違うのだけはわかるような気がする。私はまだまだ幼くて、自分の身すら自分で守り切れないひよっこだけれど、それでも命が途絶えるその瞬間まで、笑って幸福に生きると誓っている。だから、私に力を貸して。私を守って。貴方が【それ】をくれるというのなら、私も返せるように努力をしましょう。だから」
「私と共に生きて、私と一緒に死んで?」
悩んで、悩んでようやく返した答えに、彼は満足そうに頷き
「あ、でも今のところ確約できるのはふかふかの寝床と三食手作りのごはんくらいだけど」
慌てて付け加えた一言に、小さく笑みを漏らした。
◆関係者
兄:腹違いの兄 莉 洲烈【illust/55981372】
背景と衣装の柄にがっつり素材お借りしています。
置き逃げツイッタ:【https://twitter.com/kayako777】
不備等あればシブメッセ等でお声かけください。
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2016-04-10 20:23
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