【YofH&E】燈璃【第4期】
こちらの素敵企画◇天と地の世界樹【illust/54032140】◇に引き続きお邪魔いたします。
「何もできないならいっそ…何も見えなければ、聴こえなければよかったのよ」
燈璃(ともり)/女/18歳/152㎝/地の民
一人称:私(わたくし)
二人称:貴方さま
【天pt:30/地pt:135】
父:灼雲【illust/56131782】
「父様はどうしてそんなにお強くていらっしゃるの…?母様と兄様と…私、がいるから…?…よく、わからないわ。変な父様」
母:スズナ=アルルエルさん【illust/56117255】
「母様、お願いがあるのだけど…お唄を、歌ってほしくて…。母様のお唄は心が落ち着くの。私が大人になってもまた歌ってくれる…?」
兄:響魚くん【illust/56734647】
「ごめんなさい兄様…こんな私が妹では兄様も笑われてしまうわ。でも兄様がこの泉を離れるまでは、もう少しだけ傍にいてほしいの」
◇煇血(かがち)の民◇
生まれ持った焔を用いることで、穢れた魂の浄化や終わりゆく魂を天へ導く役目を担ってきた一族。
美しい白銀の狐の毛並を持つ。
錫杖の音色で場を祓い、狐火の力で魂を浄める魂葬を生業としている。
生まれ出でてから命ついえるまで絶えず誰かの魂に寄り添い続ける種族であり、その眼は魂の質を見極め、その耳は魂の声を聴く。
宿す焔の色には個人差があり、燈璃の場合は翠焔。
母方の種族・鱗人についてはこちら【illust/56117255】をご参照ください。
スキル
◇奏玻の燐音(そうはのりんね)
┗錫杖を突き立てた場所を中心に水気を帯びた狐火が円状に広がり、魂葬のための禊ぎ場を形成する。
遊環が紡ぐ清らかな音色によって悪しき心や思念を持つ生者は阻まれ近付くことすらままならない神域となる。
水のような冷やかさを持つ焔は対象の傷や病すらも癒す清らかさを宿す。
◇祈ノ心眼(いのりのしんがん)
┗見つめた相手の魂を見通すことができる瞳。意図せず相手の深層心理まで読み取り、望めば心に語りかけることが可能。
◇鳴杖・唄解(めいじょう・うたほぎ)
┗煇血の民は魂葬の際に弔った魂の残り火を保持するための錫杖を所持しており、穂先から連なる鬼灯の形をした浮遊物に残り火を宿すことで自らの糧とする。
宿した焔は半永久的に消えることがないため、実をもいで灯篭としても使用できるらしい。
燈璃が持つ唄解は聴く者の怒りや哀しみといった負の感情を鎮める、あらゆる音階の音色を奏でる。
それはかつて母が紡いでくれた囀り唄によく似ている。
5/13 素敵な伴侶様に迎えていただきました…♡
ウルスラグナさん【illust/56758176】
◆
拝啓 ウルスラグナ様
雨に紫陽花の花が鮮やかに映える季節となりましたね。
貴方様がお眠りになるこの時季になると、思い出すことがたくさんあるのです。
長雨の暇の戯れとして筆をとること、どうかお赦しください。
…初めてお会いした日を覚えていらっしゃるかしら。
あの日はどうにも気分が沈んでしまっていて、逃げるようにあの森へ入り込んだの。
静かなあの空間はとても居心地が良くて、このまま眠り込んでしまおうかと思った折に、貴方様が現れた。
視てしまうつもりはなかったの、でも視えてしまった。…聴こえてしまった。
〝もう入ってきてはいけない〟
その言葉を最初は鵜呑みにしようとしたわ。
だって私には何の力もなくて、誰かにしてあげられることなんて何一つ持ち合わせていなかったから。
こんな風に思うことすら気の迷いだって言い聞かせて忘れようとしたの。
結局、貴方様の心を忘れられなくて会いに行ってしまったのだけれど。
臆病な私と臆病な貴方様。どこか似ていて、だからこそその心の寂しさもすぐわかったの。
このままじゃいけないことだってわかってた。
けれど踏み込もうとする度に互いが引いた一線が見えて足が竦んでしまって。
すくえる自信がないのが。拒絶されるのが。とてつもなく恐かったのです。
嘘みたいな話だけれど、その時“声”が聴こえたの。
――――お前は自分をすくうために必死だね。お前がすくいたいのは本当に“自分”なのかい?
あぁ違うって。
私は周りから逃げるためにずっと、十分すぎるくらいに自分を守り続けてたって。
今守りたいのは私じゃない、目の前にいる貴方様だって。
気付いてしまえば恐れはいくらか和らいで、一歩、踏み込めた。
そうして見据えた貴方様は泣いていて、私の視界もひどく歪んでいたのをよく覚えています。
…随分長く筆をとってみましたけれど、未だ空は泣いています。
草も木も、人の声すら静まり返る雨が好きでした。
魂の嘆きも何もかも遮ってくれる雨音にひどく安寧を感じていたの。
だけど今は、とても、きらい。
ウルスラグナ様、貴方様がずっと眠ってしまうのが寂しくて、不安で。
でも心が見えてしまう私とは違って、ウルスラグナ様には私の心の全てはお見えにならないでしょう。
届いてほしい想いが、伝わってほしい心がいくつもあるのです。
だからどうか、少しでも早くお目覚めになって、私の心を聴いてくださいな。
愛しい私の旦那様…
敬具
◆
――――世界の混沌は止まらない。
誰もがすくわれないことをどこか知っていて、でも望みを捨てられずにいる。
次へと希望を託して、あの樹に身を投ずる様はきっと滑稽なのでしょう。
それでも私は信じたいのです。
生涯を捧げたウルスラグナ様を。そんな彼が受け容れてくれた私自身を、信じていたいのです。
いつかまた出会える日々を、笑いあって泣きあえる日々を、私は…私は…
「私、耳には少しばかり自信があるの。だからウルスラグナ様、どうか私を呼んでいて。きっと、きっと見つけてみせます」
◆
キャプションは随時変更いたします(最終更新2016.5.31)
不備等ございましたらお手数ではございますが各種ツールよりご一報ください。
「何もできないならいっそ…何も見えなければ、聴こえなければよかったのよ」
燈璃(ともり)/女/18歳/152㎝/地の民
一人称:私(わたくし)
二人称:貴方さま
【天pt:30/地pt:135】
父:灼雲【illust/56131782】
「父様はどうしてそんなにお強くていらっしゃるの…?母様と兄様と…私、がいるから…?…よく、わからないわ。変な父様」
母:スズナ=アルルエルさん【illust/56117255】
「母様、お願いがあるのだけど…お唄を、歌ってほしくて…。母様のお唄は心が落ち着くの。私が大人になってもまた歌ってくれる…?」
兄:響魚くん【illust/56734647】
「ごめんなさい兄様…こんな私が妹では兄様も笑われてしまうわ。でも兄様がこの泉を離れるまでは、もう少しだけ傍にいてほしいの」
◇煇血(かがち)の民◇
生まれ持った焔を用いることで、穢れた魂の浄化や終わりゆく魂を天へ導く役目を担ってきた一族。
美しい白銀の狐の毛並を持つ。
錫杖の音色で場を祓い、狐火の力で魂を浄める魂葬を生業としている。
生まれ出でてから命ついえるまで絶えず誰かの魂に寄り添い続ける種族であり、その眼は魂の質を見極め、その耳は魂の声を聴く。
宿す焔の色には個人差があり、燈璃の場合は翠焔。
母方の種族・鱗人についてはこちら【illust/56117255】をご参照ください。
スキル
◇奏玻の燐音(そうはのりんね)
┗錫杖を突き立てた場所を中心に水気を帯びた狐火が円状に広がり、魂葬のための禊ぎ場を形成する。
遊環が紡ぐ清らかな音色によって悪しき心や思念を持つ生者は阻まれ近付くことすらままならない神域となる。
水のような冷やかさを持つ焔は対象の傷や病すらも癒す清らかさを宿す。
◇祈ノ心眼(いのりのしんがん)
┗見つめた相手の魂を見通すことができる瞳。意図せず相手の深層心理まで読み取り、望めば心に語りかけることが可能。
◇鳴杖・唄解(めいじょう・うたほぎ)
┗煇血の民は魂葬の際に弔った魂の残り火を保持するための錫杖を所持しており、穂先から連なる鬼灯の形をした浮遊物に残り火を宿すことで自らの糧とする。
宿した焔は半永久的に消えることがないため、実をもいで灯篭としても使用できるらしい。
燈璃が持つ唄解は聴く者の怒りや哀しみといった負の感情を鎮める、あらゆる音階の音色を奏でる。
それはかつて母が紡いでくれた囀り唄によく似ている。
5/13 素敵な伴侶様に迎えていただきました…♡
ウルスラグナさん【illust/56758176】
◆
拝啓 ウルスラグナ様
雨に紫陽花の花が鮮やかに映える季節となりましたね。
貴方様がお眠りになるこの時季になると、思い出すことがたくさんあるのです。
長雨の暇の戯れとして筆をとること、どうかお赦しください。
…初めてお会いした日を覚えていらっしゃるかしら。
あの日はどうにも気分が沈んでしまっていて、逃げるようにあの森へ入り込んだの。
静かなあの空間はとても居心地が良くて、このまま眠り込んでしまおうかと思った折に、貴方様が現れた。
視てしまうつもりはなかったの、でも視えてしまった。…聴こえてしまった。
〝もう入ってきてはいけない〟
その言葉を最初は鵜呑みにしようとしたわ。
だって私には何の力もなくて、誰かにしてあげられることなんて何一つ持ち合わせていなかったから。
こんな風に思うことすら気の迷いだって言い聞かせて忘れようとしたの。
結局、貴方様の心を忘れられなくて会いに行ってしまったのだけれど。
臆病な私と臆病な貴方様。どこか似ていて、だからこそその心の寂しさもすぐわかったの。
このままじゃいけないことだってわかってた。
けれど踏み込もうとする度に互いが引いた一線が見えて足が竦んでしまって。
すくえる自信がないのが。拒絶されるのが。とてつもなく恐かったのです。
嘘みたいな話だけれど、その時“声”が聴こえたの。
――――お前は自分をすくうために必死だね。お前がすくいたいのは本当に“自分”なのかい?
あぁ違うって。
私は周りから逃げるためにずっと、十分すぎるくらいに自分を守り続けてたって。
今守りたいのは私じゃない、目の前にいる貴方様だって。
気付いてしまえば恐れはいくらか和らいで、一歩、踏み込めた。
そうして見据えた貴方様は泣いていて、私の視界もひどく歪んでいたのをよく覚えています。
…随分長く筆をとってみましたけれど、未だ空は泣いています。
草も木も、人の声すら静まり返る雨が好きでした。
魂の嘆きも何もかも遮ってくれる雨音にひどく安寧を感じていたの。
だけど今は、とても、きらい。
ウルスラグナ様、貴方様がずっと眠ってしまうのが寂しくて、不安で。
でも心が見えてしまう私とは違って、ウルスラグナ様には私の心の全てはお見えにならないでしょう。
届いてほしい想いが、伝わってほしい心がいくつもあるのです。
だからどうか、少しでも早くお目覚めになって、私の心を聴いてくださいな。
愛しい私の旦那様…
敬具
◆
――――世界の混沌は止まらない。
誰もがすくわれないことをどこか知っていて、でも望みを捨てられずにいる。
次へと希望を託して、あの樹に身を投ずる様はきっと滑稽なのでしょう。
それでも私は信じたいのです。
生涯を捧げたウルスラグナ様を。そんな彼が受け容れてくれた私自身を、信じていたいのです。
いつかまた出会える日々を、笑いあって泣きあえる日々を、私は…私は…
「私、耳には少しばかり自信があるの。だからウルスラグナ様、どうか私を呼んでいて。きっと、きっと見つけてみせます」
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キャプションは随時変更いたします(最終更新2016.5.31)
不備等ございましたらお手数ではございますが各種ツールよりご一報ください。
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2016-05-01 20:56
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