【花冠】メオ【マドイビト】

『...お前か。菘を殺したのは。』

【illust/55830776】マドイビトの投稿です。

名前：メオ　　性別　：男性　　年齢：24歳　身長：177cm

---現行世界---
　メオ【illust/57165077】
妻：菘【illust/57166079】
--マドイビト--
　　菘【illust/59954564】
***

陽の国の泥棒だった男。
蒼月の日、生まれて初めて心から愛した人と
約束を交わした。
「いつか渡したいものがあるの」と言う彼女の微笑みから
何故か少しの不安を感じ取れた。

数日後、原因不明の天災に見舞われた陽の国
応援の要請を受け、彼は彼女を家に残し出かけていく。
僅かな胸騒ぎは、送り出す彼女の笑顔で溶けていった。

ことの沈静に月日はかかり、久々に帰宅すると、
そこには愛する人の姿は無く、代わりに床の血痕と
彼女の折れた角が落ちていた。

無事を信じながら、がむしゃらに探すが、
ふと一瞬、心が揺らぐ。彼女は何者かに殺されたのでは
次の瞬間、黒い炎が身を包んだ。

あの日彼女が言った「いつか渡したいもの」
それが何なのか 彼はまだ知らない。

***

11/16　呼応：意志の力　菘さん【illust/59954564】

確かに、彼女だった。
何かに脅えたように逃げ出した彼女を追う。
込み上げる狂気に意識をぐらつかせながら、やっとの思いで腕をつかんだ。
お互いの腕輪が静かに揺れる。

どこかうつろな眼で見上げる彼女を、無言のまま強く抱きしめる。
（一体いつ振りだろうか。会いたかった。会いたかった。ずっとお前の事を探していたんだ。）

頬に触れる感触に視線を戻すと、そこにはいつもの彼女がいた。
名を呼ばれ、頬を伝う涙を止められなかった。
「菘・・・菘！」
確かめるように何度も名前を呼ぶ。
握り返された手は暖かく、確かに彼女がここに生きていることを証明してくれた。