第二話 様子見
明けましておめでとうとは、あえて言いません。
illust/58847626
やっとこれの続きが出来たので、まずこれから投稿します。
年賀線画(絵としての完成は遥か先)はもうしばらくお待ちください…。
この時点では、まだ猫さんとは出会っていません。
・・・・・・・
「あの、ブラックと……。」
とりあえず互角に渡り合っている悟空を見て、希望が出てきた。
「奴は、元からあの強さだったのか?」
父の声に
「いえ……最初は弱かったんです。」
思い出す。
続きを促された。
「はじめてブラックと闘ったときは、圧倒的に俺のほうが強くて……。
まさか、振り下ろされた俺の剣を避けずに、前に突っ込んで腹を斬らせて…そのまま、殴ってくるなんて…思いませんでした。」
肉を斬らせて骨を断ったのだ。
「そうか。」
ブラックは人間を滅ぼし世界を「救う」ためなら、自分の命も惜しくはないのだろう。
「それからしばらく、奴は大人しくしていましたが……次、闘ったときには、もう敵いませんでした。
怖かった…。
今まで、何度も敵と闘ってきたのですが……あんな、あんな恐怖は、生まれてはじめてでした。」
人造人間のように、楽しみのために殺すわけではない。
彼は本気で世界を救いたいのだ。
「俺にも似ているところがあって…俺があんな風にならなかったのは、運が良かったんだなって……。」
「……それは違う。
そいつがどうなるかはそいつが決めることだ。」
・・・・・・
まだ、互いの力は見せない。
「せいっ‼」
悟空が放つ蹴りを流すや掴み、
「‼」
「いやあっ‼」
ぶん投げた。
地上と空中に、立ち、向かい合う。
「なんで、人間を…消そうとしてるんだ?」
尋ねる。
「…知れたこと。
君も、自然のそばに暮らすものなら感じているのではありませんか?
…人間が壊し、そこにあるべきものを奪っている……その事への怒りを。」
「…おらも人間だから、言えたことじゃねぇけど、そうかもな。
でも、人間がいなけりゃ駄目なところもあるぞ。」
まず同調する。
「それは過去の話。
人間が離れた為に、崩れてしまった均衡もたくさんあります。
分かりますか?
この世を壊すことのできる生物は、たった一種類のみ。
…君たち人間なのです。」
理屈は通っている。
他の生き物は、とにかくがむしゃらに、死ぬまで生きているだけだ。
だが人間は…その生に理由を必要とし、時には自らを死に至らしめる例外。
故に、世界を己のものと思いこむ者もいる。
「君たちが持っている知識や技術のなかには、世界の仕組みに深く関わるものもあります。
…便利だからといって、むやみに使ってよいものではないのです。
…そこの[女]は、人間の汚点の筆頭だ。」
にらみつけられて、ブルマは思わず立ちすくむ。
「人間がいなくなれば、壊されることもねぇんだよな。」
「……ええ。
ただ、一つ懸念はあります。
人間という一大種を根絶やしにすることで、その隙間がどのようになるか…それ次第では、他の罪なき生物も、滅びてしまうかも知れないのです。」
だが策はある、とブラックは言った。
今まで出会った敵のなかで、一番厄介かもしれない。
…ほんとうは、彼は「全て」を救いたいと思っている。
しかし厳しい現実も知っている。
だから、法を守る者-救われるべきもの-を救う。
百のために一を切り捨てる。
彼の前に、命は全て平等なのだ。
…それがどんなことか、彼は、まだ知らない。
「…どうしても、か?」
「…ええ。
私は………。
一度決めたことは、必ず実行します。」
風に邪魔され、聞こえない部分があった。
瞬間移動。
目の前にたつ。
「おめぇがそう言うんなら………おら、絶対におめぇを止めてみせる!!」
止めなくては、ブラックはいつか……。
「ほう……面白いことを言われる。
私を止めたくば、この命奪ってみるがよい。」
彼は、笑った。
続く
・・・・・・・・
2017年1月1日の漫画デイリーランキング398位になりました。
ありがとうございます!!
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年賀線画(絵としての完成は遥か先)はもうしばらくお待ちください…。
この時点では、まだ猫さんとは出会っていません。
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「あの、ブラックと……。」
とりあえず互角に渡り合っている悟空を見て、希望が出てきた。
「奴は、元からあの強さだったのか?」
父の声に
「いえ……最初は弱かったんです。」
思い出す。
続きを促された。
「はじめてブラックと闘ったときは、圧倒的に俺のほうが強くて……。
まさか、振り下ろされた俺の剣を避けずに、前に突っ込んで腹を斬らせて…そのまま、殴ってくるなんて…思いませんでした。」
肉を斬らせて骨を断ったのだ。
「そうか。」
ブラックは人間を滅ぼし世界を「救う」ためなら、自分の命も惜しくはないのだろう。
「それからしばらく、奴は大人しくしていましたが……次、闘ったときには、もう敵いませんでした。
怖かった…。
今まで、何度も敵と闘ってきたのですが……あんな、あんな恐怖は、生まれてはじめてでした。」
人造人間のように、楽しみのために殺すわけではない。
彼は本気で世界を救いたいのだ。
「俺にも似ているところがあって…俺があんな風にならなかったのは、運が良かったんだなって……。」
「……それは違う。
そいつがどうなるかはそいつが決めることだ。」
・・・・・・
まだ、互いの力は見せない。
「せいっ‼」
悟空が放つ蹴りを流すや掴み、
「‼」
「いやあっ‼」
ぶん投げた。
地上と空中に、立ち、向かい合う。
「なんで、人間を…消そうとしてるんだ?」
尋ねる。
「…知れたこと。
君も、自然のそばに暮らすものなら感じているのではありませんか?
…人間が壊し、そこにあるべきものを奪っている……その事への怒りを。」
「…おらも人間だから、言えたことじゃねぇけど、そうかもな。
でも、人間がいなけりゃ駄目なところもあるぞ。」
まず同調する。
「それは過去の話。
人間が離れた為に、崩れてしまった均衡もたくさんあります。
分かりますか?
この世を壊すことのできる生物は、たった一種類のみ。
…君たち人間なのです。」
理屈は通っている。
他の生き物は、とにかくがむしゃらに、死ぬまで生きているだけだ。
だが人間は…その生に理由を必要とし、時には自らを死に至らしめる例外。
故に、世界を己のものと思いこむ者もいる。
「君たちが持っている知識や技術のなかには、世界の仕組みに深く関わるものもあります。
…便利だからといって、むやみに使ってよいものではないのです。
…そこの[女]は、人間の汚点の筆頭だ。」
にらみつけられて、ブルマは思わず立ちすくむ。
「人間がいなくなれば、壊されることもねぇんだよな。」
「……ええ。
ただ、一つ懸念はあります。
人間という一大種を根絶やしにすることで、その隙間がどのようになるか…それ次第では、他の罪なき生物も、滅びてしまうかも知れないのです。」
だが策はある、とブラックは言った。
今まで出会った敵のなかで、一番厄介かもしれない。
…ほんとうは、彼は「全て」を救いたいと思っている。
しかし厳しい現実も知っている。
だから、法を守る者-救われるべきもの-を救う。
百のために一を切り捨てる。
彼の前に、命は全て平等なのだ。
…それがどんなことか、彼は、まだ知らない。
「…どうしても、か?」
「…ええ。
私は………。
一度決めたことは、必ず実行します。」
風に邪魔され、聞こえない部分があった。
瞬間移動。
目の前にたつ。
「おめぇがそう言うんなら………おら、絶対におめぇを止めてみせる!!」
止めなくては、ブラックはいつか……。
「ほう……面白いことを言われる。
私を止めたくば、この命奪ってみるがよい。」
彼は、笑った。
続く
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2017年1月1日の漫画デイリーランキング398位になりました。
ありがとうございます!!
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2017-01-01 14:24
Comments (6)
今晩は!キャプションにあったので、こちらも新年のご挨拶は後にさせていただきまして……(笑) 戦い初めの頃の二人の対峙の様子が良いですね。星を救うためにはどんな手段も辞さない者と、それでも助けたい者。良い緊張感でした。
View Replies今日は、内容としては、悟空とブラックの会話が良かったです。
明けましておめでとう御座います。 今年もよろしくお願いします。 次回も楽しみに待っています。
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