DB風?セイバー
お久しぶりです。
今まで恥ずかしながらだらだらしていました。
その決別を胸に、しばらく前の線画を投稿します。
こじつけな小話と共に。
絵とは直接関係はありません。
・・・・・・
第六宇宙。
これは、ビルスが超ドラゴンボールで地球を復活させてから、しばらく後の出来事である。
「シャンパ様。
地球が滅んでいた原因が分かりましたよ!」
本を片手にやってきた、彼の天使ヴァドス。
「なんだぁ?
どうせ人間のバカな…。」
突きつけられた。
地球史、と題された本のページだ。
ところどころに、文字化けが見られる。
「歴史改変の痕跡がお分かりになりますね?
何者か…いえ、誰かはわかっていますが、その者が人間の栄える歴史を一つ一つ潰していった…これが、地球滅亡の原因になります。」
「…何?」
破壊案件ではないか。
せっかくビルスが復活させてくれたというのに。
…旨い馳走があるという地球を…。
「ご安心ください。
歴史はすでに、ゆっくり修正されつつありますから。」
「…そうか。
だが許してはおけんな…で、そいつは何者だ?」
「…魔神を名乗る者たちです。
正式に言えば、彼らを束ねる術式といったところですね。
とはいえ、解決に導いた人間も、それなりに時間を飛んでいますが…変わった歴史をとぶこと自体は問題ないでしょう。」
面白がっている。
「何が言いたいんだ?」
「…まさか、お忘れになったのですか?
もうすぐで宇宙の生き残り大会が行われるのですよ。
私たちには、戦力に欠けがあります。
このままでは………。」
そうだ。
半年ほど前にフロストの変死体が見つかったのは記憶に新しい。
「…ヴァドスには関係ないだろ。」
「ありますとも。
確かに私たちは世界を消す対象には含まれませんが…機能停止とかお父様もふざけすぎです。
いい加減さっさと引退すればいいものを…なんて、そんなことは出来ませんから。
では、早速行きましょう。」
手を引くや、ヴァドスは主を連れて地球に向かった。
・・・・・
「…で、その人間は、どういうやつなんだ。」
「こちらをご覧ください。」
杖の玉に映る。
ごく普通の、部屋を片付けている女だ。
微弱に魔力を感じる…ただそれだけ。
「…孫悟空なんかとやらせたら、すぐに吹っ飛ぶと思うんだが。」
疑問だ。
「その点においては大丈夫です。
彼女自身ではなく、必要なのはその契約した存在ですから。」
「使い魔かなんかか?」
「…半分ほど正解です!」
こんなはしゃいでいる付き人は、久しぶりだった。
・・・・・
魔神王を殴り倒してから、数日。
ドクターのいない生活にようやく慣れてきた。
「…やっと片付いた……。」
豪快にぶっ倒れる彼女こそ、藤丸立香―人理を守った人間―だ。
「お疲れさまです。
……平和ですね、先輩。」
天井を見上げるは彼女の相棒、マシュ・キリエライト。
「フォウ…。」
カルデアのマスコット?なリス型生物・フォウも、そう思っているのだろうか。
「…そんなこと言ってると、また面倒なことに巻き込まれちゃうよ。
じゃ、トレーニングしてくる。」
壁に立てかけてある緑色の槍を取る。
先日、バレンタインの返しにもらったものだ。
それは本来の長さよりも、少し縮められていた。
「先輩、本当に短槍がお好きなんですね。」
不思議そうだ。
「そうだね…。
…小さい頃から、それを使う用心棒の物語が大好きで……ちょっと憧れてたんだ。
それが、直接槍使いに教えてもらえるんだよ?
そういう意味じゃ、あいつの人理焼却も悪くなかったかな…。」
敵ではなく、友を懐かしむような顔で、そっと槍に触れる立香。
「…先輩…。」
なんと声をかけようか、迷ったそのときだった。
…聞き慣れた警報だ。
「…どうしたんでしょう…!?」
「ファッ!?」
…ビクッととびあがるフォウをなだめながら、不安そうにマシュは立香を見た。
「何が起ころうととりあえずはダ・ヴィンチちゃんが何とかするし、落ち着いて、でも走って行こう。」
槍をもったまま、彼女は相棒を連れて駆け抜けた。
・・・・・
「…神霊…なんてもんじゃないよ、これ!
みんな、とりあえず私が対応するからさがって。」
制止し、カルデアスの前に立つ人影にむかって歩く。
見た目はおろか、気配からも人間ではないことがうかがえる二人組だ。
一人は背の高い女性、もう一人は贅肉が目立つ猫のような男だった。
「お騒がせしてすみません。
藤丸立香さんに用があってきました。
私はヴァドスと申します。
そしてこちらは…。」
「破壊神・シャンパだ。
ずいぶんと面喰らっているな…。」
なにも言えない。
「この星の者は、はやくから神と距離をとっていますから…ほとんど形而上の存在でしかないのですよ。」
主に解説するヴァドス。
「私は、レオナルドというんだけど…リッカちゃんに何の用かな。
それくらいは訊いてもいいよね?」
問いかけにシャンパが答えようとして
「…ダ・ヴィンチちゃん!
どうしたんだい?」
「何があったんですか!?」
待ち人がやってきた。
・・・・・・
「破壊神に、天使か……ホントにいるんだね。」
落ち着いている立香とは反対に、マシュは不思議そうに客人を見ている。
「…ええ。
あなた方が知っているのは、あくまで[八百万]の神、その一部にすぎません。
神の管理をする界王、さらに彼らを管理し、宇宙の万象を創り、破壊する一対の神…シャンパ様は、その片割れであられます。
そして私達天使は、いわゆる安全装置のようなものです。」
出されたお茶を、彼女は上品なしぐさでいただいた。
さらに、宇宙の数や、全王についても話す。
「それで、本題は?」
警戒を隠さない。
だが、何故かわくわくする。
「…今から…しばらく後に、全宇宙で全王さまの興を得るための[力の大会]が開かれる。
単刀直入にいうと、地球を救ったお前に、その戦力になれって訳だ。」
お前、といわれたが、それが[自分]のことではないのは明白だ。
「ふうん…で、負けた宇宙は…消される、ってんじゃないよね。」
「…残念ながら、本当に消されてしまいます。」
さすがに、面白半分に訊くことではなかった。
「…それでは、先輩の……。」
全てが無駄になる。
「……それだけじゃない。
お前たちの場合は、書き換えたところでどうにかなる[改変]にすぎなかったが、今度は[消滅]……こうなれば、誰にもどうすることも出来なくなる。」
紛れもない事実?を、本当に恐ろしそうに……語った。
剣呑そうな「破壊神」すらも恐怖させるとは、よほどの事なのだろうか。
「………それを防ぐために、リッカちゃんの出場が必要だと?」
「本人でなくてもいい。
調べたが、お前の魔力で生きている協力者がいるんだろう?
英霊がベースの[サーヴァント]だったか…そいつら無しには、正直あまり勝ち目がない。」
はっきり言う。
「…そういうわけで、ご協力いただけますか?」
裏があるような、無いような笑顔でたたみかける。
また明日に返答を聞くといって、二人は帰っていった。
見送りながら、立香は全身の血が騒ぎそうになるのをこらえるので精一杯だった。
完
今まで恥ずかしながらだらだらしていました。
その決別を胸に、しばらく前の線画を投稿します。
こじつけな小話と共に。
絵とは直接関係はありません。
・・・・・・
第六宇宙。
これは、ビルスが超ドラゴンボールで地球を復活させてから、しばらく後の出来事である。
「シャンパ様。
地球が滅んでいた原因が分かりましたよ!」
本を片手にやってきた、彼の天使ヴァドス。
「なんだぁ?
どうせ人間のバカな…。」
突きつけられた。
地球史、と題された本のページだ。
ところどころに、文字化けが見られる。
「歴史改変の痕跡がお分かりになりますね?
何者か…いえ、誰かはわかっていますが、その者が人間の栄える歴史を一つ一つ潰していった…これが、地球滅亡の原因になります。」
「…何?」
破壊案件ではないか。
せっかくビルスが復活させてくれたというのに。
…旨い馳走があるという地球を…。
「ご安心ください。
歴史はすでに、ゆっくり修正されつつありますから。」
「…そうか。
だが許してはおけんな…で、そいつは何者だ?」
「…魔神を名乗る者たちです。
正式に言えば、彼らを束ねる術式といったところですね。
とはいえ、解決に導いた人間も、それなりに時間を飛んでいますが…変わった歴史をとぶこと自体は問題ないでしょう。」
面白がっている。
「何が言いたいんだ?」
「…まさか、お忘れになったのですか?
もうすぐで宇宙の生き残り大会が行われるのですよ。
私たちには、戦力に欠けがあります。
このままでは………。」
そうだ。
半年ほど前にフロストの変死体が見つかったのは記憶に新しい。
「…ヴァドスには関係ないだろ。」
「ありますとも。
確かに私たちは世界を消す対象には含まれませんが…機能停止とかお父様もふざけすぎです。
いい加減さっさと引退すればいいものを…なんて、そんなことは出来ませんから。
では、早速行きましょう。」
手を引くや、ヴァドスは主を連れて地球に向かった。
・・・・・
「…で、その人間は、どういうやつなんだ。」
「こちらをご覧ください。」
杖の玉に映る。
ごく普通の、部屋を片付けている女だ。
微弱に魔力を感じる…ただそれだけ。
「…孫悟空なんかとやらせたら、すぐに吹っ飛ぶと思うんだが。」
疑問だ。
「その点においては大丈夫です。
彼女自身ではなく、必要なのはその契約した存在ですから。」
「使い魔かなんかか?」
「…半分ほど正解です!」
こんなはしゃいでいる付き人は、久しぶりだった。
・・・・・
魔神王を殴り倒してから、数日。
ドクターのいない生活にようやく慣れてきた。
「…やっと片付いた……。」
豪快にぶっ倒れる彼女こそ、藤丸立香―人理を守った人間―だ。
「お疲れさまです。
……平和ですね、先輩。」
天井を見上げるは彼女の相棒、マシュ・キリエライト。
「フォウ…。」
カルデアのマスコット?なリス型生物・フォウも、そう思っているのだろうか。
「…そんなこと言ってると、また面倒なことに巻き込まれちゃうよ。
じゃ、トレーニングしてくる。」
壁に立てかけてある緑色の槍を取る。
先日、バレンタインの返しにもらったものだ。
それは本来の長さよりも、少し縮められていた。
「先輩、本当に短槍がお好きなんですね。」
不思議そうだ。
「そうだね…。
…小さい頃から、それを使う用心棒の物語が大好きで……ちょっと憧れてたんだ。
それが、直接槍使いに教えてもらえるんだよ?
そういう意味じゃ、あいつの人理焼却も悪くなかったかな…。」
敵ではなく、友を懐かしむような顔で、そっと槍に触れる立香。
「…先輩…。」
なんと声をかけようか、迷ったそのときだった。
…聞き慣れた警報だ。
「…どうしたんでしょう…!?」
「ファッ!?」
…ビクッととびあがるフォウをなだめながら、不安そうにマシュは立香を見た。
「何が起ころうととりあえずはダ・ヴィンチちゃんが何とかするし、落ち着いて、でも走って行こう。」
槍をもったまま、彼女は相棒を連れて駆け抜けた。
・・・・・
「…神霊…なんてもんじゃないよ、これ!
みんな、とりあえず私が対応するからさがって。」
制止し、カルデアスの前に立つ人影にむかって歩く。
見た目はおろか、気配からも人間ではないことがうかがえる二人組だ。
一人は背の高い女性、もう一人は贅肉が目立つ猫のような男だった。
「お騒がせしてすみません。
藤丸立香さんに用があってきました。
私はヴァドスと申します。
そしてこちらは…。」
「破壊神・シャンパだ。
ずいぶんと面喰らっているな…。」
なにも言えない。
「この星の者は、はやくから神と距離をとっていますから…ほとんど形而上の存在でしかないのですよ。」
主に解説するヴァドス。
「私は、レオナルドというんだけど…リッカちゃんに何の用かな。
それくらいは訊いてもいいよね?」
問いかけにシャンパが答えようとして
「…ダ・ヴィンチちゃん!
どうしたんだい?」
「何があったんですか!?」
待ち人がやってきた。
・・・・・・
「破壊神に、天使か……ホントにいるんだね。」
落ち着いている立香とは反対に、マシュは不思議そうに客人を見ている。
「…ええ。
あなた方が知っているのは、あくまで[八百万]の神、その一部にすぎません。
神の管理をする界王、さらに彼らを管理し、宇宙の万象を創り、破壊する一対の神…シャンパ様は、その片割れであられます。
そして私達天使は、いわゆる安全装置のようなものです。」
出されたお茶を、彼女は上品なしぐさでいただいた。
さらに、宇宙の数や、全王についても話す。
「それで、本題は?」
警戒を隠さない。
だが、何故かわくわくする。
「…今から…しばらく後に、全宇宙で全王さまの興を得るための[力の大会]が開かれる。
単刀直入にいうと、地球を救ったお前に、その戦力になれって訳だ。」
お前、といわれたが、それが[自分]のことではないのは明白だ。
「ふうん…で、負けた宇宙は…消される、ってんじゃないよね。」
「…残念ながら、本当に消されてしまいます。」
さすがに、面白半分に訊くことではなかった。
「…それでは、先輩の……。」
全てが無駄になる。
「……それだけじゃない。
お前たちの場合は、書き換えたところでどうにかなる[改変]にすぎなかったが、今度は[消滅]……こうなれば、誰にもどうすることも出来なくなる。」
紛れもない事実?を、本当に恐ろしそうに……語った。
剣呑そうな「破壊神」すらも恐怖させるとは、よほどの事なのだろうか。
「………それを防ぐために、リッカちゃんの出場が必要だと?」
「本人でなくてもいい。
調べたが、お前の魔力で生きている協力者がいるんだろう?
英霊がベースの[サーヴァント]だったか…そいつら無しには、正直あまり勝ち目がない。」
はっきり言う。
「…そういうわけで、ご協力いただけますか?」
裏があるような、無いような笑顔でたたみかける。
また明日に返答を聞くといって、二人は帰っていった。
見送りながら、立香は全身の血が騒ぎそうになるのをこらえるので精一杯だった。
完
7
8
863
2017-03-10 00:34
Comments (5)
お早う御座います。 セイバーのイラスト凄く良いですよ! 次回も楽しみに待っています。
View Replies