【PFRD】懐かしき知らない顔 【黒の復讐者】
悪竜王復活、その報を聞いたリアンダーは北へ駆けた。
ヴェルリア総督アルデリア・ドラミア伯オートらの援軍の一団と共にカスタリアを目指し、ガンライル軍との合流を目指す。
レーモン公爵領カスタリアはガンライルとエルミアを結ぶ要衝である
陥落すれば両国間の連絡は失われ、エルミアへの増派と補給も途絶える、復活者との戦争遂行に重大な影響を及ぼすだろう。
だが相手が相手である、悪竜王マグナガラム、かつてゼキとオートが仕留めた巨竜
その眷属は軍団規模を超えており、恐るべきことに当の悪竜王は大型の装甲騎竜に匹敵する体躯を備えた強大な火竜である
思い起こせばよくも首を取れたという手合だった…。
カスタリアを目指す一団に馴染みのある顔が増え始めたことに、リアンダーは安堵と居心地の良さを感じていた
時が巻き戻るかのように戦乱に戻る時代を前にして、頼もしき動乱を潜り抜けた友朋達が、いまだ幾人もこの世にいるのだということが、知古を多く失い、宮中の居場所も失いつつある中、ヒトに近くなりすぎたがために摩耗していたリアンダーの精神を癒やしていた。
ふと気になる顔を見つける、黒髪赤目に面影のある男、童の境界だが、妙な圧を放っている、記憶をたどれば…彼はアマランス公シドニィの嫡子ではなかったか、あれから随分経つ、孫かひ孫かもしれぬ、50数年の月日は、戦友シドを土に返したが、こうして子が…。
「失礼…アマランス公子とお見受けする、お初にお目にかかる」
「私はグランメイル王国上騎士候リアンダー、かつてシドニィ公と共に戦いし者、ご挨拶をいたしたい」
公子の顔が驚きに染まると同時に案内の兵が告げる。
「リ、リアンダー卿…その…その御方が、アマランス公であらせられます」
「失礼を、アマランス公、既に爵位を継いでおられたか」
「違う、違うのだ…リアン、儂だ…俺がシドニィだよ、久しいな…」
おかしなことである
シドニィは堂々たる体躯を備えた男であったから、己と目線が変わらぬこの童とは似ても似つかぬ
嫡子は顔見せしたので知っている、髭はないが息子には似ていた、謀られているかと思ったリアンダーは
試しに右中指を天に掲げ、ファックサインを示した。
「冗談はよせ、あのワカメがそのほうのような童子である筈がない、髭が無い、判別できん」
「お前ェ、髭で俺を判別してたのか!」
「大体前々から思ってたが、そのサイン判って使ってるんだろう! 竜はヒトの文化など知らんみたいなすまし顔しおって!」
なるほど、これは間違いない。
「ヒトにまぎれて300年だぞ、そんな初心だと思っていたのか」
「しかしその姿は、何があったのか、髭がないぞ」
「髭から離れんか…そうだな、話せば長い…」
・
公が壮年期の頃はエルダリアはまだ戦乱真っ只中、その頃に色々あったかもしれない
長生き民が少なくてこういう接触ができる人がいてくれて、ほんと嬉しい感。
黒王戦前からフレ、とっくに鬼籍だと思ってた、騎竜には墓参りの概念がない
シドニィ・アマランス公illust/64006779
今日の一句、年上が タイプだけれど もういない(竜族・351歳)、PC
リアンダーillust/64006217
ヴェルリア総督アルデリア・ドラミア伯オートらの援軍の一団と共にカスタリアを目指し、ガンライル軍との合流を目指す。
レーモン公爵領カスタリアはガンライルとエルミアを結ぶ要衝である
陥落すれば両国間の連絡は失われ、エルミアへの増派と補給も途絶える、復活者との戦争遂行に重大な影響を及ぼすだろう。
だが相手が相手である、悪竜王マグナガラム、かつてゼキとオートが仕留めた巨竜
その眷属は軍団規模を超えており、恐るべきことに当の悪竜王は大型の装甲騎竜に匹敵する体躯を備えた強大な火竜である
思い起こせばよくも首を取れたという手合だった…。
カスタリアを目指す一団に馴染みのある顔が増え始めたことに、リアンダーは安堵と居心地の良さを感じていた
時が巻き戻るかのように戦乱に戻る時代を前にして、頼もしき動乱を潜り抜けた友朋達が、いまだ幾人もこの世にいるのだということが、知古を多く失い、宮中の居場所も失いつつある中、ヒトに近くなりすぎたがために摩耗していたリアンダーの精神を癒やしていた。
ふと気になる顔を見つける、黒髪赤目に面影のある男、童の境界だが、妙な圧を放っている、記憶をたどれば…彼はアマランス公シドニィの嫡子ではなかったか、あれから随分経つ、孫かひ孫かもしれぬ、50数年の月日は、戦友シドを土に返したが、こうして子が…。
「失礼…アマランス公子とお見受けする、お初にお目にかかる」
「私はグランメイル王国上騎士候リアンダー、かつてシドニィ公と共に戦いし者、ご挨拶をいたしたい」
公子の顔が驚きに染まると同時に案内の兵が告げる。
「リ、リアンダー卿…その…その御方が、アマランス公であらせられます」
「失礼を、アマランス公、既に爵位を継いでおられたか」
「違う、違うのだ…リアン、儂だ…俺がシドニィだよ、久しいな…」
おかしなことである
シドニィは堂々たる体躯を備えた男であったから、己と目線が変わらぬこの童とは似ても似つかぬ
嫡子は顔見せしたので知っている、髭はないが息子には似ていた、謀られているかと思ったリアンダーは
試しに右中指を天に掲げ、ファックサインを示した。
「冗談はよせ、あのワカメがそのほうのような童子である筈がない、髭が無い、判別できん」
「お前ェ、髭で俺を判別してたのか!」
「大体前々から思ってたが、そのサイン判って使ってるんだろう! 竜はヒトの文化など知らんみたいなすまし顔しおって!」
なるほど、これは間違いない。
「ヒトにまぎれて300年だぞ、そんな初心だと思っていたのか」
「しかしその姿は、何があったのか、髭がないぞ」
「髭から離れんか…そうだな、話せば長い…」
・
公が壮年期の頃はエルダリアはまだ戦乱真っ只中、その頃に色々あったかもしれない
長生き民が少なくてこういう接触ができる人がいてくれて、ほんと嬉しい感。
黒王戦前からフレ、とっくに鬼籍だと思ってた、騎竜には墓参りの概念がない
シドニィ・アマランス公illust/64006779
今日の一句、年上が タイプだけれど もういない(竜族・351歳)、PC
リアンダーillust/64006217
pixivファンタジアRD
pixiv Fantasia: Revenge of the Darkness
グランメイル
gurannmeiru
黒の復讐者
Black Avenger
【死を睨むもの】
desugeiza-
マント
cloak
27
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1425
2017-08-23 22:13
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