【創作画獣】花を運ぶ風【交流】

「おや、ひとりでお出かけかい？」
顔をあげると、白い竜が目の前に立ち、「アロ～ハ～」と言いながらその手を左右にふわふわ揺らしてこちらに微笑んでいた。
野良画獣でありながらここ(第七)を一切恐れること無く現れる竜は、いつからかこの地域に住んでいた奇妙な画獣。
ちょくちょくここに顔を出しては団長と闘争しようとする奇妙な観察者だ。
「タケルさんでしたら、病院に行っていますよ。」
目的は団長だろうと彼の行き先を教えたが、「今日は違うよ。」という返事が帰ってきた。
「今日は依頼…それも共闘を申し出に来たんだよね。きみにも手伝って貰いたい事なんだけども、良いかな？」
竜はすこし真剣な顔をすると、言葉を続けた。
「ラクトって名前の青い獣が人を襲っているのは知っているよね？彼がこれ以上被害者を出す前に止めたくてね。ここが一番手っ取り早いと思って来たんだ。」
「えっ…？」
動揺を隠せなかった。
観察者を冠するこの竜からそういった言葉が出てくるとは思っていなかった。
「画獣を失って無気力になるだけならまだ戻ってこれる可能性はあるけど、それすら許さない【描き手を殺す】という選択肢をするとなるとね。ひとりだけなら僕だけでも助けられるけど、大人数は助けるのが難しいんだ。だから止めないといけない。故にきみ達に」
「おことわりします！」
竜が何かを言おうとした時、ガジュマルが口を挟む。
「ごしゅじんはラクトをたすけにいくのです！だから」
「気が早いよ、ガジュマル君。僕は協力するだけであって、彼を消したい訳じゃないよ。生殺与奪はきみ達や彼が選ぶことだろう。」
遮るように竜は再び口を開いた。
「彼をできるだけ安全に止めたい。故に、僕の観察と追跡、きみ達による安全確保と交渉、いざという時の戦闘力、これらを合わせて安全に事が進められないかなって。きみだけじゃそれは難しいだろう？だから団長君や副団長君にも提案しに行こうと思っているけど、どうかな？」
竜は答えを待つ。
「僕は、出来ることならきみ達の紡ぎ出せるハッピーエンドが見てみたいんだ。」
真剣な眼差しを向けながら。

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こちら【illust/64748486】【illust/64707145】の流れをお借りしました！

Watcherはラクトさんを止めるべく、第七に依頼をしに来ました。

お借りしました
イロハさん、ガジュマルさん【illust/63899782】
テトさん【illust/63936037】

Watcher【illust/64226921】