赤松坊

その105、赤松坊。あかまつぼう。　
秩父山中に生えていた赤松の大木の化身。ひどい暴風雨で本体の古木が倒れたことがきっかけで出現するようになった。（普通、木の精は伐られないように命乞いとかで化けて出たりする場合が多い。）

赤い衣を着た背の高い老僧の姿で峠に現れる。赤松坊が手にした払子（ほっす）で一撫でし、祈祷する事で、あらゆる病や怪我をたちどころに治してくれるので、人々は大変感謝していた。

ある時、誰も頼んでいないのに空気を読まない山伏が「それは狐か狸の仕業に違いない！」と言い出し、赤松坊を金剛杖で殴り退治してしまった。以来、峠には赤松坊は出なくなり、人々は大変悲しんだ。本体の古木には杖で抉られた痛々しい跡が残っていたという。

尚、原典の民話では怪しい僧の話として語られるが正体についての描写は無く、赤松の要素は無い。
「赤松坊」という名前もアニメ日本昔ばなし内で命名されたものらしい