【ポケ学】Fragarach【卒業試験】
―――――――
「コイツ、ビアーツは初めてだし久し振りに一緒に戦うのもあってすげー興奮してるから、満足するまで付き合ってやってくれ」
そう言うなり、フラガラッハと呼ばれた獣はニタリと弧を描いた口から灼熱の業火を吹き付けた。突然の試合開始。カルマは即座に気持ちを切り替えて応戦する。
「ブロゾン、ガードだ!」
カルマの指示で銅鐸の体を持つ生き物は腕らしきものを交差させて業火をやり過ごす。とはいえ鋼をも溶かす炎の技にブロゾンは僅かによろめいた。
「オッカのみじゃねーな。だとすると……」
男の呟きに被せる様にカルマの勇ましい声が上がる。
「《しっぺがえし》ッ!」
すぐさま反応してブロゾンが空洞の体をこちらへ向けた。
「やっべ…《ふぶき》出して迎え撃て」
自身の読みが当たっていればフラガラッハが一撃で倒されてしまう。しかも効果がいまひとつの筈のあくタイプの技によって。
ブロゾンの空洞にエネルギーの渦が収束される。フラガラッハから受けたダメージも余すことなくエネルギーに変換させているかのようなびりびりとした空気を感じさせる。一瞬の静寂。からの凄まじい轟音と共に発射されるビーム攻撃。発射前に大きく息を吸い込んでいたフラガラッハが業火を吐き出した口で、今度は凍てつく氷の嵐を吹き付ける。中空で両者の技が激突した。その余波で旋風が巻き起こる。男はぐっとこらえて前を見据え、カルマは帽子が飛ばされぬよう鍔を持ちながら帽子を押さえて技のぶつかり合いを見守った。
「ぎゃうッ!」
その後すぐに悲鳴を上げたのはフラガラッハだった。予想以上にブロゾンの《しっぺがえし》の威力が大きく、《ふぶき》で相殺させる筈が押し負けて攻撃をもろに受けたのだ。幾分か威力を殺していてもその力は凄まじいもので、地面をバウンドしながら背後に生えていた大木に背中から叩きつけられてしまった。
「……お前、『じゃくてんほけん』をソイツに持たせてたな」
カルマは男の言葉に無言の笑みで答えると、男の口角も少し吊り上がった。
じゃくてんほけん。効果抜群の技を受けた時にその道具は効果を発揮する。攻撃と特攻がぐーんと上がり、耐久型が持っていたりする代物だ。これを使用すれば防御に徹していた者も一気に攻撃へと転じる事が出来る。男がその事に気づいたのは、自分も同じような戦法を取る手持ちを持っているからである。
その上ではたと気づく。毒タイプを気にして出したと思っていた鋼が実は自分にほのお技を出せる手持ちを引きずり出させるものであったのかと。どちらにしろ相手の攻撃力は特攻と共に格段に上がっている。フラガラッハの体力を考えれば次の一撃で決めないと苦戦どころじゃ済まない。彼のビアーツでの初勝負が黒星では流石に哀れというもの。男の頬に一筋の汗が伝った。
「立てるか、フラガラッハ」
答えるまでも無く、白の獣は獰猛な笑みを湛えてゆらりと立ち上がる。持ち物が『いのちのたま』というのもあり、時間経過と共に彼の体力はみるみる内に消耗しているというのに笑っている。楽しんでいるのだ。この勝負を。男は少し安堵したように息を吐くと、改めてカルマを見据えた。
「ほんと、よく育てられてる。愛情感じるぜ」
「だろ?自慢の一匹さ」
「けど、俺のフラガラッハも負けてられねーな」
フラガラッハが高々と咆哮を上げると、ブロゾンが体勢を立て直してカルマに次の指示を仰ぐ。
「んじゃ、最後まで楽しもうよ」
「ったりめーだ」
両者が睨み合う。フラガラッハが男に指示を求めるように吠える。ブロゾンの方は最初から最後まで表情は分からないが、身体がリラックスしたようにリズミカルに揺れていた。カルマを信頼している様子が見て取れるその姿に、男は全力の一撃を叩き込むように朗々と叫んだ。それはカルマの方も同じで、両者が動いたのはほぼ同時だった。
「《ふいうち》ッ!!」
「《ラスターカノン》ッ!!」
―――――――
◆カルマ君の挑戦を受けました。ブロゾンさんとの勝負ありがとうございます!熱い勝負は私の画力が追いつかないのでキャプション小説にて……!
◆ブレイドの秘蔵っ子です。ナイトに次ぐ実力がありますが性格に難があります。後程手持ちまとめを早めに上げますが、先に技等を載せます(ちなみにブレイドの手持ちにNNはついていましたがネグロ団の時にはナイト以外種族名で呼んで道具扱いという本人なりの割り切り方をしていました)
NN.フラガラッハ(種族:虻ソル)♂
特性『きょううん』
持ち物:いのちのたま
技:ふいうち/じゃれつく/だいもんじ/ふぶき
◆ブレイドがひたすらうるさくてすみません
◆この作品末尾にて勝負致します。末尾【3】。何故勝ったんだブレイドよ……
―――――――
▼お借りした流れ
『懐かしの舞台にて、第六試合目』【illust/67789712】
▼お借りした方
カルマ君【illust/67508152】
▼1ページ目のセリフががすごくうるさい
ブレイド(試験時)【illust/67782617】
(通常CS)【illust/62312629】
※不都合、問題等が生じた場合はメッセージにてご一報下さいますかスルー・パラレル扱いでお願いで致します
「コイツ、ビアーツは初めてだし久し振りに一緒に戦うのもあってすげー興奮してるから、満足するまで付き合ってやってくれ」
そう言うなり、フラガラッハと呼ばれた獣はニタリと弧を描いた口から灼熱の業火を吹き付けた。突然の試合開始。カルマは即座に気持ちを切り替えて応戦する。
「ブロゾン、ガードだ!」
カルマの指示で銅鐸の体を持つ生き物は腕らしきものを交差させて業火をやり過ごす。とはいえ鋼をも溶かす炎の技にブロゾンは僅かによろめいた。
「オッカのみじゃねーな。だとすると……」
男の呟きに被せる様にカルマの勇ましい声が上がる。
「《しっぺがえし》ッ!」
すぐさま反応してブロゾンが空洞の体をこちらへ向けた。
「やっべ…《ふぶき》出して迎え撃て」
自身の読みが当たっていればフラガラッハが一撃で倒されてしまう。しかも効果がいまひとつの筈のあくタイプの技によって。
ブロゾンの空洞にエネルギーの渦が収束される。フラガラッハから受けたダメージも余すことなくエネルギーに変換させているかのようなびりびりとした空気を感じさせる。一瞬の静寂。からの凄まじい轟音と共に発射されるビーム攻撃。発射前に大きく息を吸い込んでいたフラガラッハが業火を吐き出した口で、今度は凍てつく氷の嵐を吹き付ける。中空で両者の技が激突した。その余波で旋風が巻き起こる。男はぐっとこらえて前を見据え、カルマは帽子が飛ばされぬよう鍔を持ちながら帽子を押さえて技のぶつかり合いを見守った。
「ぎゃうッ!」
その後すぐに悲鳴を上げたのはフラガラッハだった。予想以上にブロゾンの《しっぺがえし》の威力が大きく、《ふぶき》で相殺させる筈が押し負けて攻撃をもろに受けたのだ。幾分か威力を殺していてもその力は凄まじいもので、地面をバウンドしながら背後に生えていた大木に背中から叩きつけられてしまった。
「……お前、『じゃくてんほけん』をソイツに持たせてたな」
カルマは男の言葉に無言の笑みで答えると、男の口角も少し吊り上がった。
じゃくてんほけん。効果抜群の技を受けた時にその道具は効果を発揮する。攻撃と特攻がぐーんと上がり、耐久型が持っていたりする代物だ。これを使用すれば防御に徹していた者も一気に攻撃へと転じる事が出来る。男がその事に気づいたのは、自分も同じような戦法を取る手持ちを持っているからである。
その上ではたと気づく。毒タイプを気にして出したと思っていた鋼が実は自分にほのお技を出せる手持ちを引きずり出させるものであったのかと。どちらにしろ相手の攻撃力は特攻と共に格段に上がっている。フラガラッハの体力を考えれば次の一撃で決めないと苦戦どころじゃ済まない。彼のビアーツでの初勝負が黒星では流石に哀れというもの。男の頬に一筋の汗が伝った。
「立てるか、フラガラッハ」
答えるまでも無く、白の獣は獰猛な笑みを湛えてゆらりと立ち上がる。持ち物が『いのちのたま』というのもあり、時間経過と共に彼の体力はみるみる内に消耗しているというのに笑っている。楽しんでいるのだ。この勝負を。男は少し安堵したように息を吐くと、改めてカルマを見据えた。
「ほんと、よく育てられてる。愛情感じるぜ」
「だろ?自慢の一匹さ」
「けど、俺のフラガラッハも負けてられねーな」
フラガラッハが高々と咆哮を上げると、ブロゾンが体勢を立て直してカルマに次の指示を仰ぐ。
「んじゃ、最後まで楽しもうよ」
「ったりめーだ」
両者が睨み合う。フラガラッハが男に指示を求めるように吠える。ブロゾンの方は最初から最後まで表情は分からないが、身体がリラックスしたようにリズミカルに揺れていた。カルマを信頼している様子が見て取れるその姿に、男は全力の一撃を叩き込むように朗々と叫んだ。それはカルマの方も同じで、両者が動いたのはほぼ同時だった。
「《ふいうち》ッ!!」
「《ラスターカノン》ッ!!」
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◆カルマ君の挑戦を受けました。ブロゾンさんとの勝負ありがとうございます!熱い勝負は私の画力が追いつかないのでキャプション小説にて……!
◆ブレイドの秘蔵っ子です。ナイトに次ぐ実力がありますが性格に難があります。後程手持ちまとめを早めに上げますが、先に技等を載せます(ちなみにブレイドの手持ちにNNはついていましたがネグロ団の時にはナイト以外種族名で呼んで道具扱いという本人なりの割り切り方をしていました)
NN.フラガラッハ(種族:虻ソル)♂
特性『きょううん』
持ち物:いのちのたま
技:ふいうち/じゃれつく/だいもんじ/ふぶき
◆ブレイドがひたすらうるさくてすみません
◆この作品末尾にて勝負致します。末尾【3】。何故勝ったんだブレイドよ……
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▼お借りした流れ
『懐かしの舞台にて、第六試合目』【illust/67789712】
▼お借りした方
カルマ君【illust/67508152】
▼1ページ目のセリフががすごくうるさい
ブレイド(試験時)【illust/67782617】
(通常CS)【illust/62312629】
※不都合、問題等が生じた場合はメッセージにてご一報下さいますかスルー・パラレル扱いでお願いで致します
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2018-03-18 23:57
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