【YOI】ヴィク勇漫画 浮気の定義(第六話)
お願い、どうか、愛していると言って
!Attention!
・このヴィク勇は付き合っています。サンクトに移ってから付き合いはじめた設定です。同居中。
・モブ勇表現がありますので苦手な方はご注意ください。
第一話→illust/62637939
第二話→illust/63005313
第三話→illust/63671899
第四話→illust/65544399
第五話→illust/66426272
年度末の博士論文審査などで約1ヶ月半筆を取れない期間がありましたが、なんとか乗り越えて復活できました。お待たせしてすみません...。
相変わらずノロノロ更新ですが、完結までもう少しお付き合いいただければと思います。
次回、最終回です。この6話の最後が大団円みたいな雰囲気出てますが、まだ解決していないことがありますからね。
5/13追記:たくさんのブクマ、いいね、コメント、本当にありがとうございます!
さて、今回は勇利とヴィクトルの裏設定などを書こうと思います。ネタバレを多く含みますので6話をご覧になってからお読みください。
-----------------
2人の関係は、大々的に公表するでもなく、かといって隠している訳でもなく、親しい人なら付き合ってることは知っていて、ファンの間でも意見が分かれているけれど、世間的には仲の良い師弟と思われている設定です。
ヴィクトルは勇利に対しては割と譲歩する方ですが、2人ともそれなりに頑固なのでそこそこの頻度で喧嘩してそうです。今回もきっとスムーズには仲直りしないだろうなと思ったので、勇利の変にこだわるところと、ヴィクトルの捕まえようとするけど捕まらないイライラみたいなものを出したいなと思っていました。
話の中で勇利は「愛してる」ではなく「大好き」という言い方をしていますが、勇利にとっては「愛してる」のハードルが高いので「大好き」が精一杯の愛の言葉です。ヴィクトルは勇利が使う「大好き」には「愛してる」の想いが詰まっていることを知っているのでそれが聞ければ十分だし、普段から目線や仕草から勇利の愛を感じ取っているので明確な言葉がなくても不満はないのです。
勇利
基本的にヴィクトルに対して嘘はつけない設定です。ここで重要なのは、勇利にとって「嘘をつくこと」と「言わないこと」は別物である、ということです。勇利がヴィクトルに明確な嘘をついたのは、第1話の「マキシムがもう一件と言ったから」と第2話の「心が動いてなきゃ浮気じゃないし」の2ヶ所だけです。それ以外はほぼ真実なので真っ直ぐヴィクトルの目を見て話していますが、この2ヶ所だけは、潜在的にある後ろめたさから無意識に目を逸らしているように描きました。首に手を持っていったのも無意識です。言わないと決めたことは徹底的に口をつぐむつもりだったのに、第3話で頭がくらくらして判断力が鈍ったところにヴィクトルに「思い出せ」と言われ、つい従ってしまったためにパニックを起こした、ということにしました。
付き合い始めの頃に感じていた、なぜヴィクトルが自分を選んだのかという疑問は早々に適当に処理していた(多分考えるのに飽きた)ので、常にヴィクトルのことを疑っていた訳でも自分に自信が持てなかった訳でもなかったのですが、ゴシップで出た写真の2人がなぜかとても綺麗に見えて、わずかな違和感が残っていたところにマキシムとの一件で一気に心が崩れていったという感じです。
勇利は「嫌われたら諦めよう」と考えるタイプ。対人関係全般的にそうで、それは愛している人にも変わらず適用されるものだと思います。でも心の奥ではちゃんと独占欲はある。今回はその独占欲をうまくあぶりだしたヴィクトルの勝ちでした。
ヴィクトル
今回、ヴィクトルのキャラ設定が難しくてなかなか決まらなかったのですが、決まってからはヴィクトルが話を上手く進めてくれて、意図せず良い台詞を言ってくれることも多く、だいぶ助けられました。ヴィクトルが膝まづいて勇利の手を取った時は「王子かよ」と驚きつつ、そのまま王子路線で行ってもらいましたが、後半ヴィクトルがどんどん格好良くなっていって描いてて色々つらかったです(笑)
ヴィクトルは「『もう』28歳」と言われることが多いですが、この話では「『まだ』28歳」の部分を描きたいと思っていました。一般的な28歳なんてやっと落ち着きが出はじめた頃で、これからどんどん人生経験を踏んでいくべき年齢ですから、ヴィクトルもまだまだ至らない部分はあると考えています。
恋愛に関しても、今までほとんどの時間を競技に費やしてきたこともあり、多少の色恋沙汰はあったでしょうが、本気で感情をぶつけあうことはほとんどなかったんじゃないかなと思います。勇利の前では格好良い自分でいたいし、年上だから余裕があるように見せたいので、今回も紳士に対処しようと努めるのですが、いざやってみると感情のコントロールはままならないし、思ってもないことを口走るし、勇利は独特の思考回路をしていて全く思い通りにいかない。涙が出てきたあたりから吹っ切れて、格好つけるのをやめ、どこにでもいる普通の男としての自分を勇利にさらけ出していく、という流れでした。なので泣いた後からいろんな表情をさせるように意識しました。
泣きながら叫んだ「愛してるから責めない」というのは理論としては成り立ってないと感じる人もいると思うんですが、この時のヴィクトルにはそう言うのが精一杯で、とにかく勇利を手離したくない一心から出た言葉です。
ヴィクトルは「嫌われてもまた手に入れよう」と考えるタイプ。でもこれは本気で愛している人に対してのみで、興味のない人は来る者拒まず去るもの追わず。自分にここまでの執着心があったことを勇利を通して初めて知った、だといいなと思います。
今回は勇利目線多めで話が進んだのであまりヴィクトルの変化を強調してあげられなかったのですが、こんなことを考えながら描いていました。
前半ではヴィクトル「浮気だ」勇利「浮気じゃない」と言っていたのが、後半ではヴィクトル「浮気じゃない」勇利「浮気だ」、と2人の意見が真逆になる点は、物事、特に感情における定義などというものは、状況やちょっとしたことで簡単にひっくり返る不確かなもので、結局人はそういうものに縋って生きている、ということを表現しようとしました。それがこの話の最大のテーマであり、一番描きたかった部分でした。(表現できたかどうかは別の話ですが…)
!Attention!
・このヴィク勇は付き合っています。サンクトに移ってから付き合いはじめた設定です。同居中。
・モブ勇表現がありますので苦手な方はご注意ください。
第一話→illust/62637939
第二話→illust/63005313
第三話→illust/63671899
第四話→illust/65544399
第五話→illust/66426272
年度末の博士論文審査などで約1ヶ月半筆を取れない期間がありましたが、なんとか乗り越えて復活できました。お待たせしてすみません...。
相変わらずノロノロ更新ですが、完結までもう少しお付き合いいただければと思います。
次回、最終回です。この6話の最後が大団円みたいな雰囲気出てますが、まだ解決していないことがありますからね。
5/13追記:たくさんのブクマ、いいね、コメント、本当にありがとうございます!
さて、今回は勇利とヴィクトルの裏設定などを書こうと思います。ネタバレを多く含みますので6話をご覧になってからお読みください。
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2人の関係は、大々的に公表するでもなく、かといって隠している訳でもなく、親しい人なら付き合ってることは知っていて、ファンの間でも意見が分かれているけれど、世間的には仲の良い師弟と思われている設定です。
ヴィクトルは勇利に対しては割と譲歩する方ですが、2人ともそれなりに頑固なのでそこそこの頻度で喧嘩してそうです。今回もきっとスムーズには仲直りしないだろうなと思ったので、勇利の変にこだわるところと、ヴィクトルの捕まえようとするけど捕まらないイライラみたいなものを出したいなと思っていました。
話の中で勇利は「愛してる」ではなく「大好き」という言い方をしていますが、勇利にとっては「愛してる」のハードルが高いので「大好き」が精一杯の愛の言葉です。ヴィクトルは勇利が使う「大好き」には「愛してる」の想いが詰まっていることを知っているのでそれが聞ければ十分だし、普段から目線や仕草から勇利の愛を感じ取っているので明確な言葉がなくても不満はないのです。
勇利
基本的にヴィクトルに対して嘘はつけない設定です。ここで重要なのは、勇利にとって「嘘をつくこと」と「言わないこと」は別物である、ということです。勇利がヴィクトルに明確な嘘をついたのは、第1話の「マキシムがもう一件と言ったから」と第2話の「心が動いてなきゃ浮気じゃないし」の2ヶ所だけです。それ以外はほぼ真実なので真っ直ぐヴィクトルの目を見て話していますが、この2ヶ所だけは、潜在的にある後ろめたさから無意識に目を逸らしているように描きました。首に手を持っていったのも無意識です。言わないと決めたことは徹底的に口をつぐむつもりだったのに、第3話で頭がくらくらして判断力が鈍ったところにヴィクトルに「思い出せ」と言われ、つい従ってしまったためにパニックを起こした、ということにしました。
付き合い始めの頃に感じていた、なぜヴィクトルが自分を選んだのかという疑問は早々に適当に処理していた(多分考えるのに飽きた)ので、常にヴィクトルのことを疑っていた訳でも自分に自信が持てなかった訳でもなかったのですが、ゴシップで出た写真の2人がなぜかとても綺麗に見えて、わずかな違和感が残っていたところにマキシムとの一件で一気に心が崩れていったという感じです。
勇利は「嫌われたら諦めよう」と考えるタイプ。対人関係全般的にそうで、それは愛している人にも変わらず適用されるものだと思います。でも心の奥ではちゃんと独占欲はある。今回はその独占欲をうまくあぶりだしたヴィクトルの勝ちでした。
ヴィクトル
今回、ヴィクトルのキャラ設定が難しくてなかなか決まらなかったのですが、決まってからはヴィクトルが話を上手く進めてくれて、意図せず良い台詞を言ってくれることも多く、だいぶ助けられました。ヴィクトルが膝まづいて勇利の手を取った時は「王子かよ」と驚きつつ、そのまま王子路線で行ってもらいましたが、後半ヴィクトルがどんどん格好良くなっていって描いてて色々つらかったです(笑)
ヴィクトルは「『もう』28歳」と言われることが多いですが、この話では「『まだ』28歳」の部分を描きたいと思っていました。一般的な28歳なんてやっと落ち着きが出はじめた頃で、これからどんどん人生経験を踏んでいくべき年齢ですから、ヴィクトルもまだまだ至らない部分はあると考えています。
恋愛に関しても、今までほとんどの時間を競技に費やしてきたこともあり、多少の色恋沙汰はあったでしょうが、本気で感情をぶつけあうことはほとんどなかったんじゃないかなと思います。勇利の前では格好良い自分でいたいし、年上だから余裕があるように見せたいので、今回も紳士に対処しようと努めるのですが、いざやってみると感情のコントロールはままならないし、思ってもないことを口走るし、勇利は独特の思考回路をしていて全く思い通りにいかない。涙が出てきたあたりから吹っ切れて、格好つけるのをやめ、どこにでもいる普通の男としての自分を勇利にさらけ出していく、という流れでした。なので泣いた後からいろんな表情をさせるように意識しました。
泣きながら叫んだ「愛してるから責めない」というのは理論としては成り立ってないと感じる人もいると思うんですが、この時のヴィクトルにはそう言うのが精一杯で、とにかく勇利を手離したくない一心から出た言葉です。
ヴィクトルは「嫌われてもまた手に入れよう」と考えるタイプ。でもこれは本気で愛している人に対してのみで、興味のない人は来る者拒まず去るもの追わず。自分にここまでの執着心があったことを勇利を通して初めて知った、だといいなと思います。
今回は勇利目線多めで話が進んだのであまりヴィクトルの変化を強調してあげられなかったのですが、こんなことを考えながら描いていました。
前半ではヴィクトル「浮気だ」勇利「浮気じゃない」と言っていたのが、後半ではヴィクトル「浮気じゃない」勇利「浮気だ」、と2人の意見が真逆になる点は、物事、特に感情における定義などというものは、状況やちょっとしたことで簡単にひっくり返る不確かなもので、結局人はそういうものに縋って生きている、ということを表現しようとしました。それがこの話の最大のテーマであり、一番描きたかった部分でした。(表現できたかどうかは別の話ですが…)
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2018-05-12 15:06
Comments (27)
シーンの展開や2人の表情などめちゃくちゃ凄いとしか言い様がないです!
あ・・もうほんと・・・この作品に出会えて良かったです・・・ 最終回、楽しみにしています。
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