トウセンボウ
昔、とうせん坊という暴れ者がいた
一枚歯の高下駄をはき、たいまつを持って村に火をつけて回り
家畜をしめ殺し、女子供でも ようしゃなくたたきのめした
そんなとうせん坊もこどものころは
体が大きいだけの 気のよわいこどもだった
みよりのないとうせん坊は 同じ孤児たちと一緒に寺で育てられたが
寺の子供たちからはバカにされ、和尚たちからもウスノロとののしられた
ある日、観音様のお堂にこもって 力が強くなるように願をかけた
そして観音様から手毬をもらい、それを食べると力が強くなった気がした
村の力自慢がでる相撲大会に とうせん坊は張り切って出たが
気がついたら、あまりの怪力で 対戦相手を次々ところしてしまった
そのことで とうせん坊は村を追われ、山の中で暮らすようになった
ある日、とうせん坊の隠れ家を見つけた村の若者たちが
嫌がらせに 鍋の中の食い物のなかに汚物を入れた
その日からとうせん坊は まわりをすべて破壊する暴れ者になったという
村の桜の花見大会に とうせん坊は現れ そこで暴行・略奪・殺人を行った
そして村を出たとうせん坊は 越前の国(今の福井県)へ流れ着いた
そこで酒盛りをしている人々は とうせん坊に酒をふるまった
見ず知らずの人に 初めて親切にされたとうせん坊は
心の底から安心して眠りについた、そして夢でかすかに記憶に残る母の子守歌を聞いた
目が覚めると、とうせん坊は縄で縛られていた
とうせん坊は罠にかかったのだ
人々はとうせん坊をがけの上から海へ投げ落とした
とうせん坊はどうにもならない絶望さよりも、ただ母の名を呼んで泣いた
春になると吹き付ける突風を『とうせん坊』と呼んで人々は恐れたという
「別にあんたのやることを止めやしないさ、ただ育った境遇が不幸だったとしても、何をしていいわけでもねえ、やるからにゃ、きちんと責任を取らなきゃいけねえ、その代償が、自分の命でもな・・・だろ?」
一枚歯の高下駄をはき、たいまつを持って村に火をつけて回り
家畜をしめ殺し、女子供でも ようしゃなくたたきのめした
そんなとうせん坊もこどものころは
体が大きいだけの 気のよわいこどもだった
みよりのないとうせん坊は 同じ孤児たちと一緒に寺で育てられたが
寺の子供たちからはバカにされ、和尚たちからもウスノロとののしられた
ある日、観音様のお堂にこもって 力が強くなるように願をかけた
そして観音様から手毬をもらい、それを食べると力が強くなった気がした
村の力自慢がでる相撲大会に とうせん坊は張り切って出たが
気がついたら、あまりの怪力で 対戦相手を次々ところしてしまった
そのことで とうせん坊は村を追われ、山の中で暮らすようになった
ある日、とうせん坊の隠れ家を見つけた村の若者たちが
嫌がらせに 鍋の中の食い物のなかに汚物を入れた
その日からとうせん坊は まわりをすべて破壊する暴れ者になったという
村の桜の花見大会に とうせん坊は現れ そこで暴行・略奪・殺人を行った
そして村を出たとうせん坊は 越前の国(今の福井県)へ流れ着いた
そこで酒盛りをしている人々は とうせん坊に酒をふるまった
見ず知らずの人に 初めて親切にされたとうせん坊は
心の底から安心して眠りについた、そして夢でかすかに記憶に残る母の子守歌を聞いた
目が覚めると、とうせん坊は縄で縛られていた
とうせん坊は罠にかかったのだ
人々はとうせん坊をがけの上から海へ投げ落とした
とうせん坊はどうにもならない絶望さよりも、ただ母の名を呼んで泣いた
春になると吹き付ける突風を『とうせん坊』と呼んで人々は恐れたという
「別にあんたのやることを止めやしないさ、ただ育った境遇が不幸だったとしても、何をしていいわけでもねえ、やるからにゃ、きちんと責任を取らなきゃいけねえ、その代償が、自分の命でもな・・・だろ?」
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2018-07-08 11:52
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