Show All

つーぶろ10 / NO GAME

▼twitterはじめました(https://twitter.com/asuka3041)

今回は少し趣向を変えてみました。
超短編連作として、少しだけ続きます。連作ですので次回作は近いうちに載せます。
また、この超短編連作は少しだけグロ注意になります。

(訂正:眉間じゃなくて額だよォッ！！やだ恥ずかしい)

　↓↓↓　《続きを読む》にお話あるよ　↓↓↓
．
．
これは “なんでも屋つーぶろ” ができる数年前のお話です。

とある街に、どんな仕事でも請け負う兄弟がいました。
表の仕事はもちろん、世間では公表できない『裏』の仕事、なんでもござれ。
仕事の速さ、完璧さ、後処理までどれをとっても超一流。
その界隈ではちょっとした有名な兄弟です。

ある日、裏社会では顔の広い男からひとつの仕事を引き受けました。
それは『極秘資料を取り返して欲しい』という、兄弟にとってはとても簡単な仕事でした。
なんでも、男が経営する会社の大事な資料を盗まれたらしく、取り返してくれるのならば金に糸目はつけないと、兄弟にとっては美味しい条件であり、簡単な仕事です。

犯人と思われる人物は、いとも簡単に探し出せました。
犯人は男の会社で専務を勤める人物でした。
どうやらこの犯人は、専務という立場を利用し、色々と汚い事にまで手を出していたようです。
会社の中でも、真偽のわからない噂が沢山ありました。
自分の悪事が表だってしまえば、会社から追い出されてしまう。せっかく手に入れた今の立場も失ってしまう。
それを恐れた犯人に、ある考えが浮かびました。
公表される前に会社の極秘資料を使って、更なる立場を確立してしまえばいいのではないか。
裏社会でも活躍する会社だ。弱みのひとつやふたつ、簡単に見つかるだろう。
その弱みを使えば、上の人間も簡単に自分に手を出せないはずだ。
そして犯人は行動に移します。

犯人がわかればこちらのもの、兄弟も早速行動を起こしました。
近々、裏社会の人間が贔屓にしている銀行に資料を預けにいくという情報を掴んだ兄弟は、犯人が銀行の人間と会う直前に奪還する計画を立てました。
幸運なことに、この銀行は兄弟も利用しています。
一般人には分からないであろう入り口や、やっかいな利用方法はお手の物です。

今のところ順調に仕事が運びます。
資料を取り返すだけでいい。
犯人は殺さずとも、気絶させるなり、眠らせるなりどうとでもなる。
こんなに簡単な仕事で手を汚さず、血も流さず大金が手に入るとはな･･･今夜は特大ピザでも頼むか、と兄者は内心大喜びでいました。

しかし、ここで問題が発生します。
銀行に入られる前に接触しようとした兄者の目に飛び込んできたのは、

．
．
――――――犯人の死体でした。

．
．

Expand