日日是好日
続きにあたる文を書いたので、「日日是好日」(illust/64524032)より、流の補完漫画の決戦後エピローグのみ抜粋。
流が「未練がましい」と言ってるのは、自分の命のことではないですよー
続きはこちら→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9904365
流が皆にけじめをつけにいく話。
*****
「流の裏切り」は単に「潮ととらに喧嘩を売った」ということだけではなく、そのために、流はスパイという能動的な行動によって、潮はもちろん光覇明宗の仲間や自衛隊の信頼も裏切り、彼らの信用を傷つけたし、その行動の結果多くの犠牲が生まれることも厭わなかった(少なくとも原作で描かれた中で言うなら、岩柱攻撃実行の最後の一押しになったのは流の「潮が白面のスパイだ」という偽情報ではないのか。流の「スパイ行動」が他に具体的に描かれることはなかったけれど、白面に情報が流れていたり味方側(光覇明宗や自衛隊)の行動やその連携が混乱している、あるいは妨害されていると思われる状況があったからこその守矢の「スパイがいる」発言でしょうし、流だって自分の言動の効果もそれがもたらす結果も想定済みだったはずです。でなければ論外だ)
あの顛末を流の意思だなんだと言うのなら、そこにあった、他人を踏み台にして良しとした悪意ある行動も彼の意思でしょう。
裏切りに至った流の心理は自分なりに分析しているしその衝動も理解はできるけど、白面の誘いに乗ったのは流自身の意思だし白面の活動に便乗して行った「スパイ活動」は自分の舞台を演出するための完全に計算尽くの行動で、流の救済がそうした他者を利用し踏みにじった卑劣さの上に成り立っていることを棚上げにして、悲壮感に酔って孤独だの生き様だのと美化することは私にはできません。
その理不尽なエゴが哀しい人間の業だというならそれはわかる。けれどもそうした流の内面を考えることと彼のやったことが許されることは別です。
私は流に、自分の卑劣さを自覚していてほしいし、彼がそのことを恥じることのできる人間であってほしいと思っています。そして流の周りの人々にも、流が他者を踏みにじったことを哀しみ憤れる人間であってほしいと思っています。それは流に対する情とは別の問題、というよりむしろ流に対し情があるからこそそれに溺れてほしくはないと思うのです。
なにより自分は、流を飾り立てる最終設定のために、彼の周りの人々や光覇明宗での日々を「(流にとって)つまらない、くだらないものだった」と貶められ軽んじられたくはないし、流を他者に敬意や誠意を抱けない人間だったとも思いたくない。流も彼らの存在も、対等な重さであってほしいのです。
日日是好日。
風は吹いていても、彼らとの何気ない日常への愛着は否定されるものではないし、そうして過ごした日々も、自分なりにもがいて生きた、流の必死な人生の一部だったんじゃないのかと、そして残された面々にとっても、流と過ごした日々がただ苦い思い出ではないように、そんな気持ちを込めて。
決戦前も併せたものUPしました→illust/80718041
流が「未練がましい」と言ってるのは、自分の命のことではないですよー
続きはこちら→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9904365
流が皆にけじめをつけにいく話。
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「流の裏切り」は単に「潮ととらに喧嘩を売った」ということだけではなく、そのために、流はスパイという能動的な行動によって、潮はもちろん光覇明宗の仲間や自衛隊の信頼も裏切り、彼らの信用を傷つけたし、その行動の結果多くの犠牲が生まれることも厭わなかった(少なくとも原作で描かれた中で言うなら、岩柱攻撃実行の最後の一押しになったのは流の「潮が白面のスパイだ」という偽情報ではないのか。流の「スパイ行動」が他に具体的に描かれることはなかったけれど、白面に情報が流れていたり味方側(光覇明宗や自衛隊)の行動やその連携が混乱している、あるいは妨害されていると思われる状況があったからこその守矢の「スパイがいる」発言でしょうし、流だって自分の言動の効果もそれがもたらす結果も想定済みだったはずです。でなければ論外だ)
あの顛末を流の意思だなんだと言うのなら、そこにあった、他人を踏み台にして良しとした悪意ある行動も彼の意思でしょう。
裏切りに至った流の心理は自分なりに分析しているしその衝動も理解はできるけど、白面の誘いに乗ったのは流自身の意思だし白面の活動に便乗して行った「スパイ活動」は自分の舞台を演出するための完全に計算尽くの行動で、流の救済がそうした他者を利用し踏みにじった卑劣さの上に成り立っていることを棚上げにして、悲壮感に酔って孤独だの生き様だのと美化することは私にはできません。
その理不尽なエゴが哀しい人間の業だというならそれはわかる。けれどもそうした流の内面を考えることと彼のやったことが許されることは別です。
私は流に、自分の卑劣さを自覚していてほしいし、彼がそのことを恥じることのできる人間であってほしいと思っています。そして流の周りの人々にも、流が他者を踏みにじったことを哀しみ憤れる人間であってほしいと思っています。それは流に対する情とは別の問題、というよりむしろ流に対し情があるからこそそれに溺れてほしくはないと思うのです。
なにより自分は、流を飾り立てる最終設定のために、彼の周りの人々や光覇明宗での日々を「(流にとって)つまらない、くだらないものだった」と貶められ軽んじられたくはないし、流を他者に敬意や誠意を抱けない人間だったとも思いたくない。流も彼らの存在も、対等な重さであってほしいのです。
日日是好日。
風は吹いていても、彼らとの何気ない日常への愛着は否定されるものではないし、そうして過ごした日々も、自分なりにもがいて生きた、流の必死な人生の一部だったんじゃないのかと、そして残された面々にとっても、流と過ごした日々がただ苦い思い出ではないように、そんな気持ちを込めて。
決戦前も併せたものUPしました→illust/80718041
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2018-07-24 21:20
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