【ポケ黄泉】ビター&スイート【ハロハロ】
カロンとキレイのハロウィンイベント【illust/70776784】ログインです。
二人まとめてのログインですが、イベントは各々個別で好きなように行動してます。
キレイ…ゾンビ風花嫁姿で街中を歩いてます(詳細は2枚目参照)
配るお菓子はビターチョコや甘さ控えめクッキーなど、俗に言う大人向けのテイスト中心です。
また御守りはオレンジ色のものを所持しています。
カロン…いつも通りの格好、いつも通りのテンション。どこにしまってるのかケープの下から無数のお菓子を取り出し、道行く人に配り歩いてます。種類はクッキーやマドレーヌなどの焼き菓子メイン。
「チョコとかキャンディーだと炎で溶けちゃうもんね!」
※この時点で御守りを所持しているのはキレイのみとなります。カロンの御守りは今後入手する予定です。
カロン【illust/70169107】
キレイ(いつものすがた)【illust/70169130】
――――――
「あー!! キレイちゃんだー、久しぶりー!!」
やぶれたせかいにある一件の店にて、目の前に並ぶ衣服の山から適当な一枚を手にした時だった。
唐突に響く賑やかな声に、名を呼ばれたキレイは何事かと目を瞬かせる。この世界に知り合いはいないはず、などと考え振り向けば一人のランプラーがそこにはいた。
「偶然だねこんなとこで!! どう? こっちでの生活には慣れた!? 今何して……あっもしかして!! カロンちゃんと同じくハロウィンの準備!!? 仮装とかするの!!? わあい楽しみー!!」
「……ぁ、あの……」
ぐいぐいと距離を詰めまくし立てる彼女のことはすぐに思い当たった。こちらへ来たばかりの時、右も左もわからない自分を案内してくれた人物。名は確か――否、例え覚えていなくとも本人が口にしている以上「カロン」で間違い無いだろう。
ともあれ相手の勢いに押されたキレイが口ごもっていると、唐突にカロンは「あっ」と声を上げ口元に手を当てた。
「ご、ごめんね! 邪魔しちゃったかな!? それじゃごゆっく――」
「っ! ま、待って……!」
今度は急に踵を返して立ち去ろうとするカロンだったが、キレイは咄嗟にそんな彼女を呼び止める。これでも丁度困っているところだったのだ。この機を逃すわけにはいかないと、ここぞとばかりに早口で事情を説明した。
「実は――」
◆
「はい出来た!! おぉ〜似合う似合うよ! やはりカロンちゃんの見立てに間違いはありませんでしたな!!」
試着室の大きな姿見に映る自分の姿は、普段の簡素な装いからは掛け離れたものだった。
頭には翅のように透き通るベール。フリルやレースがふんだんに使われた華やかな白いドレス。
本来なら清潔感を感じさせるはずの服装だったが、この衣装に関して言えばボロボロに裁断された裾が異様な不気味さを演出していた。
「これは……」
「うん、見ての通りのウエディングドレス風コスチュームのゾンビ仕立て!!」
満面の笑みで衣装を選んだ当人、カロンは胸を張る。
衣装が決まらない、先程そうキレイが切り出してからは実に早かった。ギラティナの眷属を名乗る者から御守りを貰ったものの、元々こういうイベントに不慣れなキレイはどう行動すれば良いか決め兼ねていた。そこで通りかかったカロンに助けを求めたのだが、結果キレイがこの店で悩んでいた時間の半分程度しかかからずにここまで至った。
ゴースト故に手慣れているのか、それとも彼女の行動力が凄まじいのか。いずれにせよすんなり衣装を決められたことにはキレイも感心していた。
「とまあカロンちゃんの見立てはこんな感じだけど。これもあくまでアドバイス、最後はキレイちゃん自身が着たいものを決めるんだよ。良いね?」
「え……」
ふとカロンの言った言葉で我に帰る。
純白の花嫁。否、この場合は純白ではないのかもしれないが、カロンの言う通り確かに自分には似合う衣装だ。
ただ――
「それじゃ! 衣装選び最後まで付き合いたいとこだけど、カロンちゃんそろそろ戻らなきゃだから!! またハロウィン本番で会おうね! バイバーイ!!」
「えっ!? ちょっ――」
これまた唐突にカロンが別れを告げる。今度は上手く引き止める言葉も浮かばないままにカロンの姿を見失ってしまった。
一人残され同行者もいないキレイは立ち尽くしながら途方に暮れる。
一面の白銀。花嫁。
思い返されるかつての記憶に、キレイは痛む頭を抑えた。
カロンは自分の意思で決めるようにと言ってくれた。であれば無理してこの衣装を選ぶ必要は無い。だが。
「……けど、せっかくだし……」
付き合ってくれた恩義ももちろんあるが、これまで自分が散々迷って決められなかったものを今更選び直せるとも思えない。ここは良い機会だと割り切って、潔くこの衣装に決めてしまうのも手だろう。
そう考えつつも、キレイは一つ小さなため息をつく。
(……どうしよう)
ハロウィンもまだ始まったばかり。いつまでも立ち止まっているわけにはいかない。
未だ迷いが晴れないながらも、キレイは新たな装いと共に異界での一歩を踏み出した。
二人まとめてのログインですが、イベントは各々個別で好きなように行動してます。
キレイ…ゾンビ風花嫁姿で街中を歩いてます(詳細は2枚目参照)
配るお菓子はビターチョコや甘さ控えめクッキーなど、俗に言う大人向けのテイスト中心です。
また御守りはオレンジ色のものを所持しています。
カロン…いつも通りの格好、いつも通りのテンション。どこにしまってるのかケープの下から無数のお菓子を取り出し、道行く人に配り歩いてます。種類はクッキーやマドレーヌなどの焼き菓子メイン。
「チョコとかキャンディーだと炎で溶けちゃうもんね!」
※この時点で御守りを所持しているのはキレイのみとなります。カロンの御守りは今後入手する予定です。
カロン【illust/70169107】
キレイ(いつものすがた)【illust/70169130】
――――――
「あー!! キレイちゃんだー、久しぶりー!!」
やぶれたせかいにある一件の店にて、目の前に並ぶ衣服の山から適当な一枚を手にした時だった。
唐突に響く賑やかな声に、名を呼ばれたキレイは何事かと目を瞬かせる。この世界に知り合いはいないはず、などと考え振り向けば一人のランプラーがそこにはいた。
「偶然だねこんなとこで!! どう? こっちでの生活には慣れた!? 今何して……あっもしかして!! カロンちゃんと同じくハロウィンの準備!!? 仮装とかするの!!? わあい楽しみー!!」
「……ぁ、あの……」
ぐいぐいと距離を詰めまくし立てる彼女のことはすぐに思い当たった。こちらへ来たばかりの時、右も左もわからない自分を案内してくれた人物。名は確か――否、例え覚えていなくとも本人が口にしている以上「カロン」で間違い無いだろう。
ともあれ相手の勢いに押されたキレイが口ごもっていると、唐突にカロンは「あっ」と声を上げ口元に手を当てた。
「ご、ごめんね! 邪魔しちゃったかな!? それじゃごゆっく――」
「っ! ま、待って……!」
今度は急に踵を返して立ち去ろうとするカロンだったが、キレイは咄嗟にそんな彼女を呼び止める。これでも丁度困っているところだったのだ。この機を逃すわけにはいかないと、ここぞとばかりに早口で事情を説明した。
「実は――」
◆
「はい出来た!! おぉ〜似合う似合うよ! やはりカロンちゃんの見立てに間違いはありませんでしたな!!」
試着室の大きな姿見に映る自分の姿は、普段の簡素な装いからは掛け離れたものだった。
頭には翅のように透き通るベール。フリルやレースがふんだんに使われた華やかな白いドレス。
本来なら清潔感を感じさせるはずの服装だったが、この衣装に関して言えばボロボロに裁断された裾が異様な不気味さを演出していた。
「これは……」
「うん、見ての通りのウエディングドレス風コスチュームのゾンビ仕立て!!」
満面の笑みで衣装を選んだ当人、カロンは胸を張る。
衣装が決まらない、先程そうキレイが切り出してからは実に早かった。ギラティナの眷属を名乗る者から御守りを貰ったものの、元々こういうイベントに不慣れなキレイはどう行動すれば良いか決め兼ねていた。そこで通りかかったカロンに助けを求めたのだが、結果キレイがこの店で悩んでいた時間の半分程度しかかからずにここまで至った。
ゴースト故に手慣れているのか、それとも彼女の行動力が凄まじいのか。いずれにせよすんなり衣装を決められたことにはキレイも感心していた。
「とまあカロンちゃんの見立てはこんな感じだけど。これもあくまでアドバイス、最後はキレイちゃん自身が着たいものを決めるんだよ。良いね?」
「え……」
ふとカロンの言った言葉で我に帰る。
純白の花嫁。否、この場合は純白ではないのかもしれないが、カロンの言う通り確かに自分には似合う衣装だ。
ただ――
「それじゃ! 衣装選び最後まで付き合いたいとこだけど、カロンちゃんそろそろ戻らなきゃだから!! またハロウィン本番で会おうね! バイバーイ!!」
「えっ!? ちょっ――」
これまた唐突にカロンが別れを告げる。今度は上手く引き止める言葉も浮かばないままにカロンの姿を見失ってしまった。
一人残され同行者もいないキレイは立ち尽くしながら途方に暮れる。
一面の白銀。花嫁。
思い返されるかつての記憶に、キレイは痛む頭を抑えた。
カロンは自分の意思で決めるようにと言ってくれた。であれば無理してこの衣装を選ぶ必要は無い。だが。
「……けど、せっかくだし……」
付き合ってくれた恩義ももちろんあるが、これまで自分が散々迷って決められなかったものを今更選び直せるとも思えない。ここは良い機会だと割り切って、潔くこの衣装に決めてしまうのも手だろう。
そう考えつつも、キレイは一つ小さなため息をつく。
(……どうしよう)
ハロウィンもまだ始まったばかり。いつまでも立ち止まっているわけにはいかない。
未だ迷いが晴れないながらも、キレイは新たな装いと共に異界での一歩を踏み出した。
5
4
513
2018-09-28 22:55
Comments (0)
No comments