恋の魔法とおまじない１０月カレンダー

物語り ーーーーーーーーーー

「この子はだあれ？」
パパが大切にしている写真を手に取る。
「パパの妹のエミーアだよ」
「エミーアはどこにいるの？」
「パパの親友の家で暮らしているよ」
「どうして？　ミルル、エミーアとお友達になりたい」
女王のママも加勢してくれる。
「そうよ、ナイト。私、エミーアちゃんのお母さん代わりにちゃんとなるわ。お城に呼びましょうよ」
「・・・」

ハートの国には戦争がせまっていた。
出来ることなら妻と娘も親友のもとに、避難させたいぐらいで。
親友のもとで幸せに暮らす妹を危険な城に呼ぶことは考えられない。

遠い空の下、兄からの手紙と一緒にとどいたミルルの写真を見るエミーア。

「きっとそのうち一緒に暮らせるよ」
「早く一緒に暮らしたいなあ。イブキちゃん、お兄さんの奥さんの女王様はエミーアをかわいがってくれる？」
「大丈夫だよ、お兄さんが選んだ人だもの」
「うん！私も一緒に暮らせたら、ミルルちゃんのいいお姉さんになる！」

戦火がせまる中で見た優しい夢が叶うのは、遠い遠い未来のこと。・・

ーーーーーーーーーーーーーー