つゆしぐれ ◆
文字あそび
つゆしぐれ~露時雨~
露集め、子どもの小遣い稼ぎですな
ああして、木々を回って茶碗に溜めるのです
お屋敷さまが召し上がるのですよ
…、たまにね、小遣いではなくご馳走を賜る子も…ね
そうすると、新しい木が植えられるわけです
ご馳走で腹がくちくなれば、露もたんと出せましょうから
◆草津玲緒さん( https://twitter.com/reo_kusatsu )よりSSを頂きました◆
熱をはらみ、小刻みに震える茎に手を添えて、先端から溢れ出る透明の雫に舌先をのばす。
ぶくりと膨らんだ蜜はどこまでも甘く、雄々しい苦味を含んでいた。
「葉月……。お前は大きくなっても変わらないね。そんなにこれが好きなのかい?」
「幼い頃からの味……ですから」
きりりとした眉を上げ、蕩けそうな黒い瞳が主を恨めしげに睨んだ。
木に滴る露を集めるのは、まだ幼く拙い舌。流れ落ちる雫の味は皆、違っていた。
そうすれば捨てられることはない。
幼いながらも生きる術を得た子供たちの白く平坦な体が闇の褥に揺れた。
声を出してはいけないよ。
痛いのは最初だけ。
優しい主の指先が敏感な奥の間を撫で上げるたびに、小さな茎が未だ知らぬ快感にうち震え、とぷり…と小さな白濁を吐く。
それを舐めとるの舌先を見つめ、彼にとっても生きるための糧なのだと知る。
時が経ち、その体はしなやかな筋肉を纏い、艶かしく色香を放つ。
主の茎を我が身に収め、そこから溢れ出る雫に満たされる。
汗ばんだ腿の間から伝うのは命を繋ぐ聖なる露。太い茎が抜かれたその場所に指を這わせて唇を震わせると、最愛の男の唇が重なった。
体のどこかしこから溢れる蜜は甘く、妖しい。
「美味しい……」
舌先を付き合わせ、すっと目を細める。彼の雫に満たされた体がまた、とくん……と打った。 「もっと、ください……」
葉月は知っていた。この露が消える時、自身の命も尽きるのだと。
だから……今は食欲に。愛する者の腕に抱かれて、一時の夢を見ていたい。
甘い露が大きくしなった葉から零れないように……。淫らに膨らんだ蕾をきゅっときつく結んだ。
※名刺メーカーverはこちら https://twitter.com/reo_kusatsu/status/1052455671885643782 ※
●by310●
とろりと融ける霧の中
雫を結んでほろほろと
舌先、指先、夢の先
来し方、行き方、時の方
この世もあの世も、いつの世も
定めた主はただひとり
零れる露を身にうけて
溢れる露を身にあびて
露を集めて奉る
つゆしぐれ~露時雨~
露集め、子どもの小遣い稼ぎですな
ああして、木々を回って茶碗に溜めるのです
お屋敷さまが召し上がるのですよ
…、たまにね、小遣いではなくご馳走を賜る子も…ね
そうすると、新しい木が植えられるわけです
ご馳走で腹がくちくなれば、露もたんと出せましょうから
◆草津玲緒さん( https://twitter.com/reo_kusatsu )よりSSを頂きました◆
熱をはらみ、小刻みに震える茎に手を添えて、先端から溢れ出る透明の雫に舌先をのばす。
ぶくりと膨らんだ蜜はどこまでも甘く、雄々しい苦味を含んでいた。
「葉月……。お前は大きくなっても変わらないね。そんなにこれが好きなのかい?」
「幼い頃からの味……ですから」
きりりとした眉を上げ、蕩けそうな黒い瞳が主を恨めしげに睨んだ。
木に滴る露を集めるのは、まだ幼く拙い舌。流れ落ちる雫の味は皆、違っていた。
そうすれば捨てられることはない。
幼いながらも生きる術を得た子供たちの白く平坦な体が闇の褥に揺れた。
声を出してはいけないよ。
痛いのは最初だけ。
優しい主の指先が敏感な奥の間を撫で上げるたびに、小さな茎が未だ知らぬ快感にうち震え、とぷり…と小さな白濁を吐く。
それを舐めとるの舌先を見つめ、彼にとっても生きるための糧なのだと知る。
時が経ち、その体はしなやかな筋肉を纏い、艶かしく色香を放つ。
主の茎を我が身に収め、そこから溢れ出る雫に満たされる。
汗ばんだ腿の間から伝うのは命を繋ぐ聖なる露。太い茎が抜かれたその場所に指を這わせて唇を震わせると、最愛の男の唇が重なった。
体のどこかしこから溢れる蜜は甘く、妖しい。
「美味しい……」
舌先を付き合わせ、すっと目を細める。彼の雫に満たされた体がまた、とくん……と打った。 「もっと、ください……」
葉月は知っていた。この露が消える時、自身の命も尽きるのだと。
だから……今は食欲に。愛する者の腕に抱かれて、一時の夢を見ていたい。
甘い露が大きくしなった葉から零れないように……。淫らに膨らんだ蕾をきゅっときつく結んだ。
※名刺メーカーverはこちら https://twitter.com/reo_kusatsu/status/1052455671885643782 ※
●by310●
とろりと融ける霧の中
雫を結んでほろほろと
舌先、指先、夢の先
来し方、行き方、時の方
この世もあの世も、いつの世も
定めた主はただひとり
零れる露を身にうけて
溢れる露を身にあびて
露を集めて奉る
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2018-10-17 09:47
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