木陰の少女

お昼休みに購買でパンを買い、木陰のベンチに腰を下ろした少女。さわやかな風が木々を揺らし秋の訪れを感じるとともに終わってしまった夏に思いをはせる。仲良しメンバーのみんなと海に行ったこと、お泊り会をしたこと、宿題に追われて焦りに焦った八月末…
「来年もまた、楽しい夏が過ごせるだろうな」
そんな気の早いことを考えながら買ってきたメロンパンを一口かじった。おいしい、まさに悪魔的だ。

ふと思う、メロンパンというものはじつに不思議だ。その原料にメロンは一切使われていない。どころか色も似ていないしメロンのように高級なわけでもない…ただひとつ、その特徴的な網目模様、それのみがこれをメロンパンたらしめる要素なのだ。それなのにこのような実態に騒ぎ立てるような人はいない。彼らはこのお世辞にもメロンとは言えないような代物をメロンパンと呼ぶことに何の疑問も覚えていないのだ。不思議なものだ、些細なことにかみついて炎上するような人々がこれがメロンの名を冠していることに何の抵抗もないなんて…
思いふけりながらもう一口。やわらかい食感と優しい甘さが先ほどまでの不毛な思考を薙ぎ払ってくれた。
しかしそれでも心の中に残る靄のようなもの…ぼんやりしているようで何処かちくりと痛むような…それに耐えかねた少女は急かされるように一つの言葉を吐き出した

「メロンパンって…いうほどメロンの形してないよね…?」

『ほう…それに気が付いてしまったのか…!』

「!?」

声のするほうを向くとそこには一人の男が立っていた。

『…気付いたならば仕方がない。今!ここで!貴様を始末しなければならなくなったッ!』

男はそう叫んで懐から取り出したデュエルディスクを装着した。

「あんた…決闘者かッ!?」

ようやく状況を理解した少女は声を荒げながら同様にディスクをつけた。次第に近くなる二人の間合いと闘いへのカウントダウン……明日をつかむのは果たしてどちらか!?

「『デュエル!!!』」

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こんにちは深夜で頭のおかしくなったあやらとでございます。
最近遊戯王を始めたので機会があれば勝負しましょう。僕の光天使デッキが火を噴くよ!ブックス!

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2018-10-25 02:15

 あやらと


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