【冬闘乱2018】晴照舞 朋【西軍】
「必要なのは己の信念のみ。迷う必要はない。当てるべきところにしかるべきものを当てればよい」
「雄は己の気持ちをしかと受け止めたのだ……雄は強い!」
◆晴照舞 朋(はてるま とも) :西軍 3年
2016年冬【illust/63170671】
2017年夏【illust/60165261】
>>弟:晴照舞 雄【illust/72017069】
◆心剣:フラットブレード・スクラムジェット
朋の心剣、フラットヘッド・バーストは、朋が「雄に負けず私もさらに輝く」という決心で弟への接し方の迷いを振り切ったことにより形を変え、能力を向上させた。風・竜巻のみならず、局所的に気圧を操ることが可能になった。
柄に現れた複数のウイングによって風圧・風向をより直感的に操作するサポートをする。このウイングの動作には一定の規則性があるため、この規則性を知っている共闘者に対して一部動作を予告・可視化する役目もある。
風圧による風のバリアだけでなく、刀身に高圧の風をまとわせて攻撃時に追加で衝撃を与えることも可能。
風の操作能力の精度もあがり、小規模な竜巻のみならず真空の刃を発生させることができるようになった。
刀身についた吸気口内部で風を高圧に圧縮し、風の弾丸をマッハ3で打ち出す。
精密な制御を必要とするため、朋の精神状態や健康状態によってパフォーマンスが左右されやすい。
また、刀の吸気口から高圧の空気を吸入・噴射して限定的な範囲の気圧を操作でき、相手を息苦しくさせることが可能。この能力を応用するおかげで冬はあったかく過ごせるとか。
また周囲を減圧、「氷の粒」を発生させて静電気を生むことにより、弟・雄の能力を一部サポートする。
――――――――――――――――――――
「晴照舞さん大丈夫かな」
「ここのところ元気ないよね」
弟・雄が留学してからというものの、姉の朋は元気をだんだんとなくしていた。
あまりの落ち込み方に学友も心配していたのだ。
朋の闘乱祭への参加理由は、己の強さをさらに追い求めること。
だが芯にある動機は、最愛の弟の凄さを証明するため、だった。
姉としてずっと弟を見ていた。雄は目立ちたがりであるが故に、白い目で見られることがあったのも知っている。しかし、彼の精神力、身に着けた技術、ポテンシャルが十分あることを知っている。
だから、雄に対する周囲の評価が歯がゆかった。何かのきっかけで弟がさらなる高みへ到達することを望んでいた。
そのきっかけとして闘乱祭への参加を選んだ。
(だって私の弟はすごいのだぞ。私なんてすぐに追い越してしまうかもしれん。だから私を踏み台にしてくれ。私の技術を糧としろ。模倣しろ。お前がいっそう輝くために。私は、より輝く雄を見たい)
朋のエゴと言われればそれまでだが、たとえ自分が弟から白い目で見られようと、強くなった弟を見たい気持ちのほうが、この時はひときわ強かった。
よって彼女の一番の動機がそばにいないこの一年とちょっと……雄が留学している期間は、朋は闘乱祭への参加を行わなかった。
「弟さん留学してるらしいけどメールのこと嬉しそうに話してたよね、なのに……」
休み時間、教室で心配そうに話す学友の前で、朋が突然席を立つ。「は、晴照舞さん…?」
スマホの画面をみつめる朋は、無表情のままつぶやいた。
「雄からメールが来ない、姉として心配だ」
「メールどれぐらい来ないの?」
「一日に一通…最近間隔が伸びてきた。耐えられない」「いやちょっと待て、普通一通でもあるだけ十分じゃ」
「よからぬことなどがあったのかもしれない……私は様子を見に行く!!」
「「まって落ち着いてこのブラコン娘」」
いきなり荷物をまとめて教室を出ようとする朋を、友人たちが羽交い絞めにした。
一年超にわたる弟の留学。
弟からのメール頻度で心に生まれたヤキモキは、朋の大好きな弟が帰ってきて解消することとなる。
そして予想だにしない弟からのお土産によって、朋は変わった。
言われずともぼんやりと感じていた弟の気持ちは、本人から言葉(カタチ)としてはっきり渡されたのだ。
朋は己の甘さと、傲慢さをかみしめた。弟を理由としていたが、これに甘んじた一年間だったことに気が付いた。
彼女は弟を理由にせず、自身がより強くなることを望み、より輝くための決心をした。
その決断は一時の過ちであるかもしれない。
いずれ二人の道は分かれるかもしれない。
――だが、これは唯一無二の弟が、私へと向けた勇気なのだ。
ならば何を迷おうか。何を恐れようか。
大事な弟の、そして一人の人間が私へと見せるこの勇気を拒む理由はどこにある?
今の私の中には、この真剣な勇気を拒む理由なんてどこにもない!
故に姉は、弟の気持ちを受け入れた。
たとえひと時であろうと、共に在り続けるために。
この瞬間、自分が弟へ抱く心に嘘はないのだから。
これは真実。
だから朋の中の彼は、「弟」から「雄」になった。
「雄……ッ!!姉は、いや、私は嬉しいぞ!!私は雄の事が男として好きだ!!よく勇気を出して言ってくれた!!何が間違いかなど自分で決めること!!雄の気が済むまでになろうが、恋人として私と歩んでほしい!!」
――――――――――――――――――――
真面目だからこそ、社会通念を超えて真剣に考えた結果である。
しかし真面目すぎて愛してやまない弟からの言葉に喜ぶあまり、間違った方向へベクトルをきったかも……いやヤバイって、これ。むしろ振り切ってるって。
「晴照舞さんすごくうれしそうだね」
「雄が私の彼氏になった」「……ん?」
「雄は私の彼氏。私は雄の彼女」
「……んん?いやちょっと待って?あー、彼氏できたんだ…ってォォォオイ!?」
『もし雄と私の恋路を邪魔立てするならば、いくら友とは言えども容赦せんぞォォォ!!』
そして姉弟を超えた関係は、姉の喜びの雄たけびによって、短期間でさらに周囲へ暴露されることとなった。
知り合いに嬉しそうだねと聞かれれば、全てに「雄が彼氏になった」と答えたとか。
「ならば次なる上は私が良き妻となる修行も視野に入る!!夢でかまわーん!!」
雄が頭を抱えたのは、いうまでもない。
「雄は己の気持ちをしかと受け止めたのだ……雄は強い!」
◆晴照舞 朋(はてるま とも) :西軍 3年
2016年冬【illust/63170671】
2017年夏【illust/60165261】
>>弟:晴照舞 雄【illust/72017069】
◆心剣:フラットブレード・スクラムジェット
朋の心剣、フラットヘッド・バーストは、朋が「雄に負けず私もさらに輝く」という決心で弟への接し方の迷いを振り切ったことにより形を変え、能力を向上させた。風・竜巻のみならず、局所的に気圧を操ることが可能になった。
柄に現れた複数のウイングによって風圧・風向をより直感的に操作するサポートをする。このウイングの動作には一定の規則性があるため、この規則性を知っている共闘者に対して一部動作を予告・可視化する役目もある。
風圧による風のバリアだけでなく、刀身に高圧の風をまとわせて攻撃時に追加で衝撃を与えることも可能。
風の操作能力の精度もあがり、小規模な竜巻のみならず真空の刃を発生させることができるようになった。
刀身についた吸気口内部で風を高圧に圧縮し、風の弾丸をマッハ3で打ち出す。
精密な制御を必要とするため、朋の精神状態や健康状態によってパフォーマンスが左右されやすい。
また、刀の吸気口から高圧の空気を吸入・噴射して限定的な範囲の気圧を操作でき、相手を息苦しくさせることが可能。この能力を応用するおかげで冬はあったかく過ごせるとか。
また周囲を減圧、「氷の粒」を発生させて静電気を生むことにより、弟・雄の能力を一部サポートする。
――――――――――――――――――――
「晴照舞さん大丈夫かな」
「ここのところ元気ないよね」
弟・雄が留学してからというものの、姉の朋は元気をだんだんとなくしていた。
あまりの落ち込み方に学友も心配していたのだ。
朋の闘乱祭への参加理由は、己の強さをさらに追い求めること。
だが芯にある動機は、最愛の弟の凄さを証明するため、だった。
姉としてずっと弟を見ていた。雄は目立ちたがりであるが故に、白い目で見られることがあったのも知っている。しかし、彼の精神力、身に着けた技術、ポテンシャルが十分あることを知っている。
だから、雄に対する周囲の評価が歯がゆかった。何かのきっかけで弟がさらなる高みへ到達することを望んでいた。
そのきっかけとして闘乱祭への参加を選んだ。
(だって私の弟はすごいのだぞ。私なんてすぐに追い越してしまうかもしれん。だから私を踏み台にしてくれ。私の技術を糧としろ。模倣しろ。お前がいっそう輝くために。私は、より輝く雄を見たい)
朋のエゴと言われればそれまでだが、たとえ自分が弟から白い目で見られようと、強くなった弟を見たい気持ちのほうが、この時はひときわ強かった。
よって彼女の一番の動機がそばにいないこの一年とちょっと……雄が留学している期間は、朋は闘乱祭への参加を行わなかった。
「弟さん留学してるらしいけどメールのこと嬉しそうに話してたよね、なのに……」
休み時間、教室で心配そうに話す学友の前で、朋が突然席を立つ。「は、晴照舞さん…?」
スマホの画面をみつめる朋は、無表情のままつぶやいた。
「雄からメールが来ない、姉として心配だ」
「メールどれぐらい来ないの?」
「一日に一通…最近間隔が伸びてきた。耐えられない」「いやちょっと待て、普通一通でもあるだけ十分じゃ」
「よからぬことなどがあったのかもしれない……私は様子を見に行く!!」
「「まって落ち着いてこのブラコン娘」」
いきなり荷物をまとめて教室を出ようとする朋を、友人たちが羽交い絞めにした。
一年超にわたる弟の留学。
弟からのメール頻度で心に生まれたヤキモキは、朋の大好きな弟が帰ってきて解消することとなる。
そして予想だにしない弟からのお土産によって、朋は変わった。
言われずともぼんやりと感じていた弟の気持ちは、本人から言葉(カタチ)としてはっきり渡されたのだ。
朋は己の甘さと、傲慢さをかみしめた。弟を理由としていたが、これに甘んじた一年間だったことに気が付いた。
彼女は弟を理由にせず、自身がより強くなることを望み、より輝くための決心をした。
その決断は一時の過ちであるかもしれない。
いずれ二人の道は分かれるかもしれない。
――だが、これは唯一無二の弟が、私へと向けた勇気なのだ。
ならば何を迷おうか。何を恐れようか。
大事な弟の、そして一人の人間が私へと見せるこの勇気を拒む理由はどこにある?
今の私の中には、この真剣な勇気を拒む理由なんてどこにもない!
故に姉は、弟の気持ちを受け入れた。
たとえひと時であろうと、共に在り続けるために。
この瞬間、自分が弟へ抱く心に嘘はないのだから。
これは真実。
だから朋の中の彼は、「弟」から「雄」になった。
「雄……ッ!!姉は、いや、私は嬉しいぞ!!私は雄の事が男として好きだ!!よく勇気を出して言ってくれた!!何が間違いかなど自分で決めること!!雄の気が済むまでになろうが、恋人として私と歩んでほしい!!」
――――――――――――――――――――
真面目だからこそ、社会通念を超えて真剣に考えた結果である。
しかし真面目すぎて愛してやまない弟からの言葉に喜ぶあまり、間違った方向へベクトルをきったかも……いやヤバイって、これ。むしろ振り切ってるって。
「晴照舞さんすごくうれしそうだね」
「雄が私の彼氏になった」「……ん?」
「雄は私の彼氏。私は雄の彼女」
「……んん?いやちょっと待って?あー、彼氏できたんだ…ってォォォオイ!?」
『もし雄と私の恋路を邪魔立てするならば、いくら友とは言えども容赦せんぞォォォ!!』
そして姉弟を超えた関係は、姉の喜びの雄たけびによって、短期間でさらに周囲へ暴露されることとなった。
知り合いに嬉しそうだねと聞かれれば、全てに「雄が彼氏になった」と答えたとか。
「ならば次なる上は私が良き妻となる修行も視野に入る!!夢でかまわーん!!」
雄が頭を抱えたのは、いうまでもない。
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2018-12-08 11:46
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