響け恋心　届けあなたまで

先日、スマートファルコンが大きなレースで見事優勝を果たした。
彼女の血の滲むような努力を一番近くで見てきた私にとって、彼女が流した汗と涙が最高の形で結実したことが本当に嬉しかった。
ウイニングライブのセンターを奪取するという目標を掲げてから、いったいどれほどの日々を彼女と共に走ってきただろう。
彼女の長い競技生活において特別な意味を持つ一日に、誰よりも近い場所で立ち会えたことを幸せに思った。

そして祝勝会から一夜明けた今日、彼女から呼び出しのメッセージが届いた。
「大事な話があるから来てほしい」と――。

約束した場所へ行くと、すでに彼女は木陰の中に佇んでいた。
彼女の全身がいつになく強張っているのが遠目にも分かる。

私の足音に気付いた彼女が、こちらに振り向く。
一瞬、いつもの明るい表情を浮かべたように見えたが、すぐに口を真一文字に結んで目を伏せてしまった。
赤みを帯びたその顔も、初夏を告げる暖かな陽気のせいだけではないだろう。

彼女との距離が1メートルほどになったところで、私は足を止めた。
彼女は俯いたまま何も言おうとしない。
いや、言えないのかもしれない。
緊張に押し潰されそうなその様子から、彼女が何を伝えようとしているのか、すでに察しが付いていた。
互いに押し黙ったまま、静かに時間だけが流れていく。

やがて、優しく吹き抜ける風に背中を押されたように、彼女は大きく息を吸い、意を決した表情で私を見上げた。
少し困ったような、それでいて固い決意を秘めた目。
いつもの「ファル子」を演じている彼女とは違う。
私にしか見せない、本当の彼女がそこにいた。

飾らない、むき出しの感情を、その震える唇が紡ぐ。
「あのね、私――」

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ウマ娘のサービス開始と同時にアップすることで「うおおおおおお！！（幻聴）」みたいなの狙ってたんですけど、サイゲにしてやられました。
画面狭しと歌って踊って駆け回るファル子たちに早く会いたいです。