【PFLS】届かぬ刃・捉えきれぬ掌握【時雨平原の戦い】

「おかしいな」
少年は呟く。相手の行動は全て、統べて防いだ。邪魔なものは全て『この手』で潰した筈だった。
しかし、しかし。其処には未だ平然と立っている青年がいる。
「そうか」
納得する。並行して殴り飛ばす。届かない、やはり届かない。そこいらの兵が吹き飛ぶだけだ。
「お前そこそこ強いな」

「そこそこかよ」
舌打ちをする。青年は構え、そして次の剣撃へ。
流れるようなその刃は、その切っ先は。届かない、少年にはやはり届かない。
すんでのところでかわされ、受けられ、流される。
しかも自分だけではない。同時に攻撃してきた兵士の攻撃も、だ。
「面倒くせェ……」
悪態をつきながら青年は構えた。次の一撃へ、また次の一撃へ。

彼らが通った路には、横たわる兵士がいた。

◇お借りしました
"獣刃"ハンザレイ　illust/72965476

◇
暴れるガキ　illust/72989605

◇こちらの流れをお借りしますた
illust/72989605