【ポケフロ0】墜ちる【汝、捨てる事なかれ。】

商人を運び終えた
あそこは捨てられ船の船底だ
確実にカミサマにオソナエ出来る絶好の祭壇

あの商人は沢山のアイテムを持ってるだろう
アタシの「さしおさえ」は利いている
大事な大事なイケニエ様だが
腕の一本や二本砕いた所で
お咎めを受ける事はないだろう

どんな金品を持っているんだろうか
島外の宝物・古代遺跡の遺品・金貨もいいねえ
今回もカミサマのホドコシを受けられる
そんな事を思うと笑いが止まらない

・・・

上層の方からいくつかの気配を感じる
長年の勘が冴える

「イケニエさまがまだこんなに残ってたのかい
　これはさぞ神様も、お喜びになるだろうね」

上層に上がってみれば、見慣れない
活きの良さそうな若いポケモンが数匹
世にいう「ボウケン者」という輩だろう
金目のものは持っていなさそうだが
若いエネルギーは、神様の上質な糧だ

「チヤ、チャオ！新しいイケニエを連れてきたよ！」
そう、顔にペイントをつけたフシギソウがニヘラと笑う
後ろの数匹の顔が一瞬引きつった様に見える
原住民になりすましているつもりなのだろう

「おやそうかい、ご苦労だったねえ」
ニンマリと笑って見せる

さっきのいくぶん歳のいったフタチマルより
こいつらは若い分、体力を削らずに祭壇へ
連れていくのがいいだろう
上手く誘導して　群れごと拘束すればいい

「さあ、ついてくるんだ…」

そう言い終わらないうちに
轟音と共に雷鳴が轟いた

視覚と聴覚が一瞬麻痺してしまいそうになる
直後に突き上げる様な強い揺れ、そして
木の焼けこげる様な匂い

揺れが収まったかと思えば。

「オレと遊ばない？」

強度を増した尻尾を意気揚々と叩きつけ舐めた事を口走る
被り物をした一匹のピカチュウが目に入る

「ハッ…失礼なガキだね。」

と呟くと同時に。

パシ…パキパキ……ミシッ

身体が宙に浮く感覚
次々と目に入る砕けた瓦礫
次に全身の痛み

重力に従い、イケニエ共と
随分と下に落ちてしまったようだ

イケニエの祭壇まで

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■こちら【illust/73375909】と【illust/73436917】の展開から【illust/73381477】の影響で脆くなった床が崩れ、周囲にいたみなさんごと
　捨てられ船最下層まで落ちた先は、八郎が連れていかれた最下層でした。

※パラレル発生しておりますすみません！
　ババ様と八郎を下層に残して頂ければご都合の良い感じに調整して頂いて構いません。
二章終了間近、まとめに入っておりますので、こちらからババ様のバトル展開は続かない予定です。

よろしくお願いいたします。

■イラストにお借りしました
　レミちゃん【illust/72236218】
　レトさん【illust/72241039】

エンカウントが来るとは思わなかったよ！！
ババ様【illust/73368152】
八郎本体疑惑【illust/72246966】