【PFLS】樹海の国の竜達と山の女王【黎明の戦い】

すっかり赤のまだらになってしまった霧の白竜は四面楚歌であった鉱山の戦いからなんとか撤退し、高空を飛行していた。
「彼の赤き者の喉食いちぎらざりけるは、げに口惜しき。」
「剰え、若大将。助け給うたは恩に賜りしも、今一度ばかり此の牙にかけらずはいみじいぶせし也。」

苛立ちに牙を見せながら戦場を見下ろすと見知った影が舞っていた。
紫と翡翠色の光。どちらも黒竜だが、大きく性格が違う面白い2頭だ。
小さし者共の戦火に誘い出されたのだろうか。
霧の竜が2つの影に呼び声を発しようとした時だった。
見知った影の対峙する先に見えた白い光。

畏怖が霧の竜の全身を走った。
目にしたのは初めてだが、間違いない。あれは火の国の山の女王だ。

彼らと共に戦わなくては。
傷と恐怖は獰猛さを引き出す。
全身が沸いたようになり、霧の竜は血を散らし咆哮を轟かせると
眷属の竜を雷で薙ぎ払いながら山の女王に向かって急降下して行った。

山の女王は打ち込まれた雷を一瞥すると、頭上から飛び込んで来た血まだらの無謀な竜に光の吐息を浴びせた。

霧の竜の翼は光の中で簡単に砕け、目は光を失った。

「えっ?!ちょっ。。あいつ何やってんのよ！!」

「行くな！」
翼を打ち下ろした翡翠竜に紫の光の竜は一声吠える。
「あれはもう死ぬ。今は奴に隙を与えるな。」

焼け焦げた竜の体は眼下の戦場へ落ちていき、程なく低い轟音と土煙が上がった。

「強者だけが生き残る。あれも良く解っていた事。」
「見ろ。あれが命と引き換えに開いた道を無駄にするな。」

山の女王を取り巻く眷属で退路を断たれていた空に、霧の竜がなぎ払った穴が空いていた。

illust/73683418
illust/73644634
に続いてお邪魔してみました。

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ファリア様つよい。
キャプションで頑張って長く書いて少々強引なのは、漫画にする予定だったものを一枚絵にしたためです。

霧の竜はギリ生きてるようにしようかなとは今のところ思っていますが、未定なので展開ぼちぼち考えておきます。
欲が出て変化が欲しくなりました。これからどうしようか楽しく考えてます。

大ピンチイルゼーヴァスさんillust/73683418の退路確保出来たら嬉しいです。
書き手の欲でお二方を知り合いにしてしまいましたし、いきなり入って来て勝手に目の前で散ってインド人もびっくりするほどのウザ絡みの後悔も凄くあるので、かなりパラレルでお願いします。。ごめんなさい。
戦いがかっこよくて一緒に居るところ描きたかったファンアート。。

黒翠竜クリュソプラソスillust/73187075
竜喰いのイルゼーヴァスillust/73026254