夜桜吹雪~君、死にたもう事なかれ~《後編》
白龍『…この桜はな、人間界の桜とは違う《特徴》があるんだ』
ステラ『特徴?』
白龍『あぁ、この桜はな…一度、花を咲かせると《1年》花を枯らす事なく咲き続けるんだ』
ステラ『1年も?凄いね💦』
白龍『それだけじゃ無いぞ?更に凄いのは季節によって花の色が変わる事だ』
ステラ『凄い❗何色になるの?』
白龍『《春》は桃色、《夏》は緑、《秋》は赤、《冬》は白…そして来年の今頃になると散ってしまう…次に花を咲かせるのはその翌年になる』
ステラ『…不思議だね』
白龍『…そうだな』
ステラ『…それで?この桜の伝説って、どんなお話なの?』
白龍『…』
ステラ『…御主人?』
白龍『…あ、あぁ…すまん…では話すとしよう…この桜にまつわる悲しい恋の伝説を』
ーーーーー
白龍『かつて、この場所でお互いの将来を誓いあった一組の男女がいた…その男女は毎月、満月の輝く夜、この場所で愛を深めていたという』
ステラ『夜のデートかぁ…なんかロマンチックだね…でも、なんで1ヶ月に1回しか会えなかったの?』
白龍『その理由は…女の両親にあったんだ…女の両親は2人の関係をよくは思っていなかったらしい…だから、女の両親が家を離れる満月の夜にしか会う事ができなかったんだ』
ステラ『…悲しいね…お互い《好き同士》なのに…パパとママに反対されちゃうなんて…でも、どうして反対だったの?』
白龍『一言で言えば《身分の違い》だな…女は由緒正しい貴族の家系…一方の男は貧しい平民の産まれ…女の両親にしてみれば、貴族の家系に平民が入りこむのは耐え難い事だったんだろうな』
ステラ『…お互い好き同士なら身分の違いなんて、どうでもいいのにね…それで、2人はどうなっちゃったの?幸せになれたんだよね?💦』
白龍『…』
ステラ『…御主人?』
白龍『…身分や種族の違いというのは時に大きな《障害》になるんだ…愛があれば乗りきれるなんて言うのは…ただの幻想に過ぎない』
ステラ『…そんな…じゃあ2人は結ばれ無かった…って事?』
白龍『…その通りだ…2人は結ばれる事は無かった…ある日、いつもの様にこの場所で愛を深めていた2人の元に、娘の行動に不信を抱いて後をつけていた父親が現れた…』
ステラ『…隠れて会ってたのがバレちゃったんだね』
白龍『…あぁ、娘の父親は逆上…その場で男を撃ち殺してしまったんだ』
ステラ『❗』
白龍『…男は即死だった…男を失った女はショックのあまりその場で父親の銃を奪い自殺してしまったという』
ステラ『…そんな…2人とも…死んじゃうなんて…』
白龍『先程も言った通り、身分や種族の違いは時に大きな《障害》になる…決して乗りきれる物では無い…』
ステラ『…でも…やっぱり悲しいよ…身分の違いだけで結ばれ無いなんて…』
白龍『…これが《現実》という物だ』
ステラ『…でも、きっと2人は天国で幸せになれた筈だよね?』
白龍『…天国か…フフッ、もしそんな場所があるとすれば…私はそこへは行けないな…私が行きつくのは恐らく…地獄だ』
ステラ『…そんな事無い❗…御主人だって行けるよ❗…だから…そんな悲しい事…言っちゃ嫌だ…オイラはッ❗御主人のいい所…いっぱいいっぱい知ってるもんッ❗』
白龍『…ステラ、ありがとう…そんなオマエに一つ頼みがあるんだ』
ステラ『…頼み?』
白龍『…もし、私が《何か》の理由で命を落とす事があったら…その時は…私の亡骸はこの桜の下に埋めてくれないか?』
ステラ『…え?』
白龍『…そうすれば、私はこの桜になって…いつでもオマエを見守る事が出来るからな』
ステラ『…』
白龍『…頼めるか?ステラ』
ステラ『…』
白龍『…オマエにしか頼め無いんだ』
ステラ『…オイラは…御主人の《お願い》に今すぐ返事はできないよ』
白龍『…そうか』
ステラ『…』
ーーーーー
ステラ『…でも、この桜はホント凄いね…色んな《出逢い》を…ずっと昔から見て来たんだだね』
白龍『…そうだな、この場所にこの桜が無ければ私達は出逢う事は無かっただろうな』
ステラ『…この桜のお蔭だね✨』
白龍『…まぁ、ワンタはこの場所が私達が初めて会った場所だなんて事は覚えてはいないだろうがな』
ステラ『…そんな事無いよ…きっと覚えてるよ』
白龍『もしそうなら…あの時、根元から死体を掘り返そう等…言う筈が無いだろう?』
ステラ『うぅっ💦きっと、あれは冗談だったんだよ💦きっと…そうだよ💦』
白龍『…だといいがな…さぁ、夜風は身体に毒だ…そろそろ帰るとしよう』
ステラ『…うん…あれ?御主人…見て❗』
白龍『…これは一体?桜が…輝いている…こんな現象は初めて見る』
ステラ『…きっと、オイラ達の事…桜の妖精さんも応援してくれてるんだよ🎵』
白龍『…』
ステラ『桜の妖精さんが味方してくれてるなら…オイラ達きっと幸せになれるね…じゃあ、帰ろっか🎵』
白龍『…あぁ』
ーーーーー
ワンタ
『…バーカ、忘れる筈ねぇじゃねぇか』
『珍しく眠れねぇから…散歩に来てみたら…アイツらまで来るんだもんな…なんか慌てて隠れちまったけど💦』
『…ハク、オマエには悪ィけど…オマエの願いは一生、叶わないぞ…オマエの事は、何があっても俺が守るからな』
『…よっと❗さ、俺も帰るか…あんま遅くなるとモカが心配するからな』
ーendー
ステラ『特徴?』
白龍『あぁ、この桜はな…一度、花を咲かせると《1年》花を枯らす事なく咲き続けるんだ』
ステラ『1年も?凄いね💦』
白龍『それだけじゃ無いぞ?更に凄いのは季節によって花の色が変わる事だ』
ステラ『凄い❗何色になるの?』
白龍『《春》は桃色、《夏》は緑、《秋》は赤、《冬》は白…そして来年の今頃になると散ってしまう…次に花を咲かせるのはその翌年になる』
ステラ『…不思議だね』
白龍『…そうだな』
ステラ『…それで?この桜の伝説って、どんなお話なの?』
白龍『…』
ステラ『…御主人?』
白龍『…あ、あぁ…すまん…では話すとしよう…この桜にまつわる悲しい恋の伝説を』
ーーーーー
白龍『かつて、この場所でお互いの将来を誓いあった一組の男女がいた…その男女は毎月、満月の輝く夜、この場所で愛を深めていたという』
ステラ『夜のデートかぁ…なんかロマンチックだね…でも、なんで1ヶ月に1回しか会えなかったの?』
白龍『その理由は…女の両親にあったんだ…女の両親は2人の関係をよくは思っていなかったらしい…だから、女の両親が家を離れる満月の夜にしか会う事ができなかったんだ』
ステラ『…悲しいね…お互い《好き同士》なのに…パパとママに反対されちゃうなんて…でも、どうして反対だったの?』
白龍『一言で言えば《身分の違い》だな…女は由緒正しい貴族の家系…一方の男は貧しい平民の産まれ…女の両親にしてみれば、貴族の家系に平民が入りこむのは耐え難い事だったんだろうな』
ステラ『…お互い好き同士なら身分の違いなんて、どうでもいいのにね…それで、2人はどうなっちゃったの?幸せになれたんだよね?💦』
白龍『…』
ステラ『…御主人?』
白龍『…身分や種族の違いというのは時に大きな《障害》になるんだ…愛があれば乗りきれるなんて言うのは…ただの幻想に過ぎない』
ステラ『…そんな…じゃあ2人は結ばれ無かった…って事?』
白龍『…その通りだ…2人は結ばれる事は無かった…ある日、いつもの様にこの場所で愛を深めていた2人の元に、娘の行動に不信を抱いて後をつけていた父親が現れた…』
ステラ『…隠れて会ってたのがバレちゃったんだね』
白龍『…あぁ、娘の父親は逆上…その場で男を撃ち殺してしまったんだ』
ステラ『❗』
白龍『…男は即死だった…男を失った女はショックのあまりその場で父親の銃を奪い自殺してしまったという』
ステラ『…そんな…2人とも…死んじゃうなんて…』
白龍『先程も言った通り、身分や種族の違いは時に大きな《障害》になる…決して乗りきれる物では無い…』
ステラ『…でも…やっぱり悲しいよ…身分の違いだけで結ばれ無いなんて…』
白龍『…これが《現実》という物だ』
ステラ『…でも、きっと2人は天国で幸せになれた筈だよね?』
白龍『…天国か…フフッ、もしそんな場所があるとすれば…私はそこへは行けないな…私が行きつくのは恐らく…地獄だ』
ステラ『…そんな事無い❗…御主人だって行けるよ❗…だから…そんな悲しい事…言っちゃ嫌だ…オイラはッ❗御主人のいい所…いっぱいいっぱい知ってるもんッ❗』
白龍『…ステラ、ありがとう…そんなオマエに一つ頼みがあるんだ』
ステラ『…頼み?』
白龍『…もし、私が《何か》の理由で命を落とす事があったら…その時は…私の亡骸はこの桜の下に埋めてくれないか?』
ステラ『…え?』
白龍『…そうすれば、私はこの桜になって…いつでもオマエを見守る事が出来るからな』
ステラ『…』
白龍『…頼めるか?ステラ』
ステラ『…』
白龍『…オマエにしか頼め無いんだ』
ステラ『…オイラは…御主人の《お願い》に今すぐ返事はできないよ』
白龍『…そうか』
ステラ『…』
ーーーーー
ステラ『…でも、この桜はホント凄いね…色んな《出逢い》を…ずっと昔から見て来たんだだね』
白龍『…そうだな、この場所にこの桜が無ければ私達は出逢う事は無かっただろうな』
ステラ『…この桜のお蔭だね✨』
白龍『…まぁ、ワンタはこの場所が私達が初めて会った場所だなんて事は覚えてはいないだろうがな』
ステラ『…そんな事無いよ…きっと覚えてるよ』
白龍『もしそうなら…あの時、根元から死体を掘り返そう等…言う筈が無いだろう?』
ステラ『うぅっ💦きっと、あれは冗談だったんだよ💦きっと…そうだよ💦』
白龍『…だといいがな…さぁ、夜風は身体に毒だ…そろそろ帰るとしよう』
ステラ『…うん…あれ?御主人…見て❗』
白龍『…これは一体?桜が…輝いている…こんな現象は初めて見る』
ステラ『…きっと、オイラ達の事…桜の妖精さんも応援してくれてるんだよ🎵』
白龍『…』
ステラ『桜の妖精さんが味方してくれてるなら…オイラ達きっと幸せになれるね…じゃあ、帰ろっか🎵』
白龍『…あぁ』
ーーーーー
ワンタ
『…バーカ、忘れる筈ねぇじゃねぇか』
『珍しく眠れねぇから…散歩に来てみたら…アイツらまで来るんだもんな…なんか慌てて隠れちまったけど💦』
『…ハク、オマエには悪ィけど…オマエの願いは一生、叶わないぞ…オマエの事は、何があっても俺が守るからな』
『…よっと❗さ、俺も帰るか…あんま遅くなるとモカが心配するからな』
ーendー
6
7
337
2019-05-17 05:03
Comments (2)
宿命すら変えんとする最強、いいですね……花の命はなくなるのではありません……いいえ、命は無くなるのではなく、巡る物、巡り巡って。 ……こんな素敵なめぐり逢いなら、私も安心です……(微笑し、いつの間にか消えている
View Replies