【ポケフロ0】約定【4章インターバル】
ギルドの通路を歩く後ろ姿を見つけ、アルドは声を掛けた。
「ヴィザ」
「あん?」
その声に渋った様子振り返ったヴィザはアルドの姿を見て表情を少し軟化させる。
ギルドなのだから特に気を張る必要はないだろうに、と思ったことは口に出さず、前置きを省いて要件を口にする。
「お前リーダーといたんだろ。最後あのバケモンに何してたんだ?」
気になってな、と付け加える。
ヴィザは少しの間観察するような視線を向けてきたがそれはすぐに止む。ひょっとしたら、さっきの妙な警戒もリーダーのせいだろうか?
歩き回っている重病人はちょっかいをかけてもまあまあ平気な程に気力は回復していたようだった。その代わりもしかしたら周りにいるメンバーの方に問題が生まれているのだろうか。
「ああ、何か呟いたと思ったら《ボルテッカー》で突撃してったアレか。ケヒ、あれは驚いたぜ」
そう言って軽い笑みを浮かべる。さっきまで割と真剣に考えていたのが無駄なように感じて少しイラッとする。
もちろん顔には出さない。
むしろ返ってきた答えに苦い顔になってしまう。
「反動のある大技を……なあ」
自身にも身に覚えがある。
どっかのボウケン者ギルドの連中と対峙したとき、後先考えずに特攻した記憶がまざまざと蘇る。
あの時はちびっ子のイファもいたはずだ。今にして思えば、幾ら嫌悪する《正義》が表れようとも、もう少し冷静になれば幾らでも対処法があったろうに。
(よっぽど耐えかねたらしいな。聞いてはないし何とは分からんが)
あの時の自分と同じではないだろうが、あのリーダーにもそういう一面があるのだなと再認識する。
ちゃんと中身を持った、ちゃんとした生き物であると。
空元気で動いているとしても、リーダーは前を向くと決めたのだろう。
自分とは、違って。
「…………」
一瞬の沈黙が流れる。
「ヴィザ」
「あん?」
今度は真っ直ぐに目を見て話しかければ、面倒臭そうにこちらの目を見返してきた。
それに少し、安心する。
「……お前は、俺の飲み仲間だ」
「ケケ、そりゃあ光栄で」
ヴィザはからからと笑う。
「……ダチを裏切る真似はしたくねぇ」
「で?」
「……」
そこまで言って言葉に詰まる。
今までこういう事は言ったことがなくて、どう形容すべきかはっきりしない。
喉の、そこまで出掛かった言葉は音にならずに、やがてアルドは代わりにため息を零した。
「……出てくる。今度奢る」
「……そんな言葉が言いたかったのか?オマエ」
にやっと笑うヴィザに軽く睨みを利かせる。その態度に益々ケラケラと笑いを零してくる。
───ああ、やっぱり難しい。《信頼》なんて、言語化するのは無理じゃないか。
苦虫を噛み潰したような感情を奥に押しやって、アルドは自分をからかう初めての友と軽く拳を突き合わせるのだった。
(誰かの為に何かを、なんて。他人のことを気にするなんて、甘いこと考えるようになっちまうなんて。ずっと嫌ってたはずなのに)
(これじゃあ、まるで──正義の味方みたいじゃないか)
◆───
ギリギリインターバル過ぎてました!orz
アルドにとってヴィザさんの立ち位置がよりはっきりして、明確に《友》と思うようになりました(一方的なものなので断ってもらっても構いません!)ヴィザさんこれからもよろしくお願いします!!
会話の内容にこちら 敗走【illust/74716366】 の流れを汲んでおります。
4章お疲れ様でした!5章も頑張りましょう!
何かありましたらご連絡ください。
◆───
お借りしました!
ヴィザさん【illust/72236214】
アルド【illust/72234525】
「ヴィザ」
「あん?」
その声に渋った様子振り返ったヴィザはアルドの姿を見て表情を少し軟化させる。
ギルドなのだから特に気を張る必要はないだろうに、と思ったことは口に出さず、前置きを省いて要件を口にする。
「お前リーダーといたんだろ。最後あのバケモンに何してたんだ?」
気になってな、と付け加える。
ヴィザは少しの間観察するような視線を向けてきたがそれはすぐに止む。ひょっとしたら、さっきの妙な警戒もリーダーのせいだろうか?
歩き回っている重病人はちょっかいをかけてもまあまあ平気な程に気力は回復していたようだった。その代わりもしかしたら周りにいるメンバーの方に問題が生まれているのだろうか。
「ああ、何か呟いたと思ったら《ボルテッカー》で突撃してったアレか。ケヒ、あれは驚いたぜ」
そう言って軽い笑みを浮かべる。さっきまで割と真剣に考えていたのが無駄なように感じて少しイラッとする。
もちろん顔には出さない。
むしろ返ってきた答えに苦い顔になってしまう。
「反動のある大技を……なあ」
自身にも身に覚えがある。
どっかのボウケン者ギルドの連中と対峙したとき、後先考えずに特攻した記憶がまざまざと蘇る。
あの時はちびっ子のイファもいたはずだ。今にして思えば、幾ら嫌悪する《正義》が表れようとも、もう少し冷静になれば幾らでも対処法があったろうに。
(よっぽど耐えかねたらしいな。聞いてはないし何とは分からんが)
あの時の自分と同じではないだろうが、あのリーダーにもそういう一面があるのだなと再認識する。
ちゃんと中身を持った、ちゃんとした生き物であると。
空元気で動いているとしても、リーダーは前を向くと決めたのだろう。
自分とは、違って。
「…………」
一瞬の沈黙が流れる。
「ヴィザ」
「あん?」
今度は真っ直ぐに目を見て話しかければ、面倒臭そうにこちらの目を見返してきた。
それに少し、安心する。
「……お前は、俺の飲み仲間だ」
「ケケ、そりゃあ光栄で」
ヴィザはからからと笑う。
「……ダチを裏切る真似はしたくねぇ」
「で?」
「……」
そこまで言って言葉に詰まる。
今までこういう事は言ったことがなくて、どう形容すべきかはっきりしない。
喉の、そこまで出掛かった言葉は音にならずに、やがてアルドは代わりにため息を零した。
「……出てくる。今度奢る」
「……そんな言葉が言いたかったのか?オマエ」
にやっと笑うヴィザに軽く睨みを利かせる。その態度に益々ケラケラと笑いを零してくる。
───ああ、やっぱり難しい。《信頼》なんて、言語化するのは無理じゃないか。
苦虫を噛み潰したような感情を奥に押しやって、アルドは自分をからかう初めての友と軽く拳を突き合わせるのだった。
(誰かの為に何かを、なんて。他人のことを気にするなんて、甘いこと考えるようになっちまうなんて。ずっと嫌ってたはずなのに)
(これじゃあ、まるで──正義の味方みたいじゃないか)
◆───
ギリギリインターバル過ぎてました!orz
アルドにとってヴィザさんの立ち位置がよりはっきりして、明確に《友》と思うようになりました(一方的なものなので断ってもらっても構いません!)ヴィザさんこれからもよろしくお願いします!!
会話の内容にこちら 敗走【illust/74716366】 の流れを汲んでおります。
4章お疲れ様でした!5章も頑張りましょう!
何かありましたらご連絡ください。
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お借りしました!
ヴィザさん【illust/72236214】
アルド【illust/72234525】
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2019-05-25 23:59
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