【KMB円環】アッシュ・ユニヴェール【IF】
※BL企画の作品です。
こちらの素敵な企画【illust/67504030】へIF世代の投稿です。
警務省【illust/68999704】所属です。※ロゴお借りしました
▽アッシュ・ユニヴェール/月の種族/26歳/中等騎士(警務省所属)
紳士的な対応から周りに好感を持たれやすいが、毎日どんなことがあっても欠かさない゛ティータイム゛のマイペースさがネックになっている砂魚族の青年。
父に似て大抵の事は要領良く出来る。悪く言えば器用貧乏で末弟のフォローの兼ね合いで貧乏くじを引いている事が多いかもしれない。゛夢遊゛と本人が呼んでいる現象の関係もあって頭の回転は早くオペレートは得意。
父が使っていた言語(イタリア語)の他に末弟、騎士の父方の親族が使用する言語(中国語)を話す事が出来る。現在は更にもう一つの言語を取得しようと勉強中(フランス語)。
【夢遊】
前触れもなく急に夢と現実の境目が曖昧となり、近々の自身と周りのに降りかかる危険を自身が夢の中で体験する現象の事。危険予知や予知夢に近い。本人気にしていないというが幼い頃から発症してからと言う者ずっと心の底ではいつ見るか解らない事に対して不安に駆られている
・ムースクス:ティア
父の個体・ティマから分裂し人に囲まれ育った人に近い個体。おしゃれと出がらしが大好き。ティータイムのセッティングはお手の物。
とても賢く、アッシュが使用する水晶の伝達が出来ない場合には自身で文字を書くことが可能。
本人にもその気はなく、人に紛れて過ごしている為、父達の群れから嫌われていると思っていたがリーダーを引き継ぐはずの末弟の個体が個体の為、なんだかんだ代行を頼まれることが多く自分でいいのかなぁ…と思っているのが本音。跡目継ぎは特に気にしていないし、アッシュとのティータイムが好きでこのまま続けばいいなと思っている。
※砂魚族の特徴についてはルーチェ様【illust/69248473】を参照
▽家族
親:ラーヴル【illust/69567222】(ラヴィ父さん)
産みの親:タオ様【illust/69512350】(タオ父さん)
「俺もラヴィ父さんみたいにずっと家でティータイムしてたいよ…。
え?いつ??ほんとに仕事してるの…?(何の仕事だ?)」
「はいはいはい、痴話喧嘩しないしない。ラヴィ父さんはタオ父さんからかってるだけなんだから、落ち着いて落ち着いて。ん??いやだって仲直りにはティータイムは必要でしょ??」
次男:ジーヴル様【illust/70805857】
「Merci beaucoup(どうもありがとう)。う~んこの芳醇な香り…癖になりそうだよ、ジーヴル。
それはそうと紅茶風味のお酒とかできたりとか…しない?そう…そうか…」
「タガが全然落ち着いてくれないんだ…兄ちゃんはみんなのいるオルノかラハタガで働きたいよ」
末弟:タガ【illust/75035769】
「全く…お前はどうしてこうも突っ走るかな」
「弟弟、适可而止吧(タガ、いい加減にしろ)」
何かございましたらご連絡ください。
父親から引き継いだ日記がある。
木が表紙のそれは一見すると本みたいに分厚い。
浜辺に打ち上げられていたこの本を拾ったのは曾祖父だ。木が表紙だというのに水に濡れた形跡もなく劣化もしないまるで゛魔法の本゛のような存在に興味を持つのは仕方のない話であるだろう。
本ではなく日記だと曾祖父が気付いたのは書かれた文字を理解したからだ。はじめは薬の調合らしき図式や走り書きだった。黒しかない淡々とした文章にまず吹き込まれたのは赤だ。医師の道一筋だった男の前に現れ一緒に暮らしていく。
この世界と似ていてまるで違うその日記に惹かれ歴史に興味を持つのは時間の問題だった。
赤がどんどん混じり合っていく。暖かいその色は祖父にも心地よい夢を見せてくれた。
そのお礼にと日記の続きを書き込もうとした。
が、その筆は止まった。
日記の主の行く末が、見えてしまったからだ。
祖父が見ようとしなかったその先をいたずらに読み進めた。見るなと言われてしまえば見たくなるのが子供の好奇心と言うものだ。恐れるものはない。苦い味はするかもしれないが、見えてしまったら食べて忘れてしまおうと。
筆跡が変わっていたのはすぐに気づいた。それが日記の主が書けなくなったこと、引き継いで書き始めたのが義理の息子だという事に気づいたのは怪盗業を始める頃。
新たに加わった紅は色どりだけではなく義理の息子へ苦みも与えていく。
その苦みが嫌に自分へと重なって、これ以上読むのは悪いかと本を閉じる。
何かの手掛かりが欲しかった。
何か解決策が欲しかった。
藁にでも縋るような気持ちで父から軽々しく渡された日記を読み進める。この先は読んでも楽しくねぇぞと言われたページ。楽しかろうが悲しかろうが何でもいい。
この゛夢遊゛を。俺が取り込まれてしまう前に。
それはある青年の葛藤の記録だった。
過去の病気に、己の想いに飲み込まれないようにと。
自分と同じく孤独に向き合う青年。
だが孤独が彼を救ったのではない。
青年を救ったのは他ならない、彼が向き直るべき相手だった。
閉ざしかけていた青色に紅が色づいてやがて訪れるのは暖かな光。
頬を伝う涙が滑り落ちた先に、続きはもうなかった。
代わりに綴られた彼らの家族の写真が自分の背中を推していた。
怖がる事はもうない。
本を閉じて゛現実゛へと歩き出した。
こちらの素敵な企画【illust/67504030】へIF世代の投稿です。
警務省【illust/68999704】所属です。※ロゴお借りしました
▽アッシュ・ユニヴェール/月の種族/26歳/中等騎士(警務省所属)
紳士的な対応から周りに好感を持たれやすいが、毎日どんなことがあっても欠かさない゛ティータイム゛のマイペースさがネックになっている砂魚族の青年。
父に似て大抵の事は要領良く出来る。悪く言えば器用貧乏で末弟のフォローの兼ね合いで貧乏くじを引いている事が多いかもしれない。゛夢遊゛と本人が呼んでいる現象の関係もあって頭の回転は早くオペレートは得意。
父が使っていた言語(イタリア語)の他に末弟、騎士の父方の親族が使用する言語(中国語)を話す事が出来る。現在は更にもう一つの言語を取得しようと勉強中(フランス語)。
【夢遊】
前触れもなく急に夢と現実の境目が曖昧となり、近々の自身と周りのに降りかかる危険を自身が夢の中で体験する現象の事。危険予知や予知夢に近い。本人気にしていないというが幼い頃から発症してからと言う者ずっと心の底ではいつ見るか解らない事に対して不安に駆られている
・ムースクス:ティア
父の個体・ティマから分裂し人に囲まれ育った人に近い個体。おしゃれと出がらしが大好き。ティータイムのセッティングはお手の物。
とても賢く、アッシュが使用する水晶の伝達が出来ない場合には自身で文字を書くことが可能。
本人にもその気はなく、人に紛れて過ごしている為、父達の群れから嫌われていると思っていたがリーダーを引き継ぐはずの末弟の個体が個体の為、なんだかんだ代行を頼まれることが多く自分でいいのかなぁ…と思っているのが本音。跡目継ぎは特に気にしていないし、アッシュとのティータイムが好きでこのまま続けばいいなと思っている。
※砂魚族の特徴についてはルーチェ様【illust/69248473】を参照
▽家族
親:ラーヴル【illust/69567222】(ラヴィ父さん)
産みの親:タオ様【illust/69512350】(タオ父さん)
「俺もラヴィ父さんみたいにずっと家でティータイムしてたいよ…。
え?いつ??ほんとに仕事してるの…?(何の仕事だ?)」
「はいはいはい、痴話喧嘩しないしない。ラヴィ父さんはタオ父さんからかってるだけなんだから、落ち着いて落ち着いて。ん??いやだって仲直りにはティータイムは必要でしょ??」
次男:ジーヴル様【illust/70805857】
「Merci beaucoup(どうもありがとう)。う~んこの芳醇な香り…癖になりそうだよ、ジーヴル。
それはそうと紅茶風味のお酒とかできたりとか…しない?そう…そうか…」
「タガが全然落ち着いてくれないんだ…兄ちゃんはみんなのいるオルノかラハタガで働きたいよ」
末弟:タガ【illust/75035769】
「全く…お前はどうしてこうも突っ走るかな」
「弟弟、适可而止吧(タガ、いい加減にしろ)」
何かございましたらご連絡ください。
父親から引き継いだ日記がある。
木が表紙のそれは一見すると本みたいに分厚い。
浜辺に打ち上げられていたこの本を拾ったのは曾祖父だ。木が表紙だというのに水に濡れた形跡もなく劣化もしないまるで゛魔法の本゛のような存在に興味を持つのは仕方のない話であるだろう。
本ではなく日記だと曾祖父が気付いたのは書かれた文字を理解したからだ。はじめは薬の調合らしき図式や走り書きだった。黒しかない淡々とした文章にまず吹き込まれたのは赤だ。医師の道一筋だった男の前に現れ一緒に暮らしていく。
この世界と似ていてまるで違うその日記に惹かれ歴史に興味を持つのは時間の問題だった。
赤がどんどん混じり合っていく。暖かいその色は祖父にも心地よい夢を見せてくれた。
そのお礼にと日記の続きを書き込もうとした。
が、その筆は止まった。
日記の主の行く末が、見えてしまったからだ。
祖父が見ようとしなかったその先をいたずらに読み進めた。見るなと言われてしまえば見たくなるのが子供の好奇心と言うものだ。恐れるものはない。苦い味はするかもしれないが、見えてしまったら食べて忘れてしまおうと。
筆跡が変わっていたのはすぐに気づいた。それが日記の主が書けなくなったこと、引き継いで書き始めたのが義理の息子だという事に気づいたのは怪盗業を始める頃。
新たに加わった紅は色どりだけではなく義理の息子へ苦みも与えていく。
その苦みが嫌に自分へと重なって、これ以上読むのは悪いかと本を閉じる。
何かの手掛かりが欲しかった。
何か解決策が欲しかった。
藁にでも縋るような気持ちで父から軽々しく渡された日記を読み進める。この先は読んでも楽しくねぇぞと言われたページ。楽しかろうが悲しかろうが何でもいい。
この゛夢遊゛を。俺が取り込まれてしまう前に。
それはある青年の葛藤の記録だった。
過去の病気に、己の想いに飲み込まれないようにと。
自分と同じく孤独に向き合う青年。
だが孤独が彼を救ったのではない。
青年を救ったのは他ならない、彼が向き直るべき相手だった。
閉ざしかけていた青色に紅が色づいてやがて訪れるのは暖かな光。
頬を伝う涙が滑り落ちた先に、続きはもうなかった。
代わりに綴られた彼らの家族の写真が自分の背中を推していた。
怖がる事はもうない。
本を閉じて゛現実゛へと歩き出した。
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2019-05-30 00:26
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