【幻ロボ２】　全にして一　【第二章】

「どうしてもどかぬか、ディアーロ」
「何と言おうとどかぬ！　お前のやっていることはただの殺戮、決して許されぬ行為だと何故分からない！」
「抜かせ、偽善者が！」
　ヴェスティーヌは怒りの声を上げた。
「ここは戦場だ！　戦場で動けなくなった者は死んだも同然、選択の余地など無いのだ！　それを哀れに思い手を伸ばすなど的になりに行くようなもの！　愚かにも程がある！　そんな腑抜けた精神で戦場に立つなど反吐が出る！　それならばいっそ己の覚悟のために戦ったと誇りを持って死ぬのが潔いものだ！！」
「そんな理屈を押し付けるな！」
「何が押し付けか！　見ろ！　このざまを！　重傷を負った者が集まった場所はただの狩場に成り果てているではないか！　誰も助からん！」
「そうだとしても、貴方の考えは間違っている！　今すぐ訂正するんだ！」
　スッと、ヴェスティーヌから怒りが消え、冷静になっていく。
「……どうやらお前とは分かり合えぬようだな」
「そうみたいだな」
「ならばお前を同門とは思わん。ここで死ぬがいい」
　持っていた槍を掲げた瞬間、怪しい光が放たれた。
「何だ、あの魔法は……？！」
「全にして一、一にして全。ここまで言えば分かるだろう？」
「っ！！！　まさか、原初の魔法か！？」
「そうだ、これだけの魔力を保有しているからこそ扱える。素でやろうとすれば私の肉体が先に蒸発するだろうな」
　魔力がタイタニアスの頭上に集まっていく。その量は一体の風景を歪ませる程濃いものだった。
「全属性と消滅を合わせた一撃を喰らうがいい」

「『エレメント・オブ・ゼロ』」

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「たちはだかるもの」【illust/75052259】の流れをお借りしました。

『エレメント・オブ・ゼロ』
：全属性の魔力を一点に集中させ、単純な消滅に近い破壊の一撃を放つ最高レベルの魔法。普通にやったらいくら丈夫な魔術師でも余波で重傷を負う。今回はタイタニアスが余波を受け止めるのでヴェスティーヌは無傷です。ちなみに連発は出来ない。

超強力な一撃となっていますが、かわしても受け切っても構いません。周囲に被害出すかもですが。

お借りしました。
（セリフだけですが）ディアーロ・アルディーロ【illust/74563783】
ハイデントゥームDC【illust/74576572】

自前
ヴェスティーヌ・コルネリオ・レキン【illust/74620715】/完全体【illust/74855313】
タイタニアス【illust/74855441】

何か問題がありましたらご一報下さい。