竜騎士の戦い

北方に位置する竜騎士クラレットさんの祖国。
夏は暖かく過ごし易いが、冬は極寒の凍土と化す大地。
騎士団から休暇を与えら、激しい修練の日々から解放されたクラレットさん。
貴族出身で無いにも関わらず、その人望と指揮能力、剣技を見込まれ既に騎士団大隊長の任にあるクラレットさん。
多忙な業務の間を縫って後進育成にも余念がない。
故郷に帰りゆっくりと体を休めようと騎竜の歩を進める。
後数刻で故郷に帰りつく。
逸る気持ちを押さえつつ、辺りの景色を見回していると、突然、激しい爆炎に曝される。
咄嗟に身をかわしつつ、騎竜を立て直す。
クラレット「これは、竜の炎」
炎の形態から即座に判断を下す。
炎が撃ち出されたのは上方。ならば、飛竜か！
そう判断し、上空を見上げるクラレットさん。
確かにそこには飛竜に騎乗した完全武装の女騎士がいた。
クラレット「何者なの！貴女は？」
女騎士「私の名はゲルト・フォン・ベルシュタット。偉大なる我が主グネウス公爵の大望の妨げになる者を排除する抜き身の刃！」
クラレット「グネウス公？確かロマニア半島最大の都市国家の前最高執政官」
ゲルト「そう。そして、今はこの腐敗した人の世を善き世界へと導く為、一度全てを破壊し尽くす為に奮闘しておられる世界の改変者」
クラレット「正気なの？貴女もグネウス公も！確かに今世界は激しく乱れているわ。決して弱者に優しい世界じゃ無い。でも、そんな世の中でも日々一生懸命生きている人々がいる。それを上から目線で全て破壊しようだなんてマトモな考えじゃないわ！」
ゲルト「ふっ、北方の勇士と言えど所詮は平民か。閣下の深淵なるお心の内も解らぬとは」
クラレット「そんな傲慢な考えに共鳴する人なんか不平貴族や悪徳商人くらいよ！大地に根付き苦しみながらも日々を絶望せずに生きている人々の強さ、貴女に見せてあげるわ！」
ゲルト「もやは語る言葉も無い。ただ戦いあるのみ！」

全くタイプの異なる二体の竜に乗る騎士の戦いが始まる。

※今回は交流させて頂いている月光竜さんのウチのクラレットさんにご登場願いました。ありがとうございます！