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未成年喫煙防止ポスター

塾帰り。夜11時の公園でうちの学校の制服を着た女子がタバコを吸っているところを目撃してしまった。しかもよく見てみるとそれはうちのクラスの学級委員長だった。
僕の存在に気づいた彼女は悪びれる様子もなく「一本吸う?」と笑いながら話しかけてきた。
いつもクラスの窓際の席で誰ともしゃべらず小説を読んでいたイメージしかなかったため、そのギャップに僕はその場でたじろいでしまった。
話を聞いていると、どうやら家庭環境があまりよくないらしく、親が寝るまでこうして待っているんだそうだ。彼女は父親のタバコを一箱勝手に持って行ってはいつもこうして夜の公園でいつも吸っているらしい。
顔に影がある人と思っていたが、だからと言ってこんなことが許されるはずがない。
しかし僕は彼女が吸っていたタバコをもらってしまった。彼女とこの秘密を共有したいと思ってしまったからだ。
背徳感と不思議な感情が僕の心臓を震わせた。
「これで君も共犯だ」
彼女は不敵な笑みでそうささやいた。

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2019-09-04 06:00

 Richard


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