20190926発
「鏡など見た事がなかったので、自分がどんな姿なのか分かりませんでしたが…」と語る葵クローンが手を翳すと「あなたに私が話していると認識しやすいように、この姿で話をしましょう…」彼女に纏わり着く藍の視たクローンの姿を取り込み、一瞬でノースリーブワンピースの少女の髪が伸びる…「…それでも、不思議に思っていたんですよ…」その光景を眺めている藍に、構うことなく語り続けるクローン…彼女の話によると、記憶の中にある光景がやけに知識的で感情がない事…両親や友達の記憶はあるはずなのに、どんな顔や声だったか?何をされて、何を教わったか?「…鳳葵と言うあたしを形作っている記憶は、本当の鳳葵の記憶だったのか?」…気付くと、俯き加減に語っているクローン…「でも、あなたの話から推察する鳳葵は、あたしの考える彼女(あたし)と同じ…」…と、顔を上げ、「自分の命を使って、世界を変える者」力のない表情のまま前を…いや、藍を見据えた…ってカンジで…
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2019-09-26 22:32
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