白虎の過去
白龍『…ボス?💦』
●白虎『…俺はよ、白龍…今じゃ狼の群れのリーダー気取っちゃいるが…昔はそうじゃなかった』
白龍『…』
●白虎『…俺は…この世界に入るまでは…野生の狼じゃなく…人間と共に暮らす…ただの《犬っころ》だった』
白龍『…え?』
●白虎『…そう…これは今から《12年前》の話だ…当時の俺は、そもそも《白虎》なんて名じゃなかった…《軍用犬・ラピード》それが…その頃の俺の名だ』
白龍『…軍用…犬?』
●白虎『そうだ…その頃の俺は主を護る為ならどんな危険な任務だってこなす軍用犬…その頃の俺は自信に満ち溢れていた…俺なら…どんな任務だって遂行できる…だが一方では、たとえ任務で命を落としたとしても…それが本望…そうとさえ思っていた…俺は…この仕事に誇りを持っていた』
白龍『…』
●白虎『…その頃の俺にはな、人間の相棒がいたんだ…ソイツの名は《クリス》…騎士の見習いの男だ…だが見習いと言えど騎士としての腕は確かだった…奴は強かった…男の俺でさえ惚れちまう程にな』
白龍『…それが…何で今は?』
●白虎『…早ぇ話…俺は捨てられたのさ』
白龍『…え?』
●白虎『その日、俺とクリスはいつものように任務の為、戦場へ立ち向かった…だが…』
白龍『…一体、何があったんです?』
●白虎『…その日はな…不覚にも闘いの中で致命傷を負っちまってな…俺達は生死をさ迷っていた』
白龍『…助かったんですよね?2人共…』
●白虎『…』
白龍『…ボス?』
●白虎『…言ったろ?俺は《捨てられた》んだってな…致命傷を負った俺達を…使い物にならないと判断した国王は…俺達を…その場に置き去りにした…俺達は…使い捨てにされたんだッ!』
白龍『…そんな事って』
●白虎『…俺は…悔しくて悔しくて堪らなかった…だが…クリスは違った…アイツは…最後の最期まで国王への怨みの言葉なんて吐かなかった…それどころか幸せそうに笑みさえ浮かべていた…そうだ…アイツも騎士の仕事に誇りを持っていたんだ…俺はその時、そう気付いた』
白龍『…それで…その後、クリスは…どうなったんですか?…助かったんですよね?ボスみたいに』
●白虎『…』
白龍『…ボス?』
●白虎『…死んだよ…国に捨てられた…その日にな』
白龍『…死ん…だ?』
●白虎『…』
白龍『…そんな事…許せねぇ!…ボス達は…国の為に命懸けで闘ったのにッ!…そんなボス達を捨て駒みてぇにッ!』
●白虎『…残酷だが…それが現実なんだ…お荷物は処分する…俺達の代わりなんて…いくらでもいるからな』
白龍『…』
●白虎『…俺も…直ぐにでもアイツの元へ逝くつもりだった…だが…悪運の強い事に俺は生き延びちまった…俺は死ぬ事さえ許されなかったんだ』
白龍『…』
●白虎『…致命傷を負い生死をさ迷った俺の傷は再び目を覚ます頃には綺麗サッパリ塞がっていた…不思議な事もあったモンだ』
白龍『…』
●白虎『…その日以降、俺は人間から貰った名を捨て…《白虎》として、0から生きて行く事を誓った…国に捨てられ無念にも死んだ相棒の分まで生きていこうと…無様なモンだな…綺麗事言っちゃいるが…正直、俺自身死ぬのが怖かっただけなのかも知れねぇな…』
白龍『…』
●白虎『見損なったろ?…俺は…こんな弱ッちい奴なのさ…過去に縛られただけの…弱ッちい犬っころ…それが俺の本当の姿…』
白龍『…ボスは、弱くなんかねぇ!』
●白虎『…』
白龍『…俺は…アンタの事…尊敬してんだッ!アンタ…あん時、言ってくれたじゃねぇかッ!…大切なのは《今を生きる事》だって!…あん時、そう言ってくれたからこそ俺は…俺はッ!』
●白虎『…ありがとよ、白龍…そうだったな…それが、どんなに無様であろうが惨めであろうが…大切なのは…』
白龍『…』
●白虎『…この話は…誰にも話すつもりはなかった…俺の胸に秘め《墓場》まで持っていくつもりだった…』
白龍『…じゃあ、何で…話してくれたんですか?…俺みたいなガキに』
●白虎『…何故だか解らねぇが…何となくだがオマエには俺と同じ捨てられた者の持つ《闇》を感じたんだ…オマエを川原で拾った…あの日にな』
白龍『…』
●白虎『だが…悪かったな…やっぱオマエみたいな子供に…こんな話…するべきじゃなかったな』
白龍『…』
●白虎『…そんな顔するなって…おっ!そうだ…お詫びっちゃ何だがオマエにいいモン見せてやるよッ☆』
白龍『…いいモンって…何です?』
●白虎『フフフ、白龍…オマエ《飛ぶ斬撃》を見た事はあるか?』
白龍『…飛ぶ…斬撃?💦』
●白虎『《百聞は一見に如かず》…まぁ、見てなッ☆』
(ピカッー✨)
●白虎『うおらぁーー!』
(ズバッ!)
白龍『…大地が…真っ二つに裂けて…これが…』
●白虎『どうよ!…これぞ、飛ぶ斬撃ッ!…コイツはな、相棒のクリスが教えてくれた技なんだぜ☆』
白龍『…スゲー…スゲーよ✨カッケー!』
●白虎『…ようやく…笑ってくれたな、俺はな…オマエのその笑顔が何より愛しいんだ…俺は…その笑顔を護る為なら何だって出来る』
白龍『…///』
●白虎『…照れんな、照れてな☆がはははは♪』
白龍『…ボスッ!』
●白虎『おっ💦…何だ?急に💦』
白龍『…その技…俺にも出来るかな?』
●白虎『ん?』
白龍『…俺…どんな事だってするよッ!…だから、俺に剣術を教えてくれよッ!』
●白虎『がはははは♪…嬉しい事言ってくれんじゃねぇか☆』
白龍『…そ、それじゃあ』
●白虎『教えてやるのは構わない…だが1つ条件があるッ!』
白龍『…条件?』
●白虎『も一回、俺の事《パパ》って呼んでくれねぇか?』
白龍『なっ///』
●白虎『頼むよ…白龍ぅ~💕』
白龍『…嫌ですッ!言ったでしょ?あれは、あの時だけだって!』
●白虎『ちぇっ、わーったよッ!…言っておくが、俺の特訓は厳しいぞ?オマエに…ついて来れるか?』
白龍『…はいッ!』
●白虎『がはははは♪じゃあ、今日からオマエは俺の《一番弟子》だ!ビシビシ鍛えてやるからなッ!覚悟しとけッ!』
白龍『はいッ!お願いします!』
~~~~~
白龍『その日以降、私はボスから剣術を学ぶ事になったんだ…私の使う技はボスから学んだ剣術がルーツになっているんだぞ』
ステラ『…へぇ、やっぱり凄い人だったんだね♪白虎さんって』
白龍『…あぁ、ボスは強く…何よりも暖かかった…それは例えるなら…闇を照らす太陽のような…そんな偉大さ…今思えば…私はあの頃、もっと素直にボスに甘えるべきだったのかも知れないな…今となっては、もう…それも叶わないが…』
●白虎『…何だ?何だ?…それなら今からでも遅くはないぞ?がはははは♪』
白龍『ぼ…ボスッ?…何故、ボスがここに?💦』
ステラ『全然、気配を感じなかった💦』
●白虎『…』
白龍『…ボス?』
●白虎『…今日、こにへ来たのは…オマエに確かめたい事があったからだ…俺は直接、オマエの口から知りてぇんだ…《真実》って奴をな』
白龍『…確かめたい真実?』
●白虎『…』
~~~~~
太陽のような白虎の少し苦い過去
白虎の《確かめたい事》とは一体何なのか?
…それは、また次回のストーリーで☆
●白虎『…俺はよ、白龍…今じゃ狼の群れのリーダー気取っちゃいるが…昔はそうじゃなかった』
白龍『…』
●白虎『…俺は…この世界に入るまでは…野生の狼じゃなく…人間と共に暮らす…ただの《犬っころ》だった』
白龍『…え?』
●白虎『…そう…これは今から《12年前》の話だ…当時の俺は、そもそも《白虎》なんて名じゃなかった…《軍用犬・ラピード》それが…その頃の俺の名だ』
白龍『…軍用…犬?』
●白虎『そうだ…その頃の俺は主を護る為ならどんな危険な任務だってこなす軍用犬…その頃の俺は自信に満ち溢れていた…俺なら…どんな任務だって遂行できる…だが一方では、たとえ任務で命を落としたとしても…それが本望…そうとさえ思っていた…俺は…この仕事に誇りを持っていた』
白龍『…』
●白虎『…その頃の俺にはな、人間の相棒がいたんだ…ソイツの名は《クリス》…騎士の見習いの男だ…だが見習いと言えど騎士としての腕は確かだった…奴は強かった…男の俺でさえ惚れちまう程にな』
白龍『…それが…何で今は?』
●白虎『…早ぇ話…俺は捨てられたのさ』
白龍『…え?』
●白虎『その日、俺とクリスはいつものように任務の為、戦場へ立ち向かった…だが…』
白龍『…一体、何があったんです?』
●白虎『…その日はな…不覚にも闘いの中で致命傷を負っちまってな…俺達は生死をさ迷っていた』
白龍『…助かったんですよね?2人共…』
●白虎『…』
白龍『…ボス?』
●白虎『…言ったろ?俺は《捨てられた》んだってな…致命傷を負った俺達を…使い物にならないと判断した国王は…俺達を…その場に置き去りにした…俺達は…使い捨てにされたんだッ!』
白龍『…そんな事って』
●白虎『…俺は…悔しくて悔しくて堪らなかった…だが…クリスは違った…アイツは…最後の最期まで国王への怨みの言葉なんて吐かなかった…それどころか幸せそうに笑みさえ浮かべていた…そうだ…アイツも騎士の仕事に誇りを持っていたんだ…俺はその時、そう気付いた』
白龍『…それで…その後、クリスは…どうなったんですか?…助かったんですよね?ボスみたいに』
●白虎『…』
白龍『…ボス?』
●白虎『…死んだよ…国に捨てられた…その日にな』
白龍『…死ん…だ?』
●白虎『…』
白龍『…そんな事…許せねぇ!…ボス達は…国の為に命懸けで闘ったのにッ!…そんなボス達を捨て駒みてぇにッ!』
●白虎『…残酷だが…それが現実なんだ…お荷物は処分する…俺達の代わりなんて…いくらでもいるからな』
白龍『…』
●白虎『…俺も…直ぐにでもアイツの元へ逝くつもりだった…だが…悪運の強い事に俺は生き延びちまった…俺は死ぬ事さえ許されなかったんだ』
白龍『…』
●白虎『…致命傷を負い生死をさ迷った俺の傷は再び目を覚ます頃には綺麗サッパリ塞がっていた…不思議な事もあったモンだ』
白龍『…』
●白虎『…その日以降、俺は人間から貰った名を捨て…《白虎》として、0から生きて行く事を誓った…国に捨てられ無念にも死んだ相棒の分まで生きていこうと…無様なモンだな…綺麗事言っちゃいるが…正直、俺自身死ぬのが怖かっただけなのかも知れねぇな…』
白龍『…』
●白虎『見損なったろ?…俺は…こんな弱ッちい奴なのさ…過去に縛られただけの…弱ッちい犬っころ…それが俺の本当の姿…』
白龍『…ボスは、弱くなんかねぇ!』
●白虎『…』
白龍『…俺は…アンタの事…尊敬してんだッ!アンタ…あん時、言ってくれたじゃねぇかッ!…大切なのは《今を生きる事》だって!…あん時、そう言ってくれたからこそ俺は…俺はッ!』
●白虎『…ありがとよ、白龍…そうだったな…それが、どんなに無様であろうが惨めであろうが…大切なのは…』
白龍『…』
●白虎『…この話は…誰にも話すつもりはなかった…俺の胸に秘め《墓場》まで持っていくつもりだった…』
白龍『…じゃあ、何で…話してくれたんですか?…俺みたいなガキに』
●白虎『…何故だか解らねぇが…何となくだがオマエには俺と同じ捨てられた者の持つ《闇》を感じたんだ…オマエを川原で拾った…あの日にな』
白龍『…』
●白虎『だが…悪かったな…やっぱオマエみたいな子供に…こんな話…するべきじゃなかったな』
白龍『…』
●白虎『…そんな顔するなって…おっ!そうだ…お詫びっちゃ何だがオマエにいいモン見せてやるよッ☆』
白龍『…いいモンって…何です?』
●白虎『フフフ、白龍…オマエ《飛ぶ斬撃》を見た事はあるか?』
白龍『…飛ぶ…斬撃?💦』
●白虎『《百聞は一見に如かず》…まぁ、見てなッ☆』
(ピカッー✨)
●白虎『うおらぁーー!』
(ズバッ!)
白龍『…大地が…真っ二つに裂けて…これが…』
●白虎『どうよ!…これぞ、飛ぶ斬撃ッ!…コイツはな、相棒のクリスが教えてくれた技なんだぜ☆』
白龍『…スゲー…スゲーよ✨カッケー!』
●白虎『…ようやく…笑ってくれたな、俺はな…オマエのその笑顔が何より愛しいんだ…俺は…その笑顔を護る為なら何だって出来る』
白龍『…///』
●白虎『…照れんな、照れてな☆がはははは♪』
白龍『…ボスッ!』
●白虎『おっ💦…何だ?急に💦』
白龍『…その技…俺にも出来るかな?』
●白虎『ん?』
白龍『…俺…どんな事だってするよッ!…だから、俺に剣術を教えてくれよッ!』
●白虎『がはははは♪…嬉しい事言ってくれんじゃねぇか☆』
白龍『…そ、それじゃあ』
●白虎『教えてやるのは構わない…だが1つ条件があるッ!』
白龍『…条件?』
●白虎『も一回、俺の事《パパ》って呼んでくれねぇか?』
白龍『なっ///』
●白虎『頼むよ…白龍ぅ~💕』
白龍『…嫌ですッ!言ったでしょ?あれは、あの時だけだって!』
●白虎『ちぇっ、わーったよッ!…言っておくが、俺の特訓は厳しいぞ?オマエに…ついて来れるか?』
白龍『…はいッ!』
●白虎『がはははは♪じゃあ、今日からオマエは俺の《一番弟子》だ!ビシビシ鍛えてやるからなッ!覚悟しとけッ!』
白龍『はいッ!お願いします!』
~~~~~
白龍『その日以降、私はボスから剣術を学ぶ事になったんだ…私の使う技はボスから学んだ剣術がルーツになっているんだぞ』
ステラ『…へぇ、やっぱり凄い人だったんだね♪白虎さんって』
白龍『…あぁ、ボスは強く…何よりも暖かかった…それは例えるなら…闇を照らす太陽のような…そんな偉大さ…今思えば…私はあの頃、もっと素直にボスに甘えるべきだったのかも知れないな…今となっては、もう…それも叶わないが…』
●白虎『…何だ?何だ?…それなら今からでも遅くはないぞ?がはははは♪』
白龍『ぼ…ボスッ?…何故、ボスがここに?💦』
ステラ『全然、気配を感じなかった💦』
●白虎『…』
白龍『…ボス?』
●白虎『…今日、こにへ来たのは…オマエに確かめたい事があったからだ…俺は直接、オマエの口から知りてぇんだ…《真実》って奴をな』
白龍『…確かめたい真実?』
●白虎『…』
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太陽のような白虎の少し苦い過去
白虎の《確かめたい事》とは一体何なのか?
…それは、また次回のストーリーで☆
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2019-09-27 05:57
Comments (2)
白龍さんにとって太陽のような方……最初から太陽だった訳ではなく、地獄の底から這い上がってきた強さ、そして優しさを失わなかった芯の強さこそが 白虎さんを白虎さんたらしめたのでしょうね……死してなお太陽のように輝き、月の様に静かに見守る……素敵です(こくりと頷き微笑
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