【らくがき】首がない探偵キングダム

桜の花びらが舞う。
そしてそんな桜に似つかわしくないハンバーグとカレーが大好きな探偵、キングダム。
太りすぎである。

彼のトレードマークは整ったインペリアルの髭、そして肉で見えない首、
そう首が無いのである。はっきり言ってどうしたらこうなるのかという疑問はやめてほしい。

「今日のハンバーグも最高だ」
好物のハンバーグを食べながら窓の外を見る。
時刻は6時40分。朝からハンバーグもこの男ならお似合いだ。

首都から離れた第二の都市クラテス。
キングダムの住居兼職場があるこの街はIT産業が盛んでここ数年で急速に発展しており、
人口も年々増えている。
その街の一角に彼の住居兼職場が入る20階建てのビルがあった。
"私立探偵事務所キングダム"
と、ビル4階にデカく看板が掲げられその下にハンバーグとカレーのイラストが添えられていた。
実は、彼はこう見えてクラテスでは知らぬものはいない程有名で、腕も確かなのである。

時刻は7時30分。
- ビー -

ハンバーグを食べ終え、デザートのバニラアイスを口にしている時だった。
呼び鈴がなる。

食事の邪魔をされるのが好きではないキングダムは、明らかに不機嫌そうな顔をしつつも
アイスを冷蔵庫に入れ呼び鈴を押す主のところに向かう。

「まだ営業時間ではな・・・」

キングダムの前に1人女性が立っていた。
とても上品で気品のある上下紺のスーツを着た黒髪の美女であった。

「私ロアースコーポレーションで秘書をしておりますケリー・レターと申します」

キングダムの顎肉が揺れる。
事件の匂いがする。そう直観したキングダムは営業前だが女性を事務所に招き入れる。

キングダムは事件の匂いや手掛かりが近いと顎の肉が揺れるという・・・本人談だが。

「どうぞ」

主のイメージとはかけ離れたシンプルで飾り気がないが清楚さを感じる12畳ほどの応接室。
来客用ソファーに腰掛けるよう女性に促す。

「では・・・ご依頼内容をお聞かせ願えますか?」
「・・・はい、会社の社長室にこのようなものが・・・」

美女は小さなバッグから折りたたまれた紙切れを出し、目の前の机に広げる。

-チキン わさび キャベツ-

「・・・なにこれ」

顔を赤らめた美女は慌てて紙をくしゃくしゃにしカバンに入れる。
「こ、これは違います。失礼しました こちらになります」

-3日後 お前を殺してやる-

その紙には殺害予告のメッセージが書かれており、キングダムの顔は険しくなる。
実は今年に入り既に同様の殺害予告がこのクラテスで4件起こっており内3件死者が出ているが未だ
犯人はおろか、警察は容疑者すら絞れていないらしい。
共通してるのは被害者全員クラテスに本社がある会社社長、という事だけだった。

「・・・これは・・・!?」

キングダムは大きな事件になると予感する。そしてそれを解決するのは自分しかいないと
顎の肉を揺らしながら静かに決意するのであった。

-続かない-

という事で首がない探偵キングダムです。
たまに太りすぎで首ない人いますよね、某漫画の先生みたいに。

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2019-11-06 17:25

 虎杖 鷲


Comments (2)

ksk-0313@更新低速 2019-11-11 12:24

カレーは飲み物…きっと、そんな人w

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