青い羽根の天使マユ

無残に死に絶え、無様に腐り落ちた。
それでも雷がこの身を走り、暗い森の奥に息を吹き返した。
生きてはいない。死ぬこともない。
たとえ、この手を血で染めようとも、愛するものたちを守ると決めた。

雷がその黒い羽根を白く染め上げた
僕にはそう見えて仕方なかった。
その白き純真の羽根が、
僕のこの溶け落ちそうな青い羽根と重なりあう事を願った。

貴方に出会うまで、僕はただうごめく死体であったのだろう。
貴方に出会うまで、僕は悲しみを知らなかったのだろう。
愛は悲しみを深くし、愛はただそこに在った。

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2019-11-12 17:49

 舵守浄


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