【PFAOS】オオウキフグ
◇オオウキフグ
オオウキフグはフグ目ウキフグ亜目オオウキフグ科に属するフグの一種である。一般には単にウキフグ、あるいは浮侯(ふぐ)と記されることもある。
その名の通り体は大きく、一般によく見られる成体で3m程度だが、ウキフグ亜目と他のフグとの決定的な違いは水中ではなく空中で生活する点である。星光石の発見によってもたらされた知見によって空気中の魔力を吸引して浮力に変換していることが明らかになったが、具体的な原理は今もって謎に包まれている。記録上の最高高度は地上100m程度だが、これは実験個体が低温に耐えきれず降下したためであり、生体機能上の限界高度はさらに高いと推測される。
主に温帯の森林に棲息し、普段は木々の枝葉の合間に身を隠してあまり動かない。食性は雑食で、口内に4枚ある鋭い歯で木の葉を枝ごと食いちぎるが、猿など樹上で生活する生物を一緒に食べてしまう事も多く、むしろそちらが主食であるとする研究もある。はがね人の腕でも容易に食いちぎるほか、伸びた歯でウキフグ自身の口内を傷付けて寿命を縮める事があり、人工の飼育環境下では定期的に歯切りを施している。
繁殖期になると、まずメスが樹の枝葉に1cm程度の卵を一回あたり数十~数百個ほど産み付け、その後オスが卵に向けて精子を含む体液を霧状に放出する。受精卵は1ヶ月程度かけて赤く熟した後に孵化し、概ね2cm程度の稚魚が誕生する。稚魚は3年から4年で繁殖可能な成体となるが、寿命の限界は今のところ不明であり、外的要因で死亡するまでは際限なく成長すると考えられている。飼育環境下では約50歳の個体が納屋ひとつ分の大きさにまで成長した記録がある。
気質は比較的臆病。適切な設備によって飼育でき、稚魚から訓練すれば人に慣れて乗用や運搬に用いることができる。ストレスを受けると防御反応として空気と共に周辺の魔力を吸引して膨張するため、器具を使わずに騎乗することは至難である。手綱を引くか鞍を用いて騎乗し手綱で操る事に加えて、背から腹の下に向けて籠をぶら下げて人荷の運搬に用いることが多い。成体であれば騎手を含めて大人5~6人分程度の積載が適切と言われている。
一方、皮や筋肉、内臓、卵巣に神経毒を溜め込むため食用には不適。一般的なフグ毒と同じく、摂取すると全身の筋肉が徐々に麻痺し、最終的には呼吸と心臓が停止して死に至る。白い身は適度な弾力と旨味を持ち美味であるため、食中毒により死亡する例が後を絶たない。刺身や揚げ物のほか、「爆弾鍋」と称して饗されて会食した者が複数斃れる事例、更には孵化寸前の卵をベリー等の果実と誤認して中毒を起こした事例もある。なお、卵も大変甘美である。いずれも無毒化が試みられているが、現在まで成功例はない。
他の利用用途として、ウキフグの皮はやや硬質であるが伸縮性を持ち、防水性・防寒性に優れるため、マントや衣類、袋などに加工して用いられる。歯は農具や包丁などに加工される。
また、ウキフグの歯を使った包丁は「出歯包丁」とも呼ばれ、力の入れ方次第で何でも切れるという評判がある。人間よりも腕力が強い種族の料理人に愛用者が多い。斧とするには軽く、剣とするには短く幅広のため、武器として使われることはあまりない。
野生環境におけるウキフグの天敵は、体が大きいことで毒の許容量が多く捕食しても影響を受けづらい飛竜などの大型生物・魔獣である。人間によってこれらの天敵が駆逐された結果、生態系が乱れて異常繁殖が発生し、森林荒廃を招いた事例が過去確認されている。
人間の生活圏に野生のウキフグが出現した場合、果樹や猟場での食害に加え、ウキフグを狙って大型生物が出没する恐れがあるため、早期に駆除されることが多い。
オオウキフグ科の近縁として全身に棘を持つウキハリセンボンがあり、その中でもオオウキハリセンボンは飼育難易度は高いものの、少数が軍用または戦闘獣として飼育されたことがある。これもウキフグと同じく身に毒を有するが、大変美味である。
―――バッカモン=ロウカニー・タットレイ 著『生物と生活と少しの食事』より抜粋
新大陸以外の既知の世界において比較的よく見られる生物です。乗騎や旅の荷物運びに、もしくは装備の素材、討伐対象やアブない珍味としてもお使いいただけます。
なお「フグ目ウキフグ亜目オオウキフグ科オオウキフグ属」等の分類はお遊びですので学術的な正しさは保証しかねます。近縁種の設定はご自由にどうそ。
オオウキフグはフグ目ウキフグ亜目オオウキフグ科に属するフグの一種である。一般には単にウキフグ、あるいは浮侯(ふぐ)と記されることもある。
その名の通り体は大きく、一般によく見られる成体で3m程度だが、ウキフグ亜目と他のフグとの決定的な違いは水中ではなく空中で生活する点である。星光石の発見によってもたらされた知見によって空気中の魔力を吸引して浮力に変換していることが明らかになったが、具体的な原理は今もって謎に包まれている。記録上の最高高度は地上100m程度だが、これは実験個体が低温に耐えきれず降下したためであり、生体機能上の限界高度はさらに高いと推測される。
主に温帯の森林に棲息し、普段は木々の枝葉の合間に身を隠してあまり動かない。食性は雑食で、口内に4枚ある鋭い歯で木の葉を枝ごと食いちぎるが、猿など樹上で生活する生物を一緒に食べてしまう事も多く、むしろそちらが主食であるとする研究もある。はがね人の腕でも容易に食いちぎるほか、伸びた歯でウキフグ自身の口内を傷付けて寿命を縮める事があり、人工の飼育環境下では定期的に歯切りを施している。
繁殖期になると、まずメスが樹の枝葉に1cm程度の卵を一回あたり数十~数百個ほど産み付け、その後オスが卵に向けて精子を含む体液を霧状に放出する。受精卵は1ヶ月程度かけて赤く熟した後に孵化し、概ね2cm程度の稚魚が誕生する。稚魚は3年から4年で繁殖可能な成体となるが、寿命の限界は今のところ不明であり、外的要因で死亡するまでは際限なく成長すると考えられている。飼育環境下では約50歳の個体が納屋ひとつ分の大きさにまで成長した記録がある。
気質は比較的臆病。適切な設備によって飼育でき、稚魚から訓練すれば人に慣れて乗用や運搬に用いることができる。ストレスを受けると防御反応として空気と共に周辺の魔力を吸引して膨張するため、器具を使わずに騎乗することは至難である。手綱を引くか鞍を用いて騎乗し手綱で操る事に加えて、背から腹の下に向けて籠をぶら下げて人荷の運搬に用いることが多い。成体であれば騎手を含めて大人5~6人分程度の積載が適切と言われている。
一方、皮や筋肉、内臓、卵巣に神経毒を溜め込むため食用には不適。一般的なフグ毒と同じく、摂取すると全身の筋肉が徐々に麻痺し、最終的には呼吸と心臓が停止して死に至る。白い身は適度な弾力と旨味を持ち美味であるため、食中毒により死亡する例が後を絶たない。刺身や揚げ物のほか、「爆弾鍋」と称して饗されて会食した者が複数斃れる事例、更には孵化寸前の卵をベリー等の果実と誤認して中毒を起こした事例もある。なお、卵も大変甘美である。いずれも無毒化が試みられているが、現在まで成功例はない。
他の利用用途として、ウキフグの皮はやや硬質であるが伸縮性を持ち、防水性・防寒性に優れるため、マントや衣類、袋などに加工して用いられる。歯は農具や包丁などに加工される。
また、ウキフグの歯を使った包丁は「出歯包丁」とも呼ばれ、力の入れ方次第で何でも切れるという評判がある。人間よりも腕力が強い種族の料理人に愛用者が多い。斧とするには軽く、剣とするには短く幅広のため、武器として使われることはあまりない。
野生環境におけるウキフグの天敵は、体が大きいことで毒の許容量が多く捕食しても影響を受けづらい飛竜などの大型生物・魔獣である。人間によってこれらの天敵が駆逐された結果、生態系が乱れて異常繁殖が発生し、森林荒廃を招いた事例が過去確認されている。
人間の生活圏に野生のウキフグが出現した場合、果樹や猟場での食害に加え、ウキフグを狙って大型生物が出没する恐れがあるため、早期に駆除されることが多い。
オオウキフグ科の近縁として全身に棘を持つウキハリセンボンがあり、その中でもオオウキハリセンボンは飼育難易度は高いものの、少数が軍用または戦闘獣として飼育されたことがある。これもウキフグと同じく身に毒を有するが、大変美味である。
―――バッカモン=ロウカニー・タットレイ 著『生物と生活と少しの食事』より抜粋
新大陸以外の既知の世界において比較的よく見られる生物です。乗騎や旅の荷物運びに、もしくは装備の素材、討伐対象やアブない珍味としてもお使いいただけます。
なお「フグ目ウキフグ亜目オオウキフグ科オオウキフグ属」等の分類はお遊びですので学術的な正しさは保証しかねます。近縁種の設定はご自由にどうそ。
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2020-01-18 00:00
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