【PFAOS】遥か彼方のささやかな夢

私たち結婚しました。

ということでこの冒険は新婚旅行、故郷の砂漠の村を出て、今は港町を目指している。
でも式はまだ挙げていない。
隣にいる妻になった幼馴染でお姉さん、ハーフフェアリーで駆け出し商人のシャムがこんなことを言ったからだ。

「ねえねえアサちゃん。今話題の新大陸で式を挙げられたら素敵だとおもうの」

言うと思った。そりゃあ僕だって憧れはあるけど、出来るものかな？

「小さくても良いよ。ほら私は商人になったし…、旅をしながら勉強しながら、お金を稼ぎながら進んでね。たどり着いた新大陸の端っこでね、いっちばん最初に結婚式を挙げるの」

思い出になりそうだね。

「そしてそのままブライダル関係で良い感じのお店を構えたら宣伝含めてバッチリじゃない？きっと需要あると思うなぁ。時代は新大陸だよアサちゃん！いこう！思い立ったら即行動ってお母さんも言ってたし！」

そこはもう少し考えようよ。
きっと難しい。

でも夢がある。

僕は半分ワーウルフだけど、砂まみれの捨て犬だった。
人化は苦手な犬面だし、これといって特別な才能がある訳でもない。
だから拾ってくれて、ここまで育ててくれて、とても感謝してる。
今だってこれ以上ないってくらい恵まれているのに、まだ今以上があるんだって、期待できてしまう。
シャムのお陰だ。

「いいね。いこう」

……それ以上に、その笑顔が見たくて…そう言ってしまった所も実はある。
昔から好きだったから、つい。
考え無しは僕も一緒だ。
苦労もあるだろう…というか、今まさに苦労してるけど。
…いつか何もかもが未知の新大陸から、『私たち結婚しました』っていう…よくある手紙を故郷に送ろうと思う。
この旅路をドレスにしてシャムに着せたらきっと似合う。
今そう確信した。
僕も精一杯着飾って、笑える思い出になれば良いな。

■キャラシはあとで！
『アサナ』
シャムにはアサちゃんと呼ばれている。
ハーフの人狼、18歳。
人化が苦手な木こり・石工。
穏やかな性格だが、シャムが好きすぎるので語らせると長い。
中性的で細身ながら人狼らしく力持ちでモフモフでそこそこ器用。

『アクシャム・イルディーズ』
アサナにはシャムと呼ばれている。
ハーフのフェアリー、20歳。
おっとりしてるがテンションが上がりやすいのは妖精の母親似。
人間サイズだが、なんかふわっと生まれたらしい。
ちょっと疲れるので、普段は妖精の羽を出していない。

■Pixivファンタジア　Age of Starlight（illust/78509907）