名前のない獣
名前のない獣
中国
唐代の中国で、前秀才の李鵠が穎川に伺候した時のことだ。夜、ある駅に到着して、その日はそのまま就寝ということになった。そして、寝入りかけたその時、広間の階段を、ブタのようなものが物凄い勢いで駆け上がってくるのを見た。李鵠は急いで逃げ出すと、後門を通り抜けて、駅の厠に飛び込んだ。うず高く積まれた藁の中に身を隠し、息を殺して様子を伺っていると、その怪物は間もなくやって来て、声をたてながら、藁の周りをグルグル回った。ここが怪しいと睨んだのだろう。怪物はやがて、目を怒らせて、李鵠の潜む所を凝視した。それから、突然この怪物は大きな星に姿を変え、昇天していった。そして、いく筋もの光が、天を照らした。
中国
唐代の中国で、前秀才の李鵠が穎川に伺候した時のことだ。夜、ある駅に到着して、その日はそのまま就寝ということになった。そして、寝入りかけたその時、広間の階段を、ブタのようなものが物凄い勢いで駆け上がってくるのを見た。李鵠は急いで逃げ出すと、後門を通り抜けて、駅の厠に飛び込んだ。うず高く積まれた藁の中に身を隠し、息を殺して様子を伺っていると、その怪物は間もなくやって来て、声をたてながら、藁の周りをグルグル回った。ここが怪しいと睨んだのだろう。怪物はやがて、目を怒らせて、李鵠の潜む所を凝視した。それから、突然この怪物は大きな星に姿を変え、昇天していった。そして、いく筋もの光が、天を照らした。
0
1
367
2020-03-26 20:58
Comments (1)
目玉おやじ「姿も定かではなく、名前も分からない。それが、名前のない獣じゃ。」