SPIRIT1970 ~ Ep.39「京華の形見」
「どうしてこんな事に・・・ッ」
クレアは病室のベッドに拳を打ち付けた。途端に鋭い痛みが手の甲に走り、クレアは呻く。
身体中の肉を切り刻まれながらも、クレア達はこうして生きながらえる事が出来た。精霊使い特有の回復力と、村の名医である土井のお陰だ。
しかし、精霊刻印を剥ぎ取られ、首から下が殆ど包帯で覆われているクレア、エリス、リンスレットは最早戦えるカラダではなかった。ネクロース陣営にとっては最高の時間であった処刑が途中で妨害され、何十人の米兵を討ち倒してしまったこの状況では、ネクロースらがこの村を再び襲うまではそんなに猶予はないはずだった。
「失礼するよ・・・」
土気色の顔をした土井医師が看護婦を伴って入室した。
「京香君は・・・本当に残念だった・・・。実はその事について村長から預かっている物がある。」
村長は京華の祖父にあたる。京華がエリスと剣の稽古に励んでいた事は、村長も知るところであった。
「京華君が使っていた木刀だ。エリス君・・・是非とも君に受け取って欲しいのだそうだ・・・」
焦げ茶色の鈍く光る木刀。剣道4段の京華はエリスに感化され、彼女とこの木刀で打ち合いをしていた。この剣の中には今も京華の思念が宿っているような気がした。
泣き崩れるクレアにリンスレット。エリスは木刀をかき抱き、静かに涙する。その様は戦友の死を声もなく悼む武士のようであった。
クレアは病室のベッドに拳を打ち付けた。途端に鋭い痛みが手の甲に走り、クレアは呻く。
身体中の肉を切り刻まれながらも、クレア達はこうして生きながらえる事が出来た。精霊使い特有の回復力と、村の名医である土井のお陰だ。
しかし、精霊刻印を剥ぎ取られ、首から下が殆ど包帯で覆われているクレア、エリス、リンスレットは最早戦えるカラダではなかった。ネクロース陣営にとっては最高の時間であった処刑が途中で妨害され、何十人の米兵を討ち倒してしまったこの状況では、ネクロースらがこの村を再び襲うまではそんなに猶予はないはずだった。
「失礼するよ・・・」
土気色の顔をした土井医師が看護婦を伴って入室した。
「京香君は・・・本当に残念だった・・・。実はその事について村長から預かっている物がある。」
村長は京華の祖父にあたる。京華がエリスと剣の稽古に励んでいた事は、村長も知るところであった。
「京華君が使っていた木刀だ。エリス君・・・是非とも君に受け取って欲しいのだそうだ・・・」
焦げ茶色の鈍く光る木刀。剣道4段の京華はエリスに感化され、彼女とこの木刀で打ち合いをしていた。この剣の中には今も京華の思念が宿っているような気がした。
泣き崩れるクレアにリンスレット。エリスは木刀をかき抱き、静かに涙する。その様は戦友の死を声もなく悼む武士のようであった。
精霊使いの剣舞
Bladedance of Elementalers
アナログ
traditional
エリス・ファーレンガルト
erisufa-renngaruto
クレア・ルージュ
Claire Rouge
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2020-04-23 19:10
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