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長谷部と主とワールドエンド

主が突然

「この世界の端っこがあるのか確かめたい」

と言い出してから共に馬を走らせること3日。
最初はそんなものがあるのかと思っていたが、世界の端は確かにあった。
そこはまるで景色が箱状に分解されたような、何とも言えないところだった。
景色の一部がところどころ欠けていて、景色が無い真っ暗な場所にはこんのすけがよく使っている端末から漏れるのに似た青くぼやけた光が格子状に見える。
目の前を流れる滝は、ごうごうと音はするものの途中で箱状に散り散りになりおそらく永遠に地面に着くことはない。
見上げた空にはぽっかりと黒い穴。
青い蝶が閉じ込められた空気の箱を掌の上で眺めながら

「何だか…誰かが飽きて投げ出しちゃったパズルみたいだね」

と主が呟いた。暫くぼんやりとその不思議な景色を眺め、
どちらからともなくその場を後にした。帰り道、

「この事は皆には内緒にしようね」

と言った主の顔はどことなく寂し気であったように感じた──。

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2020-04-30 16:04

 TKS


Comments (5)

空木 普 2020-08-02 08:55

き……キスしてグッバイありとあらゆるもの……??? 審神者の正気に殴りかかるような怖さも感じますが ただひたすら美しいですね……

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マリ 2020-04-30 16:23

FPSの世界の端っこみたい……長谷部と三日間走ったというのも相まって、美しすぎます……好き……本丸から出て走っていった先、みたいなイメージを感じました。もしそうだとしたら結構広く作ってくれているなと(笑)

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