銀河鉄道の立役者〜岩手軽鉄のボールドウィン

★銀河鉄道と言う事で、いつかはこれも描かねば、と考えていたら、もう描いていたお粗末。★1991年頃画。★こやつらが、宮沢賢治作『銀河鉄道の夜』のモチーフになった、1913（大正2）年開業の岩手軽便鉄道の主力機である。★合衆国ボールドウィン社1904（明治37）年製造。★細かいとこはwiki見てもらうとして、元来は挑戦から満州を股にかけ、鉄道連隊や満鉄で活躍していた一族三十輛のうち六輛が岩手軽鉄に払い下げられたのだった。★ボ社では「6-11-D」呼ばれた既製品で、世界あちこちに同族が居り、日本でも他社で導入例がある。★岩手軽鉄は1936（昭和11）年、軽便鉄道のまま国有化され、省ケ231形と命名されるが、改軌工事は遅く、完成したのは戦後の1950（昭和25）年であり、それまでの間、北上川流域の県央花巻と、三陸沿岸の鉱山街釜石とを結ぶ重責を担っていたのである。★花巻は明治以来戦後まで、小私鉄の蝟集する鉄道の街でもあり、賢治も様々なインスピレーションを得たモノと考えられる。『シグラルとシグナレス』の哀しみは、この「身分格差」を知らないと、充分に受け取れないと思うのだ。★賢治の存在で、文学史上の地となった花巻と、民俗学の象徴たる遠野を経て釜石を結んでいる、現在の釜石線が持つイメージは、現在では随分と違ったイメージを振りまいている。