概念
《多くの命が、東京で起こった大災害で散っていったように、あれの同胞達も同じように駆逐されたのだ。
あの日、彼らの古里は音もなく光にのまれ、爆発した。
人間は、ゴジラを作るためにゴジラ達を殺した。
確実に破壊の塊となる個体だけを残して。
だからこそ。
ゴジラは人間を酷く憎んでいる。
人間という種族…存在を認識し、
その一匹も逃さず燃やし尽かさなくては気がすまない。
海の底で共にくらしてきた仲間の命を、一瞬にして奪われた怒りと悲しみ。
絶えなく溢れる憎悪こそが、奴を破壊へ導く動力源なのだよ。》
・
・
・
《言わずもがな、怪獣はゴジラだけではない。
山のように巨大なアンギラス。
嵐を招く翼のラドン。
遠い空の果てから参りしキングギドラ。
地底の怪物…ゴロザウルスとバラゴン。
海の姫、モスラ。
…ある種族は群れを成し、より巨大な敵に立ち向かう勇ましい闘志をもやした。
…ある種族は他の怪獣を圧倒し、配下におこうとした。
…そのある種族もまた、我が身を守るために強き怪獣へ忠誠を誓った。
…またある種族は、価値のない争いを恐れ、人間に力を貸そうとした。
…………だが、ゴジラはそのいずれでもない。
奴はこの世界において唯一無二の存在。
誰にも従いはしない。
そして、誰を従えもしない。
己の目的を成すに、全く必要ないからだ。》
・
・
・
《ゴジラとは、一体なんなのだろうか。
多くの怪獣を圧倒する、怪獣の王か。
…違う。
ならば全てを無に還す破壊神か。
…それも違う。
奴は王でもなければ神でもない。そんなものは人類における「強者」にすぎない。
あれは『破壊』。
そう、破壊という概念そのものなのだ。》
あの日、彼らの古里は音もなく光にのまれ、爆発した。
人間は、ゴジラを作るためにゴジラ達を殺した。
確実に破壊の塊となる個体だけを残して。
だからこそ。
ゴジラは人間を酷く憎んでいる。
人間という種族…存在を認識し、
その一匹も逃さず燃やし尽かさなくては気がすまない。
海の底で共にくらしてきた仲間の命を、一瞬にして奪われた怒りと悲しみ。
絶えなく溢れる憎悪こそが、奴を破壊へ導く動力源なのだよ。》
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《言わずもがな、怪獣はゴジラだけではない。
山のように巨大なアンギラス。
嵐を招く翼のラドン。
遠い空の果てから参りしキングギドラ。
地底の怪物…ゴロザウルスとバラゴン。
海の姫、モスラ。
…ある種族は群れを成し、より巨大な敵に立ち向かう勇ましい闘志をもやした。
…ある種族は他の怪獣を圧倒し、配下におこうとした。
…そのある種族もまた、我が身を守るために強き怪獣へ忠誠を誓った。
…またある種族は、価値のない争いを恐れ、人間に力を貸そうとした。
…………だが、ゴジラはそのいずれでもない。
奴はこの世界において唯一無二の存在。
誰にも従いはしない。
そして、誰を従えもしない。
己の目的を成すに、全く必要ないからだ。》
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《ゴジラとは、一体なんなのだろうか。
多くの怪獣を圧倒する、怪獣の王か。
…違う。
ならば全てを無に還す破壊神か。
…それも違う。
奴は王でもなければ神でもない。そんなものは人類における「強者」にすぎない。
あれは『破壊』。
そう、破壊という概念そのものなのだ。》
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2020-06-19 00:33
Comments (4)
人類の滅亡を望む「破壊」…人類が地球上から消えた時、ゴジラの憎悪は終わり、ゴジラも、その殺された同胞たちも安らげるのでしょうか…それとも…
ゴジラをゴジラたらしめるは「憎悪」…人間が破壊をしたからゴジラが生まれたのではなく、破壊の化身たるゴジラを生むために人間はゴジラ達を殺した……か…。 …「あの作品」は正直気にくわないけど、『ゴジラ』とは、『人間』とは一体何なのかを嫌と言うほど思い知らされたなぁ…。
人間の勝手な行動で身内の全てを消し飛ばされた結果、残ったのは破壊だけ。 そんなゴジラの血肉からさらにゴジラじみた兵器をつくってゴジラを倒そうとする人間こそ怪獣と恐れるべき化け物だと思い知ります・・・