イラスト詰め
大学の卒業制作で描いたイラストの一部を集めたものです。
以前投稿した「いにしへに」というイラスト同様、古典和歌に現代訳と現代のイラストを付けた冊子を制作した際に載せたイラストです。
1枚目
君恋ふる心は千々に砕くれど ひとつも失せぬものにぞありける
【和泉式部 後拾遺和歌集・恋四・801】
(あなたへの叶わぬ恋心はバラバラに砕けてしまったけど、そのカケラは一つも無くならずに、私の中にずっと残っているの。)
2枚目
つれづれと空ぞ見らるる思ふ人 天下りけむものならなくに
【和泉式部 玉葉和歌集・恋二・1467】
(大好きなあなたが空からおりてくるわけないんだけど、なんとなく、空を見上げてしまうの。)
3枚目
いつはりのなき世なりせばいかばかり 人の言の葉うれしからまし
【よみ人しらず 古今和歌集・恋四・712】
(嘘なんてない世界だったなら、あなたが言ってくれた「好きだ」という言葉がどれほどうれしいか…。)
4枚目
ふみそめて思ひかへりし紅の 筆のすさむをいかで見せけん
【小大進 金葉和歌集・恋上・373】
(こんなことなら、あなたに告白のメールなんて送らなきゃよかった…。あなたがそんな人とは知らずに、早まったことしちゃったなぁ…。)
5枚目
月夜よし夜よしと人に告げやらば 来てふに似たり待たずもあらず
【よみ人しらず 古今和歌集・恋四・692】
(「今夜は月がきれいだよ」って、わざわざあなたに電話するなんて、遠まわしに「私に逢いに来て」って誘っているのと同じよね。でも本当に私はあなたに来てほしいと思っているのよ。)
補足:平安時代は男性が女性の家に通うことが主流なため、女性から男性に逢いには行けませんでした。だから、人づてにあなたの恋人(彼女)が今夜は月が綺麗と言っていたよと言わせて、彼に私はあなたに会いたいと思っていることを伝えています。
6枚目
心をぞわりなき物と思ひぬる 見るものからや恋しかるべき
【清原深養父 古今和歌集・恋四・685】
(君とこうして顔を合わせているのに、君をまだ恋しいと想うなんて、心はなんて不条理なんだろう。)
7枚目
あやしくも心のうちぞ乱れゆく 物思ふ身とはなさじと思ふに
【永福門院 風雅和歌集・恋一・1010】
(知らないうちに私の心が乱されている…。わたしはみんなみたいに、恋なんてしないと思っていたのに…。)
8枚目
忘れてはうちなげかるる夕べかな われのみ知りてすぐる月日を
【式子内親王 新古今和歌集・恋一・1035】
(あなかが逢いに来てくれるかも。…なんて、そんなことあるわけないのに。あきらめようとしても、日暮れになると、つい期待してしまう。そして気が付くの。私の一方的なながいながい片想いだったと…。)
9枚目
眉根かき鼻ひ紐解け待てりやも いつか見むと恋ひ来しあれを
【よみ人しらず 万葉集・十一巻・2808】
(俺が来る予感がしていた?君に早く逢いたいと、そればっかり考えて逢いに来たからかもしれないな。)
現代訳に違和感がある所が所々ありますが、数年前の学生時代にした訳なのでお許しを…。
本当はもっと分かりやすく補足説明を入れつつもっとラフな言葉で訳したかったけど、
(確か)解釈が変わるからと言われて曖昧な訳にした気がします。
よみ人の背景を知っているとその和歌に感情移入しやすいので、和歌に興味がある方は、よみ人のことも調べるのオススメします!私も恋歌調べてたとき、図書館で半泣きしながら読んだことあります笑
(*無断使用転載は禁止しております。)
以前投稿した「いにしへに」というイラスト同様、古典和歌に現代訳と現代のイラストを付けた冊子を制作した際に載せたイラストです。
1枚目
君恋ふる心は千々に砕くれど ひとつも失せぬものにぞありける
【和泉式部 後拾遺和歌集・恋四・801】
(あなたへの叶わぬ恋心はバラバラに砕けてしまったけど、そのカケラは一つも無くならずに、私の中にずっと残っているの。)
2枚目
つれづれと空ぞ見らるる思ふ人 天下りけむものならなくに
【和泉式部 玉葉和歌集・恋二・1467】
(大好きなあなたが空からおりてくるわけないんだけど、なんとなく、空を見上げてしまうの。)
3枚目
いつはりのなき世なりせばいかばかり 人の言の葉うれしからまし
【よみ人しらず 古今和歌集・恋四・712】
(嘘なんてない世界だったなら、あなたが言ってくれた「好きだ」という言葉がどれほどうれしいか…。)
4枚目
ふみそめて思ひかへりし紅の 筆のすさむをいかで見せけん
【小大進 金葉和歌集・恋上・373】
(こんなことなら、あなたに告白のメールなんて送らなきゃよかった…。あなたがそんな人とは知らずに、早まったことしちゃったなぁ…。)
5枚目
月夜よし夜よしと人に告げやらば 来てふに似たり待たずもあらず
【よみ人しらず 古今和歌集・恋四・692】
(「今夜は月がきれいだよ」って、わざわざあなたに電話するなんて、遠まわしに「私に逢いに来て」って誘っているのと同じよね。でも本当に私はあなたに来てほしいと思っているのよ。)
補足:平安時代は男性が女性の家に通うことが主流なため、女性から男性に逢いには行けませんでした。だから、人づてにあなたの恋人(彼女)が今夜は月が綺麗と言っていたよと言わせて、彼に私はあなたに会いたいと思っていることを伝えています。
6枚目
心をぞわりなき物と思ひぬる 見るものからや恋しかるべき
【清原深養父 古今和歌集・恋四・685】
(君とこうして顔を合わせているのに、君をまだ恋しいと想うなんて、心はなんて不条理なんだろう。)
7枚目
あやしくも心のうちぞ乱れゆく 物思ふ身とはなさじと思ふに
【永福門院 風雅和歌集・恋一・1010】
(知らないうちに私の心が乱されている…。わたしはみんなみたいに、恋なんてしないと思っていたのに…。)
8枚目
忘れてはうちなげかるる夕べかな われのみ知りてすぐる月日を
【式子内親王 新古今和歌集・恋一・1035】
(あなかが逢いに来てくれるかも。…なんて、そんなことあるわけないのに。あきらめようとしても、日暮れになると、つい期待してしまう。そして気が付くの。私の一方的なながいながい片想いだったと…。)
9枚目
眉根かき鼻ひ紐解け待てりやも いつか見むと恋ひ来しあれを
【よみ人しらず 万葉集・十一巻・2808】
(俺が来る予感がしていた?君に早く逢いたいと、そればっかり考えて逢いに来たからかもしれないな。)
現代訳に違和感がある所が所々ありますが、数年前の学生時代にした訳なのでお許しを…。
本当はもっと分かりやすく補足説明を入れつつもっとラフな言葉で訳したかったけど、
(確か)解釈が変わるからと言われて曖昧な訳にした気がします。
よみ人の背景を知っているとその和歌に感情移入しやすいので、和歌に興味がある方は、よみ人のことも調べるのオススメします!私も恋歌調べてたとき、図書館で半泣きしながら読んだことあります笑
(*無断使用転載は禁止しております。)
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2020-07-28 16:29
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