VAGRANT STORY

petと似たテーマを扱う作品を紹介するなかで挙げたPSゲー(の紹介文の挿絵的に描いた絵)
自分はかつて凄まじいゲーマーだったので一時これもやり込んでました
吉田絵と松野ワールドは伝説のオウガバトル(SFC)からのファンです

ストーリー紹介とpetとの相似については以下にツイログ抜粋…というかTwitterで文字量不足だった部分を補完
※完全にネタバレなので注意…てか長いな我ながら!



『ベイグラントストーリー』(PSゲー)
petと類似点が多いので一度は取り上げたかった作品。
発売が2000年の2月なのでpetより数年古い。
edで示される副題は〝phantom pain〟、即ち〝幻肢痛〟。
この作品に於いては主人公アシュレイの〝記憶の幻肢痛〟といったところか。

二者の類似点として挙げられるのは
●上記の〝記憶の幻肢痛〟ーー真偽の不確かな記憶に主人公が苛まれる部分
●EDで主人公が追手から逃れベイグラント(vagrant;放浪者)となる際の演出(タイトルは『主人公はいかにして放浪者となったか』という意味)

〜あらすじ〜
〝魔都〟の力を操るカルト教祖シドニーが、国の要人の息子ジョシュアを人質に立て篭もった。
事件解決の為に派遣された主人公アシュレイは、シドニーと彼の幼児期の幻影(ジョシュアに見えるのはミスリードで実はシドニー本人)に導かれる形で魔都最深部を訪れ、彼と己の真実に向き合っていく。

道中で主人公は、『自分が宝物の様に大切にしてきた亡き妻子の記憶は真実か否か』という問題を突きつけられる。
実はそれは植え付けられた偽の記憶で、過去の彼に妻子はおらず、記憶に現れる2人は任務時に殺害した一般人ではないかというものだ。
(petらが本来自分の物ではないヤマの記憶に縋るのと似た格好)

結局この問題は最後まで真偽不明だが(プレイヤーの解釈に委ねると公式が回答)、主人公は『自分が信じたいものが真実』と結論付けーー即ち〝家族の記憶を宝として生きる自分〟を肯定して迷いを断ち切り、〝魔都〟の力を継承する。
(最終的にヤマの実在が証明されるpetの方が、この辺の記憶の肯定の下りは説得力がある)



petとの類似点その2に挙げた『EDの逃亡劇の顛末』とは、〝特殊能力によって自分の見た目を誤魔化していく〟下りだ。
最後はシドニーがアシュレイに、アシュレイが別の人物に化けて追手の目を欺くが、ここの演出がpet最終話で『悟が記憶操作で自分を司に見せていたと分かる場面』によく似ている。
(まあ古典的流れなのかも)

他の共通点に〝父子愛〟が挙げられる。
シドニーは実は、誘拐した幼児の兄ーー即ち国の要人の息子で、本来死んでいた所を父が魔の力を用い生かしていた。
シドニーは父の願いを叶えるべく事件を起こし(誘拐の形を取った裏に複雑さも伺える)、最期は念願通り父子が互いに互いを刺して絶命する。
…書き出すと司林と色々似てるなこの下り…

そんな事もあって、自分は特にpetが他に類を見ない話とは思わないのだが(萩尾望都作品に類似したものも多い)、ベイグラよりは綺麗にわかりやすく纏まっていると思う。
ベイグラは伝説の満点レビューを叩き出した割には余りプレイされておらず、物語も理解されてないようなので、機会あればお試しを……(ただし難易度は高め)

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2020-08-11 17:32

 めりのゆう


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