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異世界異文録~Another story~(中編)

ステラ『…それじゃあ、白龍くん…覚える事、話してくれる?ゆっくりでいいから』
白龍『…』
ステラ『…やっぱり…オイラの時みたいに何も思い出せない?』
白龍『ばーか!俺をオマエと一緒にすんじゃねぇよ』
ステラ『…』
白龍『…て言っても…俺自身まだ信じられねぇ事ばっかなんだけどな』
さくら『で?結局、覚えるんです?無いんです?』
白龍『…何だよ…文句あんのか?』
さくら『ちゃちゃっと話してください』
ステラ『まぁまぁ…2人とも落ち着いて』
白龍/さくら『…』
ステラ『…それじゃあ…話して白龍くん』
白龍『…お、おぅ』

ーーー

白龍『俺…あの化物に連れてかれてから…アイツの言う通りに動かされてた』
ステラ『…』
白龍『けどな…俺もいつまでも黙って従ってる程、バカじゃねぇ!アイツさ…時々、アジトからいなくなる日があってさ…俺、そん時狙ってアジト中を探し回ったんだ』
ステラ『探す?何を?』
白龍『決まってんだろ?アイツの弱点だよ!あと、兄ちゃんを元に戻す方法も!』
ステラ『…弱点?』
さくら『ま、セオリーではありますな…どんなラスボスにも弱点はある物です♪』
ステラ『…それで…何か見つけたの?』
白龍『…いや…それらしい物は何もなかった』
さくら『当然といえば当然ですが…敵もみすみす自身の弱点をわかり安い所には置いてはおかないでしょうし』
白龍『…でもよ』
ステラ『何か見つけたの?』
白龍『…ある日、俺…妙な隠し部屋見つけてさ』
さくら『ほほぉ…隠し部屋とな☆』
白龍『その部屋さ…カラクリ屋敷みてぇに回転扉になっててさ…一見すりゃただの壁なんだ』
ステラ『そんな部屋…よく見つけられたね』
白龍『いや…見つけたのは偶然つーかさ』
さくら『それで?その部屋には何があったんです?』
ステラ『弱点になりそうな物とかはあった?』
白龍『…いや…弱点になりそうな物は何も』
ステラ『そう…なんだ』
白龍『でも、その部屋で変な《光る石ころ》見つけてさ』
さくら『聖なるアイテム系…キタ━(゚∀゚)━!』
白龍『…この姉ちゃん…さっきから何言ってんだ?』
ステラ『気にしないで…それで?どんな石だったの?』
白龍『…それならコレだよ』
ステラ『持って来ちゃったの?』
さくら『ふむ…見た所…ただの《石》の様ですが…光ってもいませんし』
白龍『…見つけた時は確かに光ってたんだ…あ!』
ステラ『何か思い出したの?』
白龍『そういや…この石ころ見つけた時、妖精に会ったんだ!』
ステラ『…妖精?』
さくら『捕らわれの妖精ッ!ラスボスのダンジョン系の攻略には欠かせない存在でありますなぁ☆』
ステラ『その妖精さん…なんで、そんな部屋に隠すみたいに捕まってたのかな?』
さくら『そんなの決まってるじゃありませんか!きっと、ラスボスの弱点を知ってしまったが為に捕らわれてしまったんですよ♪』
ステラ『そうなの?』
白龍『ソイツも…んな事言ってたぞ』
ステラ『それで?その妖精さん…なんて?』
白龍『アイツこう言ってた…《あの影の弱点》…それは…』
さくら『それは?』

白龍『…光』

ステラ『光?どういう事?』
さくら『明るい所が苦手…という訳ではなさそうですが』
ステラ『白龍くん…何か分からない?』
白龍『俺にもさっぱりだ…父ちゃんなら何か知ってんだろうけどな』
ステラ『…光が弱点…何かの《力》の事かな?』
さくら『聖なる剣…的な物でしょうか?』
白龍『でよ…ソイツがさ…助けてくれたお礼だって言って何か願いを叶えてくれるって言うからさ…俺…』
ステラ『白龍くんは…なんてお願いしたの?』

白龍『《親友に会わせてくれ》って…そう言ったんだ』

ステラ『…え?』
さくら『何故、そこで《家族の元へ帰りたい》と願わなかったんです?』
白龍『…俺も…なんでか解らないけど…そん時、真っ先にステラの顔が思い浮かんでさ…とっさにそう言ってたんだよな』
ステラ『…』
白龍『…父ちゃんより…兄ちゃんより先にオマエの事…考えてちまってた』
ステラ『…白龍くん』
白龍『///』
さくら『でも…その石が何か手掛かりになる事は間違いありませんね♪』
ステラ『…』
白龍『どうした?ステラ』
ステラ『…2人とも…オイラについて来て』
白龍『お、おい!どこ行くんだよ?』
さくら『兎に角、ステラちゃんについて行きましょう!』
白龍『…おう』

ーーー

さくら『ほへー…これは』
白龍『スゲー…家の地下にこんな場所が』
ステラ『こっちだよ…ついて来て』

さくら『うはー☆何です?このバカでっかいコンピューター室はッ!まるで《エヴァンゲリオンの指令室》じゃ…あ~りませんかッ!』
白龍『この姉ちゃん…さっきから…訳わかんねぇ』
ステラ『さくらさんは…機械系とか得意?』
さくら『ほへ?ま、まぁ…多少は』
ステラ『それじゃ…コレ』
さくら『…何です?コレ』
ステラ『…このコンピューターのパスワード…御主人が《何かあったら使え》っておいて行ってくれたんだ…でもオイラ…こういうの使った事なくて…御主人が使う所はよく見てたけど』
さくら『《R・E・I・R・A・xxx》…このパスワード…何やら女の人の名前の様でありますなぁ…しかもこの語尾の《xxx》が妙に意味深でありますなぁ…にしし☆』
ステラ『セキュリティ強化の為だって言って…最近、変えたみたいだよ?』
白龍『で?どうすんだよ?』
ステラ『さくらさんには…この石の解析をお願いしたいんだ』
さくら『グフフフフ…オタク女子の本領発揮でありますなぁ☆お任せをッ!』
白龍『解析なんかして…どうすんだよ?』
ステラ『白龍くんを…元の世界に戻す手掛かりになると思うんだ』
白龍『…何だよ…それ』
ステラ『白龍くん?』
白龍『ステラ…テメー、俺に…あの地獄みてぇな場所に帰れ…そう言いたいのか?』
ステラ『…』
白龍『ふざけんなッ!俺は帰らねぇぞ!』
ステラ『…でも』
白龍『うるせぇ、うるせぇ!俺は…帰るつもりはねぇ!』
さくら『この世界の《秩序》を守る為には仕方ない事ですね』
白龍『黙れ…黙れーッ!…ステラ…オマエだけは…オマエだけは俺の味方だと思ってたのにッ!』
ステラ『…白龍くん』
白龍『俺は帰らねぇ…あんな場所に戻る位ならッ!』
ステラ『白龍くんッ!何処に行くの!待って!』
さくら『ステラちゃん!』
ステラ『白龍くんの事は…オイラに任せてッ!さくらさんは石の解析をお願いッ!』
さくら『…』

ー《to…be…continued》ー

部屋を飛び出して行った白龍を追うステラ

次回…意外な救世主が現れる?

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2020-09-11 06:45

 ニャンコ先生§斑§


Comments (2)

蒼の羽 2020-09-11 20:39

運命はあざなえる縄の如し、といいます……幸福も不幸も同じ運命。 幸福なだけでも不幸なだけでも運命とは呼べないのですが……今回も見守らせて 頂きます(目を閉じると、いつの間にか消えていた――

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