鈍く光るモノ

三千の兵力をもってしても殺せんとは...。あやつを使うしかあるまい...。

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ここへ連れてこられた理由は分かるな?
王様。つれてこられたとは語弊がごさいますよ?私は私の意思でこちらへ来ました。
それはすまなかった...。

王様。それは兵力の問題ではございませんよ。
場を見ずに何故わかる?
私をここへお呼びになられたのは王様自身がそう判断なされたからでしょう?
うぅ...そうだ。しかし実際敵の力量をどう測る?あともう三千投入すれば勝てるやもしれんのに。
まだ申されますか?ご自身の中でもう答えは出ておられるはず。不要ならば私は私用に戻りますが?
すまん。気にせず続けてくれ。
王様の保有する兵力は並大抵の鍛え方はなされておられないのは私も存じております。その兵力を一人で3千、この霊階にそれほどの力量を持つものがいるとするならば限られてくるでしょう。
何か知っておるような口ぶりだな?
別階より渡ってきた他階層のモノ、もしくは血の濃いものでしょう。
何故そのようなモノがこの階に?
そのモノに大義、意思のようなものは持ち合わせていないでしょう。天災のようなものです。唯一違いがるとすれば自然消滅するかしないかの違いでしょう。
黙って過ぎるのを待つ事はできん。これ以上場を荒らされてたまるか。サバキよ。そのモノに鉄槌を下してほしい。
元よりそのつもりですよ。断頭台(わたくし)は悪にその施行力を見せ、はじめて抑止力となる物。断頭台(わたくし)に斬れぬ首があるとするならば世階(せかい)はたちまち無法の地となるでしょう。それは決してあってはならない事。そのモノの首。必ずこのサバキがチョンパする事を約束しましょう。

脚光を浴びる事はない。そんな綺麗な光では決して形容し難きモノ。それは民の眼に映る光が反射し形成された姿。眼光はやがて逆光となり闇を作り出す。これは人々が作り出した闇そのものだ。しかしどうにもそれは美しい。

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2020-09-13 19:52

 ピニ


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