F-1-Og

Jagdhundの開発、販売実績から実験的技術ノウハウを多数獲得したLuchs社は複数の開発プロジェクトを立ち上げた。
その内の一つ、F計画の一つの形としてF-1が商標に登録された。
F-1は一般に販売されている物として初めて可変機構を有する量産型のBwである。
可変機構といっても単純な位置移動のみで複雑な機構という訳ではない。
変形所要時間は10秒で接地状態からの変形も可能であり、Jagdfundの明確な欠点であった地上運用性の劣悪さを克服している。

変形の主要な目的の一つである、スラスターの一定方向への集約によりF形態時の加速力は相当高く、これはJagdhundのフレーム強度を無視した理論値的な加速力の1.45倍相当となる。これにより大気圏内でも飛翔を行う事が可能となった。
一見姿勢制御用に見えるウィングはどちらかと言うと増槽に近い。これは一応機体制御用の機構とプログラムは組み込まれている物の、本機の比較的小柄な機体サイズを以てしても揚力は足らず、やはり印象の為のデザインと言った方が近いものとなっている。
脚部の可変機構は通常のBwから可動範囲をただ広げた様な機構でこれにより強度と生産性を確保している。

あくまでF-1自体はベース機体であり、契約内容や要望により様々な機種として開発出来る用になっている。

オーストリア陸軍が採用したOGモデルも派生系の一つで
戦闘用に57mm半自動砲BG-57-1Bを装備し、脚部にF形態での歩行と機体固定機能を追加したモデルである。
G-57-1BはG-57-13機関砲をBw用に改装した物を更にF1Og用に改装した物で整流板やマズルブレーキが追加されている。
装甲貫徹力はHVAP(高速徹甲弾)を使用した場合、RHA換算で164mm相当であり、大戦時の主要な武装の貫徹力と大して変わらない程度の数値だが、これは当時のABwが機動性を損ねてまでの重装甲を備え無い限りRHA換算で150mm以上の装甲を備えることが不可能であったという戦訓による物で、必要十分のものである。更に自動装填装置によりBw形態でもF形態でも使用が可能で連射も出来る先進的なもので、十分な性能を持つものである。
装甲に関してはあまり重視されておらず、元のデザインのまま均質圧延装甲(RHA)にした物が基本でコクピット等一部分にチタンが使われているが、あくまで気休め程度にしかならない
F形態で全高が低くなる事に目を付けた軍が要求した歩行機能と機体固定機能は多目的自走砲としての用途を考慮したもので、森林地帯に身を潜める事や対空射撃等も出来る様になった。
これにより緊急的に部隊に増援を送り、様々な支援を行う事が可能で可変機構搭載、又は飛翔可能Bwの火付け役となった。

余談だが、本機はF形態のBG-57-1Bのドラムマガジンを目と見立てFrog(カエル)という愛称が定着している