【TotD】血の雨についての違和感【デッド・セメタリー】

デッド・セメタリー【illust/85794585】

「血の雨が降るとは……」
　当時の様子を思い浮かべながら、汚れた服を洗面器に入れていた。停電が起こっているため、洗濯機は使えない。
「訳がわからない。どうしたらいいの、ご主人様……」
　ベッドにうつ伏せになると、目に涙を浮かべて言った。

　　　　　　　　　　　＊

　停電から復旧後、ようやく立て直した彼女は、最上組から依頼が持ち込まれたことに気づいた。
「なに、犬を殺した犯人を連れてこい……？　犬の仇討ちか」
　依頼を受け取った彼女は、依頼者に対し、珍しく他人のような気がしなかった。
　加えて、最上組には働かせてくれた恩義があった。取り組むには、十分な動機だ。
「引き受けよう。しかし、どうしたらいい？　ご主人様ならこんな時……」

レーガン【illust/85512147】