Shape of Beauty (アルファ・ロメオ 4C)
Shape of Beauty -美しさのカタチ- (Alfa Romeo 4C Spider)
2021年の年賀状イラストとして描きました。
今回は色鉛筆画に本格挑戦しました。
モチーフは、「Alfa Romeo 4C Spider」です。
まずはモチーフのメーカーおよび車両について...
アルファ ロメオ(Alfa Romeo)は、イタリア ミラノに本拠地を置き、1910年から続く老舗スポーツカーメーカーです。
かつて フェラーリ創始者であるエンツォ・フェラーリは 同社のレース部門の総責任者を務めた後 独立し、フェラーリを設立したそうです。
その意味で、「アルファ ロメオはフェラーリの母」と言えるかも知れません...凄い会社ですね。
現在はフィアットグループ傘下となっています。
同社のエンブレムに「人を呑み込む大蛇」が描かれている事は結構 有名ですが、このエンブレムを含めた独特な形状のフロントグリルは、「紋章(エンブレム)を頂く盾」をイメージしたものだそうです。
言われてみれば、西洋における盾の形そのものですね。
4Cは、2013年にアルファ ロメオから発売された、DOHC16バルブ直列4気筒1,742cc 直噴インタークーラーターボエンジンをミッドシップに搭載するライトウェイトスポーツカーです。
同車のソフトトップモデルである「4C Spider」は、2015年に追加発売されました。
ちなみに4Cの「C」は Cylinders の頭文字で、「4気筒」を意味しています。シンプルなネーミングですね。
このエンジンは240PSもの高出力を発揮し、一方で装備重量はフルカーボンモノコックボディ採用により 1,050kg(Spiderは1,060kg)という超軽量を実現しており、そのパワーウェイトレシオからも走行性能の高さが容易に想像できます。
トランスミッションは独自開発の6速デュアルクラッチトランスミッション「Alfa TCT」を採用しています。
こういったハイテク装備や高い走行性能もさることながら、このクルマの最大の魅力はやはりその美しさです。
4Cのデザインは 1967年に同社から発売された「Tipo33/2 Stradale」にインスパイアされたもので、その美しさを現代の技術を用いて再構築したモデルになっています。
全ての面が絶妙なカーヴで構成されたボディラインの美しさは、まさにため息モノです。
続いてイラスト製作について...
今回追及したポイントは、冒頭にも書きました通り「色鉛筆画に見えない色鉛筆画」です。
色鉛筆は以前から補助的な画材として使ってきましたが、色鉛筆をメインとしたリアル系イラストを描いてみたくなり、今回 本格挑戦した次第です。
色々と勉強してわかった色鉛筆画のポイントは次の通りです。
(1) 画用紙の選定
これが最も重要です。精細な描き込みを行うには目が細かい紙を使う必要がありますが、ケント紙のようなツルツルの紙では摩擦が小さく色鉛筆が擦れないため 薄い色しか出せません。
一方、目の粗い紙では摩擦が大きく色の乗りは良くなりますが、紙面がデコボコなので精密な描き込みが難しくなります。
従って、色鉛筆画に最適な紙は「表面がザラザラでかつ目が細かい」必要があり、この条件に適合する紙は、水彩画用紙の「細目」~「極細目」です。
当然「極細目」がベストなのですが 結構価格が高く(A4ぐらいのサイズで1枚170円前後)、貧乏性の私は手元にあった「細目」を使いました(笑)
(2) 色鉛筆の選定
これも重要だと思います。同じ色鉛筆でもメーカーや酒類により芯の硬さや発色に違いがあり、芯が柔らかい方が色乗りが良く綺麗に塗りつぶしができます。
概して安価な色鉛筆は芯が固くて発色も悪く、芯が柔らかく発色が良い色鉛筆は高価でかつ減りも早いので、またまたお財布との相談が必要になります。
色々調べた結果、メインの色鉛筆は「三菱 ポリカラー36色」を使い、サブとして「ホルベイン アーチスト色鉛筆 12色」を使いました。
さらにグレー系は細かいトーンの使い分けが必要なので、ホルベイン製のものを単色で追加購入しました。
(3) 補助画材の活用
前述した紙と色鉛筆の選定だけでも ある程度綺麗な絵は描けますが、やはり細かい部分で色鉛筆独特の塗りムラや塗り残しができてしまいます。
また細かい部分のディテイル表現や発色にも限界があります。
その対処として いくつかの補助画材を使うことで、これらの欠点を解消できます。
塗りムラや塗り残しの解消には、「ブレンダー」という無色の特殊な色鉛筆と、「ぼかし液」を使います。
ブレンダーは色鉛筆を塗った紙の上を擦る事で色の粒子を拡散させる効果があり、混色やグラデーションを作る事もできます。
ぼかし液は筆につけて色鉛筆を塗った紙の上をなぞる事で色鉛筆の粒子を溶かして滑らかにし、水彩画のような仕上りにできます。
さらに、細かい部分についてはミリペン(黒)やポスターカラーを用いてディテイル感を出しています。
ハイライト(ヘッドライトやホイール周りの光が反射している部分)についてもポスターカラーの白で明るさを強調しています。
上記のようなポイントを押さえる事で、色鉛筆メインでもかなり精細な絵を描くことができました。
ちなみに今回のイラストにおける各画材の使用割合は次のような感じです。
色鉛筆:90%
ポスターカラー:9%(背景下塗り、ハイライト)
ミリペン:1%(細部の黒ライン)
最後に 色鉛筆画に本格挑戦した感想ですが、「思ったよりもかなり時間が掛かりメチャ大変」というのが率直な思いです。
何が大変かと言うと、「ムラ無く綺麗に塗りつぶす」のに物凄い時間が掛かるのです...(涙)
何となく水彩画より手早く仕上げられるイメージを持っていたのですが、全くの誤算でした。
という事で、「色鉛筆メインのイラストには物凄い気力と時間が必要」というのが今回の製作における教訓であり、私の結論です(笑)
やはり メインの画材はポスターカラーが最良かな? という気がしております。
次回はポスターカラーの応用として、エアブラシに挑戦してみようかな? などと考えております。
今後もライフワークとしてのイラスト製作を頑張って続けて参る所存です。
作品へのコメントを戴けると大変励みになります。
2021年の年賀状イラストとして描きました。
今回は色鉛筆画に本格挑戦しました。
モチーフは、「Alfa Romeo 4C Spider」です。
まずはモチーフのメーカーおよび車両について...
アルファ ロメオ(Alfa Romeo)は、イタリア ミラノに本拠地を置き、1910年から続く老舗スポーツカーメーカーです。
かつて フェラーリ創始者であるエンツォ・フェラーリは 同社のレース部門の総責任者を務めた後 独立し、フェラーリを設立したそうです。
その意味で、「アルファ ロメオはフェラーリの母」と言えるかも知れません...凄い会社ですね。
現在はフィアットグループ傘下となっています。
同社のエンブレムに「人を呑み込む大蛇」が描かれている事は結構 有名ですが、このエンブレムを含めた独特な形状のフロントグリルは、「紋章(エンブレム)を頂く盾」をイメージしたものだそうです。
言われてみれば、西洋における盾の形そのものですね。
4Cは、2013年にアルファ ロメオから発売された、DOHC16バルブ直列4気筒1,742cc 直噴インタークーラーターボエンジンをミッドシップに搭載するライトウェイトスポーツカーです。
同車のソフトトップモデルである「4C Spider」は、2015年に追加発売されました。
ちなみに4Cの「C」は Cylinders の頭文字で、「4気筒」を意味しています。シンプルなネーミングですね。
このエンジンは240PSもの高出力を発揮し、一方で装備重量はフルカーボンモノコックボディ採用により 1,050kg(Spiderは1,060kg)という超軽量を実現しており、そのパワーウェイトレシオからも走行性能の高さが容易に想像できます。
トランスミッションは独自開発の6速デュアルクラッチトランスミッション「Alfa TCT」を採用しています。
こういったハイテク装備や高い走行性能もさることながら、このクルマの最大の魅力はやはりその美しさです。
4Cのデザインは 1967年に同社から発売された「Tipo33/2 Stradale」にインスパイアされたもので、その美しさを現代の技術を用いて再構築したモデルになっています。
全ての面が絶妙なカーヴで構成されたボディラインの美しさは、まさにため息モノです。
続いてイラスト製作について...
今回追及したポイントは、冒頭にも書きました通り「色鉛筆画に見えない色鉛筆画」です。
色鉛筆は以前から補助的な画材として使ってきましたが、色鉛筆をメインとしたリアル系イラストを描いてみたくなり、今回 本格挑戦した次第です。
色々と勉強してわかった色鉛筆画のポイントは次の通りです。
(1) 画用紙の選定
これが最も重要です。精細な描き込みを行うには目が細かい紙を使う必要がありますが、ケント紙のようなツルツルの紙では摩擦が小さく色鉛筆が擦れないため 薄い色しか出せません。
一方、目の粗い紙では摩擦が大きく色の乗りは良くなりますが、紙面がデコボコなので精密な描き込みが難しくなります。
従って、色鉛筆画に最適な紙は「表面がザラザラでかつ目が細かい」必要があり、この条件に適合する紙は、水彩画用紙の「細目」~「極細目」です。
当然「極細目」がベストなのですが 結構価格が高く(A4ぐらいのサイズで1枚170円前後)、貧乏性の私は手元にあった「細目」を使いました(笑)
(2) 色鉛筆の選定
これも重要だと思います。同じ色鉛筆でもメーカーや酒類により芯の硬さや発色に違いがあり、芯が柔らかい方が色乗りが良く綺麗に塗りつぶしができます。
概して安価な色鉛筆は芯が固くて発色も悪く、芯が柔らかく発色が良い色鉛筆は高価でかつ減りも早いので、またまたお財布との相談が必要になります。
色々調べた結果、メインの色鉛筆は「三菱 ポリカラー36色」を使い、サブとして「ホルベイン アーチスト色鉛筆 12色」を使いました。
さらにグレー系は細かいトーンの使い分けが必要なので、ホルベイン製のものを単色で追加購入しました。
(3) 補助画材の活用
前述した紙と色鉛筆の選定だけでも ある程度綺麗な絵は描けますが、やはり細かい部分で色鉛筆独特の塗りムラや塗り残しができてしまいます。
また細かい部分のディテイル表現や発色にも限界があります。
その対処として いくつかの補助画材を使うことで、これらの欠点を解消できます。
塗りムラや塗り残しの解消には、「ブレンダー」という無色の特殊な色鉛筆と、「ぼかし液」を使います。
ブレンダーは色鉛筆を塗った紙の上を擦る事で色の粒子を拡散させる効果があり、混色やグラデーションを作る事もできます。
ぼかし液は筆につけて色鉛筆を塗った紙の上をなぞる事で色鉛筆の粒子を溶かして滑らかにし、水彩画のような仕上りにできます。
さらに、細かい部分についてはミリペン(黒)やポスターカラーを用いてディテイル感を出しています。
ハイライト(ヘッドライトやホイール周りの光が反射している部分)についてもポスターカラーの白で明るさを強調しています。
上記のようなポイントを押さえる事で、色鉛筆メインでもかなり精細な絵を描くことができました。
ちなみに今回のイラストにおける各画材の使用割合は次のような感じです。
色鉛筆:90%
ポスターカラー:9%(背景下塗り、ハイライト)
ミリペン:1%(細部の黒ライン)
最後に 色鉛筆画に本格挑戦した感想ですが、「思ったよりもかなり時間が掛かりメチャ大変」というのが率直な思いです。
何が大変かと言うと、「ムラ無く綺麗に塗りつぶす」のに物凄い時間が掛かるのです...(涙)
何となく水彩画より手早く仕上げられるイメージを持っていたのですが、全くの誤算でした。
という事で、「色鉛筆メインのイラストには物凄い気力と時間が必要」というのが今回の製作における教訓であり、私の結論です(笑)
やはり メインの画材はポスターカラーが最良かな? という気がしております。
次回はポスターカラーの応用として、エアブラシに挑戦してみようかな? などと考えております。
今後もライフワークとしてのイラスト製作を頑張って続けて参る所存です。
作品へのコメントを戴けると大変励みになります。
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2021-01-05 15:44
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