【依姫幻想郷】待ち構える雷

前【illust/86868712

四季映姫。
普段着に身を包み、父の社にきてみれば思いもよらない人物が待ち構えていた。

(豊姫)「閻魔がこんなところになんの用?いや、私に用かしら」
(映姫)「ええ、あなたに用があって待っていました」

映姫は是非曲直庁に勤める幻想郷の閻魔。
たとえ休日であったとしても、その言動は全て職務に直結する。
故に、あらゆる場面で閻魔でなければならない。

(豊)「私を裁きにきたか、あるいは何か忠告でも?」
(映)「いえ、ある方から比那名居天子の捜索を止めるよう仰せつかってきました。私個人として・・・ね」
(豊)「個人として?」

元々閻魔として務めている際でも、時として心の内がでることはあった。
しかし、一個人として行動するとなれば訳が違う。

感情に流されて衝動的に何かをするとは思えない。
例の鏡を使えば、物事の裏表を全てみることもできる。

自らの行動の意味を考慮した上で、『個人』として私の前に現れた閻魔は一体何を考えている?

(豊)「そのある方とは、聖白蓮と同じ人物かしら。一体何が目的・・・」

私の顔の横を雷撃が掠める。

(映)「問答は無用ですよ。貴女は察しが良いですからね、何も言えません」
(豊)「捜索をやめないと分かっていて、おまけに訳も話せない。いよいよおかしな話ね」

捜索を止めろ、はあくまで口実。
私に何をさせたい?

(映)「その目つき。貴女は閻魔の私をも恐れませんね。予想はしてましたが」
(豊)「私はどのみち地獄に落ちるわ。今更恐れるものか」

むしろ閻魔の職を失いかねない映姫の行動。
それを差し向けることのできる何者か。

その何者かに、私は微かな恐れを感じていた。

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2021-02-17 17:49

 テムテフ【アイテム屋】


Comments (6)

ルック 2021-02-19 00:26

裁きの雷…!

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前から続いてる物語なんですね。

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コルトパイソン 2021-02-17 20:46

常に法に則って平等であるはずの閻魔大王が私情を以て行動するほどの事態が起こっている…?

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